June-2, 2021
6月はPride月間。LGBTQIA+ の権利や歴史について見つめ直す月。写真はこの運動の発端となったストーンウォール innです。6/28にはこの辺りがごった返します。
6月後半の舞台・展覧会メモ
Chelsea Gallery Hopping: ギャラリー街のチェルシーにてギャラリー巡りをしました。Pace Gallery - Winston Wachter - Agora Gallery - Marlborough Gallery -Michael Sadowsky at Lavan 541
Milka Djordjevich 'CORPS, A procession' at New York Live Arts: ニュートラリティ、匿名性を作り出す為のダンス作品。グループを保つ為の軍隊的な状態について解き明かし別の角度へ置き直してみる。軍隊的であること・儀式的であること・体育的であること・フォークダンス・伝統的であることにまたがる共通点を見つけることなどがテーマのダンス作品。ワークインプログレス的なパフォーマンスだったので、まだいろいろ試し中という感じがしたけれど、プロジェクトステイトメントに書いてある言葉通りのパフォーマンスといった感じでした。これからどんどん変わりそう。日常の普通の風景に、パフォーマンス要素が現れるのは、いつでも面白いですよね。日常は、背景として一番面白い。
The Shed 'OPEN CALL': Aisha Amin, Ayanna Dozier, Caroline Garcia, Emilie Gossiaux, Kenneth Tam, Esteban Jefferson, Le'Andra LeSeur, Tajh Rust, Anne Wu, Simon Liu, Pauline Shaw, ヴィデオインスタレーション、ペインティング、キルトインスタレーション、AR(拡張現実) インスタレーション、家の門に使う素材を使ったスカルプチュア、実際にあったけれど反対にあって中止された都市計画の再現作品、などなど、ひとつひとつ非常に非常に面白くメッセージ性のある作品で、強く印象に残りました。気功やフィリピン原住民のマーシャルアーツ、香港のプロテスト、中国系の家にあるゲート、イスラム教のモスクのドキュメンタリー、ブラックコミュニティの為のテーマパーク構想の再現作品、などNYの多文化を表すという強いメッセージ性をキュレーションから感じました。どこかで見たことのあるような、ある種 'ダサい’ 素材を使った彫刻やおばあちゃんがやっていたような動き、中止された都市計画がもしあったらどんなふうになっていただろうかという再現映像など、NYの若いアーティスト達が自らのバックグラウンドを見つめ、一見後退りしたような感覚を覚える体感を、非常にレベルの高い表現でリサイクルする。それが今のNYなのかもしれません。かっこよく気取るNYではなく、血の通った、おばあちゃん世代と語り合う、感情を伴う今の若者達という感じです。面白くてまいりました。
Kyle Marshall 'Stellar' at Baryshinikov Arts Center : インプロヴィゼーションやJazzなどの音楽、また火星や星にインスパイアーされたダンス作品。音楽で始まり、ダンス・音・照明・衣装がバランスよくそれぞれが個別の表現として魅力的。特に音はそれだけ聞いていてもトリップできるような感覚。衣装は、ストリート的なスウェットにカラフルなペインティングと三角や丸などの宇宙を想起させるようなシンボルが描かれ、また蛍光塗料やグリッターが塗ってあるので照明が暗くなると光るようになっている。動きはFalling などの重力を扱うような動きのテクニックに、アフリカンダンスのようなリズムステップを多めに合わせたところが今っぽい。ストリートであり宇宙的、コンテンポラリーであり自分のルーツを見失わない、そんなダイコトミーを軽く跳び越える、さわやかで創造的な今を、作品から受け取りました。
Uncovered Terrain by Annie McCoy and Miles Butler at UNFIX FESTIVAL: UNFIX FESTIVAL は2015にスコットランド、グラスコーで始まったオンラインパフォーマンスフェスティバル。現在は東京・NY・イタリアなどでも行われています。Uncoverd Terrainでは、今現在のフェイスカバーが必要な日常を2030の視点から見るという設定。水・花・肌・人間の手や目線など’生きているもの’ の価値を再発見するような素敵な作品。
Public Water by Mary Mattingly at the Prospect Park: エコシステムを実際に体現した彫刻作品。それぞれの植木鉢からチューブが次の植木鉢へ伸びていて、3ヶ月間の展示期間中の植物の成長も含めての作品。素晴らしいです。
RE: Live Performance Lab at the Satellite Art Club curated by Kathie and Fang Yu: 私も参加したバー地下にある地下劇場のオープニングパフォーマンス。Covid後初のパフォーマンスイベントということで儀式性のある参加型作品が多くまさにパフォーマンスパーティ。久しぶりの超アングラで洞窟のような雰囲気の集まりにブルックリンのアーティストが集合。
Babel by Luis Muhr at Roulette: 9人のパフォーマーによる音楽を中心としたパフォーマンス。
Gabbing with Gays by Zach Rothman-Hicks: Gabbing with Gays はLGBTQIA + コミュニティにおける心の触れ合いをテーマにしたオーディオヴィジュアル作品。作品が埋め込まれたQRコードが街中の特定の場所に貼られており、地図を持ちながらそれらを巡って体験するサイトスペシフィック作品です。Covid後、NYではこうした音声・音楽劇を聴きながら街を再体験するアートがたくさん生まれています。
Lux Phantasmatis / Pavel Zustiak and Keith Skretch at Bohemian National Hall
Lux Phantasmatis is a large-scale kinetic and audiovisual installation which hovers at the intersection of sculpture, choreography, and machine art. Like its theatrical namesake ("ghost light"), Lux Phantasmatis embodies a presence within absence, matter within a void. ダンスホールのような豪華な空間に浮かぶ回転する円盤。その周りのLEDライトは時間によって色が変わり、赤ー黄色など円盤も印象が変わります。遠くから眺めるのと、真下からみるのでは全く違うヴィジュアルで、瞑想的充実感のある作品。Creative team: Pavel Zustiak, Keith Skretch, Christian Frederickson, Joseph Silovsky, Ryan Holsopple, Christina Tang, Sandra Garner, Joe Levasseur, Marek Soltis, Libor Mlynar
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