月刊『麻雀界』インタビュー麻雀の高みを目指す“次世代”のプロに迫る!「最強を求む雀士たち」vol.3(最高位戦日本プロ麻雀協会 坂本大志)
※本記事は麻雀界132号に掲載されたものです。
団体運営の傍ら、プレイヤーとしても団体最高峰タイトル「最高位」を獲得したハイブリット雀士
坂本 大志(サカモト マサシ)
1979年10月23日生まれ・A型・神奈川県出身。
最高位戦日本プロ麻雀協会第31期前期入会。
第44期最高位決定戦で優勝し、団体最高峰タイトルの最高位を獲得。
最高位戦日本プロ麻雀協会の事務局員・道場長も務める。
麻雀を始めたきっかけ
ー今回は最高位戦日本プロ麻雀協会の最高峰タイトル「最高位」を獲得したことのある坂本プロに、最高位になるまでの道のりや、事務局のお仕事についてもお話聞かせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
まずは、麻雀を始められたきっかけについてお伺いしてもよろしいでしょうか。
坂本:最初に麻雀に触ったのはゲームセンターの麻雀ゲームですかね。
当時は小学生とか中学生の頃でしたからルールもわからずゲームの一つとしてやっていた感じでした。
ーその後リアルの麻雀はどうしてやるようになったのでしょうか?
坂本:高校に入ると同時にバイトを始めて、そこの先輩に麻雀に誘われてやったらめちゃくちゃ負けてしまって。それが悔しくて麻雀の勉強をするようになりました。
ーなるほど。その後、プロを目指された理由は…?
坂本:18歳に時にフリーに行くようになり、その後、仕事の都合などで一時期フリーは行っていなかったんですが、22、23歳の時にまた行き始めたお店で園田さんに会って、その時は常連のお客さん同士という感じで徐々に仲良くなっていきました。
それから少し経って園田さんが最高位戦に入会して、アマ最高位戦という大会に誘われたんです。
その大会で決勝に残ることができたんですが、その時の雰囲気や注目されている感じが今まで味わったことがないくらいすごくて、その時にプロになりたいと思ったんです。
ーその後、実際にプロ入りしてみていかがでしたか?
坂本:入会した年は、当時あった優駿杯というタイトル戦で決勝に残ったり、他団体のタイトル戦でも準決勝や決勝に進んだりと、とても好調だったんです。
正直その時天狗になっていたんですが、ちょうどその時期に仕事を辞めて働いていた雀荘での成績がすこぶる悪くて、それが逆にその後の原動力になった感じはありますね。
ーその後、なぜ事務局へ入られたのでしょうか?
坂本:入会1年目にAリーグの採譜をやっていて、そこから会場係など徐々に運営に関わっていく機会が増えたんです。
プロテストの面接で、事務や運営に興味があるかと聞かれた時には無いときっぱり答えていたのですが、いつの間にか10年くらい運営に携わっていますね(笑)。
事務局を経験して
ーそうだったんですか。事務局の仕事でやりがいを感じるのはどういったところでしょうか?
坂本:まずメリットだなと思うのが、団体に一番近いところで仕事ができるという部分とリーグ戦に注力できるところでしょうか。一般企業だとリーグ戦のたびに都合をつけないといけないですけど、事務局はその心配はないですからね。
最近、最高位戦では支部の増加や人員増に力を入れていて、ついこの前も東北支部ができたところなんですよ。そういった地方の活性化や拠点を増やすというところにはやりがいを感じています。
ーなるほど。逆に難しさを感じるところはありますか?
坂本:今事務局員は6人ほどいるのですが、私は特に出勤日が決まっているわけではなく、研究会など私がプライベートでも麻雀プロと関わっていることが多いため、オンとオフが難しいなと感じることはあります。
ーなるほど。出勤日が決まっていなかったりする方が仕事の配分が難しかったりもしますよね。
そういった事務局の仕事をしながらリーグ戦やタイトル戦にも出られているわけですが、初タイトルの獲得はいつでしたか?
坂本:入会から4年目の第4期最高位戦Classicですね。優勝した時はとてもうれしかったのを覚えています。
ーその後のタイトル戦で印象に残っているものはありますか?
坂本:今でも強烈に覚えているのが第3期RMUクラウンですね。
決勝の対戦相手が当時のRMUを代表する土田さん、古久根さん、そしてその年絶好調だった藤中さんでした。確か土田さんと古久根さんのRMUでの最後のタイトル戦だったということもあり、会場には50人くらいの観戦者がいたと思います。
あの光景は今でも覚えていますね。
ーそうそうたる対戦相手ですね。その後、いよいよ最高位決定戦に初出場を果たし優勝されるわけですね。
坂本:はい。初タイトルから10年後でした。優勝した瞬間はClassicを優勝した時とは比べ物にならないくらいうれしかったですね。言葉ではちょっとうまく言い表せないんですけど(笑)。
ー色々な想いもあったと思います。最高位になってからはやはり見られ方など変わりましたか?
坂本:変わったと思います。やはりプロ団体の中で一番歴史のある特別なタイトルですから。
ですが、同時に申し訳ないという気持ちも出てきてしまったんです。
ー申し訳ないというのは…?
坂本:言葉を選ぶのが難しいんですけど、私が最高位になったとしても、それは歴代最高位の方と同じ評価ではないと思うんです。
例えば、最高位戦で一番強いと思う人は?というアンケートをとったとして、僕の名前が挙がることはほとんどないと思うんですよ。
最高位になったことで、今までは強くなることに必死で自身の発信やファンサービスなど、周りに認められる努力ができていなかったと気づかされ、そういった部分での申し訳なさがありますね。
ーなるほど。最高位になったことで意識が変わっていったんですね。今後の目標についてはいかがでしょうか。
坂本:やはりもう一度最高位を取ることでしょうか。あとは最高位戦でまだ誰も成しえたことのない4大タイトルの制覇ですかね。
事務局としては今後増えてくる仕事の割り振りや、後輩の育成にも注力していきたいと思っています。
ーでは最後にファンの方へ一言お願いいたします。
坂本:今までファンのための活動などをしてこれなかったにもかかわらず、それでも応援してくれる人がいてくださってとても感謝しています。
今までファンの声援が力になる、というのはあまり意識していなかったのですが、最近ではとても心強く感じています。
そういった声援に応えるためにも結果を出していきたいと思います!
ー坂本さん、本日はお忙しい中ありがとうございました!