【3】step11 もしかして?を胸に追加で声を聞いてみよう!
この話は、ささいなキッカケから、「新しいこと」をはじめることになった高校生の2人組が、経営者や起業家、ユーザーの声をききながら、サービスをつくりあげていく物語です。
■ 主な登場人物
■ 前回までの配信
第3章 「やりがい」をみつける
自分たちが没頭できるやりがいをみつけてみよう!
Step11:もしかして?を胸に追加で声を聞いてみよう!
爽太、健人、結愛は相変わらずリビングでポストイットとメモだらけの模造紙を眺めながらワイワイと話をしていた。
健人が「お客さんは本当にフレッシュを求めてジュースを買っているのか?」という付箋をじーっと見つめていると、爽太が話し始めた。
爽太「僕はさ、東京じゅーすは東京じゅーすでいいんだけど、3番目に声をかけた男性が話してくれたことが結構頭に残ってて・・・。」
健人「”身体に良さそうと思って買ってみたんだよね。でも実際に身体にいいのかはわからない。”って言ってた話だね。」
結愛「なるほどね。そうすると、本当に『健康』を求めているお客さんもいるけど、そもそもあのジュースは本当に健康なのか?ってことよね。私も健康的って思って飲んでたけど。そんなこと考えたこともなかったな〜。
あ、そうだ。バイトしてる友達に、ちょっと本当のところ、今聞いてみるわ。」
健人「えっいま!?すごい行動力・・・。ありがとうございます!」
そう言って結愛はすごい早さで友達にLINEを送った。
返事を待ってる間、今日飲んだ東京じゅーすのメニューと姉のオススメのジュースについて話をして盛り上がっていると…
ピコピコッ
結愛「あ、返事が来たわ。…え!!?読むよ(笑)
”ジュースを買うって、正直、超雰囲気よね。だって、ウチのジュースにはわりとしっかり砂糖も入ってるし。海外輸入のピューレを入れて、味を濃くしてるし。搾りたて果汁も使うけどあんまりガッツリって感じではなくて、「ちょっと」だしね”
だって!」
爽太と健人は顔を見合わせて驚いた。それ以上に結愛が笑いながらも結構ショックを受けていた。
爽太「そうなんだ!」
結愛「えーっ!!健康にいいと思って飲んでたのに…
だから痩せないの!?うそーっ!」
爽太「姉ちゃん(笑)」
健人「や、お姉さん 貴重な情報、本当にありがとうございます。
そうなんだ。まぁ、健康というわりには満足感が高い味だなって思って飲んでたから、そう考えたらちょっと納得かも…」
結愛「うんうん。でも考えてみればそうよね。それに…超健康ジュースっていうのは美味しくなかったり、物足りないっていうイメージがあって、正直私にはあの満足感が重要かもなぁ。」
爽太「なるほどね。ただ、本当に健康に気を使いたいと思っている人がいても、僕らの様に知らない人も少なくないかも。逆にそういうことを知っていて敢えてあのジュースを飲んでいないって人もいるのかもしれない。やっぱりこの辺りがポイントになりそうだよね!」
ーー翌日ーー
今日は夏休み中の補講で、久しぶりの登校日だった。
補講は午前中だけで、1時間目の授業が終わった休み時間、2人は昨日のことを話していた。
爽太「どう?昨日からなんか新しく考えたことはあった?」
健人「いや〜 帰って寝て起きたら もう学校だった(笑)」
爽太がボーッとクラスを眺めていると、幼なじみの詩が水筒で飲み物を飲んでいるのを見かけた。
教室ではみんな夏休みの補講というゆるさもあって、コーラやソーダの缶ジュース、ドーナツやアイスなどを食べていた。詩はそういう買い食いをしないイメージがある。現に何かを水筒で飲んでいる。
爽太「そうだ!」
爽太は健人を引っ張って詩のところに向かった。
爽太「ねぇねえ、詩、ちょっといいかな?突然なんだけどさ、駅前のミックスジュース屋さんって行ったことある?東京じゅーす。」
詩「どうしたの、急に2人して…。東京じゅーす?あ、あのお洒落なお店だね〜。うーん、行ったことはないな。素敵なお店だと思うけど、身体に良さそうとは思えなくて。」
2人は思わず顔を見合わせる。
健人「あー、そうなんだ!?でも見た目はフレッシュさがあって僕なんかは、パッと見で、健康そうにも思っちゃうんだけど、違うの??」
詩「う〜ん…。まぁ大前提として、東京じゅーすが悪いなんて全く思わないわね。現にあのお店、大人気だしね。クラスの友達がよく飲んでいるのも見かけるし。あくまでも個人的なことなんだけど、私の場合は母の影響もあって、結構健康志向なんだよね。あのお店はすでにミックスされたジュースの入ったジューサーが店頭に置いてあるじゃない。そうすると、なんとなく朝から夕方まで置いてあるからフレッシュだと思えなくて。
それに、本当にフレッシュで安全な果物だけから作られたジュースだとしたら、きっとあんな値段では購入できない気がするんだよ。」
爽太「すごいな(笑)これまで見えてこなかった視点。詩のお母さんって、オーガニックスーパー行ったり手作りのお菓子作ったり、すごい健康志向だったよな。たしか。」
健人「詩、それ、すごい面白い話だ。ちなみに、詩が水筒に何を入れてるのか聞いてもいい?」
詩「うん。オーガニックのハーブティだよ。夏バテでも飲みやすいのよ、これ。」
爽太「なるほどな〜。ねぇ、ちなみになんだけど、詩だけじゃなくて、詩みたいに健康を心がけてる人って、実際あのジュースをあまり買わないのかな?」
詩「そうね〜。注意して深く考えたことないからわからないけど…。きっとそうなんじゃないかなぁ。あ、そうだ。健康を心がけてるって言えば、今日の午後、いつも通っているヨガスタジオに行くから、一緒に行って、友達に聞いてみる?」
2人は詩の提案に乗り、学校が終わるとヨガのクラスに向かう詩についていって、同じ時間にヨガ教室に来ていた詩の友人、数人に話を聞かせてもらった。
そこでは、駅前のジュース屋の存在はみんな知っていて、気にはなってたけど行ったことはないという人や、行ったことがあるけど甘すぎて自分には合わなかった、という人など結局、普段はこのお店を使っていない人がほとんどだった。
ヨガマットなどを持ちながら集まる人たちを見て、お洒落さと健康さを考えると、あのジュース屋さんと合いそうで、ここにいるみんなが買いそうなイメージなのになぁ・・と爽太は驚いていた。同時に、「これって必要な人に僕たちの届けたいものが届けられるチャンスかもなぁ」というワクワクする気持ちが込み上げてきた。
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