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【2】step7 どこに向かうのかをさだめてみよう! 事実と問題を切り分けてみる
この話は、ささいなキッカケから、「新しいこと」をはじめることになった高校生の2人組が、経営者や起業家、ユーザーの声をききながら、サービスをつくりあげていく物語です。
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爽太(SOUTA):物語の主人公。高校2年生。どこにでもいる普通の高校生(と本人は思っている)。社交的で素直。姉が1人いる。
健人(KENTO):爽太の友人。まわりから物知りだと知られている、穏やかな青年。経営者の父と大学院に行きながら起業した兄を持つビジネス一家で育つ。
前回までの配信
第2章 - 観察する/現状と発生している問題/ 理想とそこに至るまでの課題/真因課題(イシュー)-
「目的をさだめる」
どこに向かうのかをさだめてみよう!
Step7:事実と問題を切り分けてみる
駅から10分ほど歩くと、健人の家が見えてきた。
駅からすぐにも関わらず静かで自然の多いエリアにある、立派な一軒家だ。
健人「ただいま」
爽太「健人の家、久しぶりだな〜。お邪魔しま〜す!」
健人「母さんは出かけてて、父さんが部屋で仕事をしてるから返事がないけど気にしないで。時間が空いたら声かけてくれると思う。」
階段を上がって、2人は健人の部屋に入った。
途中、健人がキッチンからよく冷えたペットボトルのお茶を2本持ってきた。
健人は爽太にボトルを渡すと、2人でキャップを明け、ゴクゴクとお茶を飲んだ。
爽太「いや〜、それにしてもあの店のミックスジュース、美味しかったね〜。やっぱり、実際に行ってみてよかったな。まだまだ自分たちのできることはありそう、っていう発見にも繋がったし!」
健人「そうだね。百聞は一見にしかずとはこのことだよね。実はさ・・前に兄ちゃんがビジネスを始めるときに、発見したことや気づいたことをポストイット?っていう、粘着する紙に書いてまとめてたんだよね。」
健人はそういうと、スマホの写真を見返して、そのときの写真を爽太に見せた。
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爽太「すごいな。沢山書いてあるね」
健人「ここまで出来なくてもいいから、僕たちも真似してやってみない?」
爽太「いいね!やってみよう!」
健人は部屋を出て道具を取りに行った。
しばらくすると部屋のドアが空いて、模造紙とポストイットと太めのペンを持った健人が戻ってきた。
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爽太「この紙に、気づいたこととかをかけばいいんだよね?」
健人「うん。・・あ、爽太、もうちょっと大きい文字で。あと、1つのポストイットに1つの気づきってルールにしよう。たしかそう言ってた気がする。」
<ポストイットのメモ>
・意外と家で作ったミックスジュースの方が新鮮で美味しい
・忙しそうな人たちがせわしなく飲んで帰っていった
・集団で来てる人たちは、だれかが飲みたいと言い始めて飲む
・流れで買うことになってる人もいるのではないだろうか?
・本当にあのミックスジュースを飲みたいと思って買ったのか?
・飲んでみてとても健康的だと感じたけど、どんな食材を使っているんだろう?
・普段はどんな人たちが多く買いに行っているんだろう?
ーーーコンコンーーー
2人で書き終えたメモを模造紙に貼り付けていると、部屋の扉を誰かがノックした。
爽太「だれだろう?」
健人「はーい」
ーーーガチャーーー
蓮人「こんにちは〜爽太くん!お〜、書き始めてるね。いい感じじゃない。」
爽太「こんにちは!」
蓮人「さっき健人が 模造紙とポストイットを貸して欲しいって部屋に来たから、特に何も聞かず貸したけど、何に使ってるんだろ〜なって見に来たんだ。ふんふん・・ミックスジュース?2人は何をテーマに書いてるの?」
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健人が 兄の蓮人に昨日から今までの経緯を説明した。
蓮人「お〜なるほどね!面白そうなことやってるね〜。じゃあこのポストイットでは、いまそのミックスジュース店でなにが起こっていて、どんな問題が起きているのかを整理しているということだね。それは『現状』の整理と『問題』の抽出と言うんだよ。現状と問題って似ているようで違うよね。こうやって書き出してみたら、いまなにが起きているのかという『現状』とどんな『問題』が起きているかは分けたほうがいいんだ。」
爽太「す、すごい、、!蓮人さん、ありがとうございます。なるほど、そう考えると僕たちがいま出しているものは『現状』と『問題』がごちゃごちゃになってる気がします。健人、整理してみよう!」
健人「そうだね、やってみよう!」
2人は一度書き出したポストイットを 「現状」と「問題」に分けて書き出してみた。ポストイットにはいくつかカラーがあったので、「現状」と「問題」の2つは色分けをしてみた。
2色のポストイットを貼り終えると蓮人が模造紙を見渡した。
蓮人「よくできているね!ここまでできたら、どんなカタチが理想か、2人で考えてみたらいいんじゃないかな?そうすると、いま起きている『問題』から『理想』状態を目指そうとするときに、【なかなかうまくいかない】という事態を体験すると思う。この、【なかなかうまくいかない】ことを『課題』というんだよ。実はこの『課題』が一番重要なんだよね〜。言いたいことはそれだけ!2人の話、面白かったよ~ それじゃあね!」
蓮人は一気に喋ると、部屋から立ち去ろうとしてドアの方へ向かって行った。
健人「え!ちょっと待って!そんな急に『理想』って言われてもわからないよ。兄ちゃんの『理想』はなに?」
健人は慌てて兄を引き止めて質問した。
蓮人「いや、俺は知らないよ。だってミックスジュースがすごく飲みたいってわけでもないし。2人は【この人にミックスジュースを飲ませたい】と思う人はいないの?その人に聞いてみたらいいよ。」
そういうと、蓮人は部屋を出て行った。
爽太「兄さん、嵐みたいにやってきて、行っちゃったね。すごい勉強になったけど。」
健人はあいづちを打ちながら、軽くため息をついて言った。
健人「まったく本当にね(笑)でも、兄ちゃんの言ってる意味がなんとなく理解できたかも。僕たちが誰にミックスジュースを飲んでもらいたいか、を考えるのが重要なんだよ。その人たちに理想を聞いてみるのが良さそうだね!」
爽太「よし、聞きに行こう!・・って、誰に??」
このステップのポイント
・自分たちがやりたいことを実は形を変えて、すでにチャレンジしている人がいる場合があります。それをよく観察すると「問題」が起きていることが多いので、それをまずはチェックしましょう。
・どんな問題が発生しているのかをメモしておくと考えるヒントになります。
・自分たちがやりたいと思うことには、現状、何か発生してしまっている「問題」が含まれていることが多いです。これらをしっかりと特定しましょう。
・自分たちには「こういう理想がある」と掲げられるものがあるでしょうか?ゴールとなるような理想を明確にしましょう。
・理想に至るためには、課題を乗り越える必要があることがほとんどです。そのために、どういったどんなルートを進めばいいのか?を検討してみましょう。
・上記を考えるときに重要な点として、理想を叶えて届けたい相手(ターゲットユーザーといいます)を定める必要があります。
ー考えてみようー
・発生してしまっている問題に困ったことはありますか?それはどんなことだったでしょうか?
・だれかに何かをしてあげたい、提供したいと思ったことはありますか?それはどんなことだったでしょうか?
・理想に至るために障害や壁となるような課題を抱えてたことはありますか?それはどんなものだったでしょうか?
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