月刊『麻雀界』インタビュー麻雀の高みを目指す“次世代”のプロに迫る!「最強を求む雀士たち」vol.5(日本プロ麻雀協会 水口美香)

※本記事は麻雀界134号に掲載されたものです。

女流Aリーガーとして活躍する傍ら、YouTube活動や漫画の監修も務める才色兼備の女流雀士

水口 美香(ミズグチ ミカ)
1988年1月3日生まれ・A型・東京都出身。日本プロ麻雀協会第10期前期入会。
「麻雀最強戦2017女流プレミアT」で優勝後、翌々年にも同タイトルを獲得。2018年には「夕刊フジ杯争奪麻雀女流リーグ」で優勝し麻雀女王に輝いた。

麻雀を始めたきっかけ

-今回は日本プロ麻雀協会のAリーグに所属し、YouTube活動、漫画の監修などマルチに活躍されている水口プロに、プロ入りのきっかけや今後のプロ活動の展望をお聞かせいただければと思います。
 よろしくお願いいたします。
 まずは、麻雀を始められた経緯について教えてください。

水口:最初は、大学生の頃に大好きだった福本伸行さんの「カイジ」のアニメを見たことがきっかけでした。
 その後、麻雀のルールもわからないまま「アカギ」も見始めて、そこから麻雀に興味を持ち、麻雀をやっている友達にルールを教えてもらって実際に打ちながら徐々に覚えるようになりました。
 そのころは通学の電車内で印刷した紙を見て役や点数を覚えたりと必死で勉強していましたね。 
-その後、本格的に麻雀を始められたのはいつ頃でしょうか?
水口:女流プロにありがちだと思うのですが、大学4年の時に就活が終わってからの半年間雀荘でアルバイトを始めて、そこからさらにのめりこんだ感じですね。

-なるほど。その後、プロを目指された理由は…?

水口:内定をもらっていたので予定通り卒業後はその企業に就職したんですけど、以前働いていた雀荘で協会の方がゲストで良く来ていることを思い出して、仕事をしながら自分もプロになりたいという想いが湧いてきたんです。
 ですが、そのことを上司に相談すると、やはり当時は麻雀のイメージってそこまでよくなくて。「二足の草鞋はダメだ」と反対されてしまったんです。
 それでもどうしてもプロになりたかったので、プロ試験に合格したら仕事を辞めるという形で話が収まりまして、ここまで言った手前絶対に落ちれないと思い必死に勉強を始めて、なんとか1回で合格することが出来ました。

-そうだったんですか。その後、実際にプロになってみていかがでしたか?

水口:協会に入ってからは先輩方に麻雀を教えてもらったりして自分でもすごく成長を感じています。
 特に、月に2、3回ほど勉強会をしているのですが、新たな知識を得られたり発見があるというのがとにかく楽しくて、今でも毎月の楽しみになっています。
 プロになってからは毎日が楽しいし、好きなことを仕事にできることをとても幸せに感じています。
 あと、麻雀を通じて毎日いろいろな感情を味わうことが出来るので、なんだか中学の部活のようなワクワク感がありますね。

初タイトルを獲得して。

-その後、いよいよ初タイトルを獲られたわけですが、その時はどういうお気持ちでしたか?

水口:元々、映像対局など自分の麻雀を見てもらうことが好きなんです。
 見られてるっていう意識が働くと集中しなきゃって気持ちになるので身が引き締まるという感じで、そういう環境の中で結果を残せたのはうれしかったですね。
 もっと多くタイトルを獲りたいという気持ちもあり、翌年の夕刊フジ杯で優勝して麻雀女王になった時は特にうれしかったです。

-映像対局というと昨今はМリーグが話題ですよね。
 水口さんと言えば、ドラフト会議でファン投票で名前が挙がっておりましたが、今はМリーガーになりたいという想いはあるのでしょうか?

水口:なんというか、自分の中でもよく分かっていなくて、もちろんチャンスがあったら積極的に狙っていきたいですし、指名されたらどのチームでもよろこんで入りたいという気持ちはあるのですが…。
 Mリーガーになったら生活もガラリと変わってしまうと思うので、なかなか決断が難しいと感じています。

-まだ気持ちの整理がついていない部分もあるんですね。
 話は変わりますが、対局中はどのようなことを意識されて打っているのでしょうか?

水口:今、協会では高打点狙いが流行っていて、私も基本は高打点を狙うようにしていますが、根本は守備を意識して打っています。
 無駄な放銃はしないように気を付けて、例え放銃することになっても押すことに見合うような手組みをするように心がけています。

-現在、ゲストや映像対局のほかにはどのような活動をされているのでしょうか?

水口:様々なところで麻雀教室の講師をさせていただいたりしています。
 麻雀以外の活動だと、去年から「麻雀プロ競輪部」というYouTubeチャンネルを鈴木たろうさん、滝沢和典さん、愛内よしえさんのメイン4人でやっています。
 また、2年前くらいから、サンデーうぇぶりで連載中の「グレイテストM~偉人麻雀大戦~」という漫画の監修も担当しています。

-漫画の監修ですか。どういった経緯でやられることになったんでしょうか?

水口:昔、麻雀バー「ガーデン」の店長をやっているときに突然小学館の方が訪ねてこられまして(笑)。
 どういう経緯で選んでくださったのかはわからないんですけど、やるからには精一杯やろうと思って受けることにしました。
 内容的には登場人物が歴史上の偉人になっていて、それぞれが特殊能力を持っているといういわゆる能力ものの麻雀漫画になっています。
 本編ではシャーロックホームズが出てきたりして、その推理を考えたりするのも楽しかったですね。
 牌姿なども私が考案させていただいて、実際に家で同じ牌姿を並べて同じ牌が5枚ないかなどのチェックもしながら考えているので、時間はかかりますがすごくやりがいを感じています。

-そんな様々な活動をされている水口さんですが、今後の目標はありますか?

水口:今年も何とか女流Aリーグに残留できたのでまずは女流雀王です。やはり協会の女流が目指す最高峰のタイトルなので。
 後は、雀魂がものすごく流行っているので、私ものんびりやってみようかなと思っています。

-なるほど。では最後にファンの方へ一言お願いいたします。

水口:私にも少なからずファンの方がいてくれるのですごく活動の励みになっています。
 実際にゲストの時に会いに来てくれたり、麻雀の内容を見てもらえるのをとてもうれしく感じています。引き続き応援してくださるとうれしいです。これからもよろしくお願いします!

-水口さん、本日はお忙しい中ありがとうございました!

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