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【3】step14 こだわりを届ける人の「かけがえのないもの」に変える

この話は、ささいなキッカケから、「新しいこと」をはじめることになった高校生の2人組が、経営者や起業家、ユーザーの声をききながら、サービスをつくりあげていく物語です。

■ 主な登場人物

爽太(SOUTA):物語の主人公。高校2年生。どこにでもいる普通の高校生(と本人は思っている)。社交的で素直。姉が1人いる。

健人(KENTO):爽太の友人。まわりから物知りだと知られている、穏やかな青年。経営者の父と大学院に行きながら起業した兄を持つビジネス一家で育つ。


■ 前回までの配信




第3章 「やりがい」をみつける
自分たちが没頭できるやりがいをみつけてみよう!


Step14:こだわりを届ける人の「かけがえのないもの」に変える


「ジョブ」と「インサイト」について源人の解説は高校生の自分たちにもとてもわかりやすく、学校では聞き慣れない内容だったけれども、なんとかくらいついて考えていた。

源人「ここまででジョブを確認したから、今度はユーザーの深層にある『インサイト』についてだ。これを確認しよう」


【コラム】インサイトとは何?ユーザーの深い洞察を得るということ

「インサイト」とは、製品やサービスを考える際に、人々の胸の奥底に隠れたニーズや、普段は意識したことのない行動のパターンなどを深く理解することによって得られる深い洞察のことを指します。単に表面的な要望や問題を解決するのではなく、より根本的な欲求や、奥深くに隠されている簡単には解決できないような問題に対応する解決策を見つけるための鍵となります。
インサイトを見つける過程では、以下のステップが含まれます。

  1. エンパシー(深い共感)の構築 :
    ユーザーの状況、感情、ニーズを理解するために、観察やインタビュー、フィールドリサーチなどを通じて、ユーザーに対して深く共感することから始まります。

  2. データの収集と分析 :
    収集した情報やデータを分析し、パターンやテーマ、意外な振る舞いなどを探します。この過程では、量的データだけでなく、質的データの分析がとても重要になります。

  3. 洞察の抽出 :
    分析を通じて見つかった情報から、ユーザーの本質的なニーズや問題の背景にある因子を見つけ出します。このインサイトは、ユーザー自身も意識していないような深いレベルのニーズや欲求に基づくことが多いです。

インサイトを見つけることは、ユーザー中心のデザインプロセスにおいて非常に重要です。これにより、単に機能的なニーズを満たすだけでなく、ユーザーの生活をより豊かにする製品やサービスを創造することが可能になります。


爽太と健人はこれまでの話と昨日行き着いた方向性を、あらためて源人に説明した。

源人「なるほど。そうすると、もう、インサイトは見えている感じだなぁ。こんな感じだね。」

・インサイト
「日々飲むものを意識している健康に対する感度の高いユーザーは、『フルーツ』や『フレッシュ』などキーワードに反応しそれらを体内に取り入れたいと思うけれども、実際には、市販(駅前)のジュースなどは躊躇して飲めないでいる。(結局、家で煮出したハーブティを飲んでいる。)」


源人「インサイトを確認したところで、先ほどまとめたジョブと合わせて確認しよう。

・ジョブ
「世の中に溢れている、一見『健康』に見えるたくさんの飲み物は本当に健康なんだろうか?」という漠然とした不安を解消して、安心して飲めるドリンクを手に入れたい。(人によっては市販のペットボトルの緑茶は飲めない)

源人「一旦今のところを文字にしてみたけれど。あらためて2人が読んでみてどうだい?」

爽太「比較してみると、インサイトの方には『一般的な健康を謳う商品が本当に健康的なのかが不安』という要素を加えたくなりますね。そして、ジョブの方には『手作りでなく商品購入で面倒を解消しながら生活したい。』を加えてみたいです。」

すかさず健人が言葉を付け足してまとめた。

・インサイト
日々飲むものを意識している健康に対する感度の高いユーザーは、「フルーツ」や「フレッシュ」などキーワードに反応しそれらを体内に取り入れたいと思うけれども、実際には、それらの商品が本当に健康的なのかが不安で、市販(駅前)のジュースなどは躊躇して飲めないでいる。(結局、家で煮出したハーブティーを飲んでいる。)


・ジョブ
「世の中に溢れている、一見『健康』に見えるたくさんの飲み物は本当に健康なんだろうか?」という漠然とした不安を解消して、安心して飲めるドリンクを手に入れたい。自分で作るしかないけど、できればこのこだわりを維持したまま、それを市場から買うことで面倒を解消しながら生活したい。(人によっては市販のペットボトルの緑茶は飲めない)

源人「うん。いい感じじゃない?この2つのインサイトとジョブから深めていけると良さそうだね。」

そう言って、源人は手をたたいた。爽太も健人もふーっと息をはいて、ソファの背もたれに寄り掛かった。


ーこのステップのポイントー
・インサイトやジョブは、一見するとユーザーの表面からは見えない奥深い感情や欲求です。これをみつけることでサービスは自然とオリジナリティを備えやすくなります。
・インサイトやジョブを見つけることで、ユーザーにとってはかけがえのない製品やサービスになる可能性があります。
・考えた内容を頭の中だけで定めるのではなく、可視化できるように一旦書いてみたり並べてみたりすることでより洗練された言葉に直せる可能性があります。

ー考えてみようー
・自分のこだわりを込めた商品やサービスが、相手にとってかけがえがないと言ってもらえるような経験や体験はあるでしょうか?それはどんなものでしたか?
・表層的な欲求や、すでに分かっている(顕在的、といいます)なニーズではなくより深い欲求や、一見すると分からないまだ明らかにされていない(これを潜在的、といいます)なニーズから商品やサービスを検討するというのはどういうことなのかを考えてみましょう。


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■ リリース・インタビュー

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