日本麻雀百年史 その18
第13章 麻雀産業の急成長と衰亡!
昭和40年代から50年代にかけて、午後七時を過ぎると、街中の麻雀クラブには「満卓御礼」という札がぶら下がった。三軒隣の店にも、またその隣の店にも――。
どの店も、お客さんがいっぱいで新たなお客さんの応対をせずとも済むように、その札をドアのノブに掲げたのである。
その札が消えたのは、いつ頃からだろうか。
日本の高度経済成長期は、1955年から1973年までの18年間と言われている。日本の年号で昭和30年から昭和48年ということになる。
戦後日本の経済は、1950年に勃発した朝鮮戦争による特需ですでに戦前水準に回復していた。
1960年、池田内閣は国民所得倍増計画を発表した。
1964年、東京オリンピック開催。
1968年、GNP(国民総生産)が第一位のアメリカに次いで自由世界第二位となった。
1970年、ベトナム戦争、大阪万博などの特需景気。
この時代、テレビ、洗濯機、冷蔵庫が三種の神器と呼ばれ急速に普及した。
この時期、麻雀は一つの産業として目覚ましい発展を遂げた。
敗戦直後から始まった日本の経済成長は、「東洋の奇跡」と言われたが、麻雀営業の急成長は大袈裟にいえば「世界の奇跡」といえた。
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