配牌VSツモ、どちらが大事?
研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん
1.はじめに
麻雀をやってる中で、「今日は配牌悪いなー」とか、「配牌はいいけど、ツモが全然効かない…」みたいな嘆きは、(常人であれば)日常茶飯事だと思います。
そこで今回は、配牌やツモの良しあしをいい感じに定義して、最終順位やトータルポイントにどの程度の影響があるか(相関があるか)を牌譜解析などで調べてみました。
2.牌譜解析条件等
・試合終了時(半荘戦東風戦は問わない)の4者それぞれ(以下、自分とする)について1件分のデータとして記録する。
・以下のデータを取る。配牌平均向聴数(*1)・平均ツモ良さ指数(*2)・試合終了時順位・(鳳凰卓半荘戦七段換算の)この試合の順位による段位pt
*1 配牌平均向聴数について
(配牌平均向聴数)=((1局目の1巡目14枚配牌のシャンテン数)+…+(最終局の1巡目14枚配牌のシャンテン数))÷(総局数)
※ただし、自分が1巡目ツモが回ってくる前に鳴きを入れた局は除外する。
*2 平均ツモ良さ指数
(ある局・巡目のツモ良さ指数)=(該当局・巡目のツモが、シャンテンが進む有効牌なら1、そうでないなら0)-(自分から見てシャンテン数が進む有効牌の残り枚数合計)÷(自分から見て見えてない牌の合計枚数)
(平均ツモ良さ指数)=((1局目・2巡目のツモ良さ指数)+…+(最終局・最終巡目のツモ良さ指数))÷(全局の総巡目数の合計)
※ただし、各局1巡目と、1人目リーチが入って以降の巡目は計算から除外する。
(ある局・巡目のツモ良さ指数)の定義式のうち、後半の(自分から見てシャンテン数が進む有効牌の残り枚数合計)÷(自分から見て見えてない牌の合計枚数)の部分が、有効牌をツモる確率の理論値に相当します(枚数でしか見てないのでかなりアバウトだが)。この値は0~1の間を取るので、前半部分(該当局・巡目のツモが、シャンテンが進む有効牌なら1、そうでないなら0)と合わせて考えると、数字がプラスであれば、実際のツモが有効牌であった場合を、マイナスであれば実際のツモが有効牌でなかった場合を表わします。また、数字のプラスが大きいほど、有効牌ツモ確率理論値が低いにもかかわらず、有効牌をツモれた、ということで、より「ツモがいい」ことを表現した定義にしたつもりです。
各局・各巡目のツモ良さ指数を計算した後、全部足し合わせて、巡目の数で割って、その試合のツモ良さ指数の平均値を出します。ただし、各局1巡目は先の配牌平均向聴数と依存関係があるため、計算から除外します。また、1人目リーチ者が出て以降の巡目も、ベタオリとの絡みがあるため、計算から除外します。
〇平均ツモ良さ指数の算出の例
2巡目・5pをツモる前13枚手牌について、この局の2巡目のツモ良さ指数を計算します。
(2巡目のツモ良さ指数)=0(ツモ5pはシャンテンが進む有効牌でない)-75(13枚手牌で、シャンテンが進む有効牌77枚から場に見えてる9m2p2枚を引いて75枚)÷128(全148枚から自分手牌13枚と場に出てる7枚を引いて128枚)
=-0.59
3巡目についても同様に、
(3巡目のツモ良さ指数)=1(ツモ5mはシャンテンが進む有効牌)-80(13枚手牌で、シャンテンが進む有効牌83枚から場に見えてる9p2p2p3枚を引いて80枚)÷124(全148枚から自分手牌13枚と場に出てる11枚を引いて124枚)
=+0.35
4巡目についても同様に、
(4巡目のツモ良さ指数)=1(ツモ2mはシャンテンが進む有効牌)-72(13枚手牌で、シャンテンが進む有効牌79枚から場に見えてる2p2p9p5m1p2p3p7枚を引いて72枚)÷117(全148枚から自分手牌13枚と場に出てる18枚を引いて117枚)
=+0.38
仮にこの局の4巡目までで試合が終了したとすると、この試合の自分の平均ツモ良さ指数は、以下のように算出されます。
(平均ツモ良さ指数)=(-0.59(2巡目)+0.35(3巡目)+0.38(4巡目))÷3(総巡目数)=+0.051
この牌譜解析の結果、以下のようなcsvファイルができます。
このcsvファイルについて、いろいろ分析をかけてみます。
こちらの表は、行方向に試合終了時順位を取ったときの、平均ツモ良さ指数・配牌平均向聴数の平均値です。
・順位がいいほど、配牌平均向聴数は下降傾向(シャンテン数が少なく、アガリに近い手の場合が増える)
・順位がいいほど、平均ツモ良さ指数は上昇傾向(シャンテンが進む有効牌をツモれる場合が多い)
・配牌平均向聴数は順位を問わない場合で、3.16向聴
・平均ツモ良さ指数は順位を問わない場合で、-0.012。数字がマイナスなので、枚数のみで算出した有効牌ツモ率理論値よりも、実際に有効牌がツモれるケースは少ないことがわかる(理由としては、内側数牌が有効牌になるケースが多く、内側数牌は端とか字牌に比べて、見た目枚数よりも山に残ってない場合が多いことなどが考えられる)。
この後の有料部分で、以下のことをやります。
・平均ツモ良さ指数や配牌平均向聴数と、段位ptの間の相関係数の計算
・段位ptを目的変数に、平均ツモ良さ指数と配牌平均向聴数を説明変数に取った場合の、重回帰分析
・横軸に配牌平均向聴数を、縦軸に平均ツモ良さ指数を取ったときの順位ごとの散布図掲載と分析
・私(nisi)の対局について、平均ツモ良さ指数や配牌平均向聴数の時間的経過を示したグラフなど
3.平均ツモ良さ指数や配牌平均向聴数と、段位ptの間の相関係数
まずは、平均ツモ良さ指数と段位ptの間、配牌平均向聴数と段位ptの間の相関係数について分析してみます。
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