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「ペンチャンVS浮き牌」に関する研究
研究代表者 nisi
文章 nisi・みーにん
研究協力 とつげき東北
0 今日の何切る7題
設問1 浮き牌VSペンチャンの基本形
設問2 リャンメンの手替わりが多い場合
設問3 リャンメンの手替わりがめっちゃ多い場合
設問4 浮き牌2枚がともにドラの場合
設問5 ペンチャンを落とすとタンヤオが確定する場合
設問6 三色への手替わりが見込める場合
設問7 ペンチャン待ちの4枚のうち2枚が見えている場合
(3mは1枚自分が使っていて、さらに場に3mが1枚切れている)
1 はじめに
こちらはユーチューバーとして現在大活躍中の麻雀クリエーター平澤元気氏(ツイッター)の麻雀戦術動画である。
この動画では
のような「ペンチャン+リャンメン+浮き牌イーシャンテン」において
浮き牌を切ってイーシャンテンを維持するか
ペンチャンを払ってリャンシャンテンに戻すか
について解説されている。
この動画、結論がわかりやすくまとまっているので、初心者だけではなく中級者の人も参考になる。
よって、気になった方は是非一度動画を見てほしい。
その一方でこの動画を見ていて思った。
この辺のデータって取ったっけ、と。
確かに、一人麻雀(他家の挙動を考慮しない場合)によるシミュレーション(計算)結果なら昔からある。
しかし、他家の挙動を考慮した四人麻雀の場合ならどうか?
そこで、今回、1人麻雀計算機に他家の挙動も考慮させた「nisiAI」を用いて、先制時(他家の立直・フーロなし)の和了率・局収支などを求めてみた。
なお、巡目に関しては、4巡目・6巡目・8巡目・10巡目のデータを取ったが、4巡目と8巡目を中心に見てみる。
また、皆さんももこれからの文章・データを読む前に、「自分なら何を切るか」について考えてみてほしい。
2 設問1 浮き牌VSペンチャンの基本形
まず、設問1の場合から。
手牌にドラが1枚、浮き牌も3~7牌が2種類という状況である。
この場合、浮き牌とペンチャン、どっちを払うべきか。
この点、ペンチャンを外した場合、ピンフリャンメンになる手替わりが4s・6s・6p・8pと4種類になり、リャンメンテンパイへの期待が高まる。
その代わり、イーシャンテンからリャンシャンテンに後退してしまう。
その一方、ペンチャンを残した場合、ペンチャンが埋まれば直ちにリャンメンリーチを打つことができる。
その代わり、リャンメンが先に埋まった場合に愚形待ちリーチを打たざるを得なくなる。
その間、ピンフ・リャンメン化の手替わりは2種類しかない。
というわけで、定性的に見た場合、どちらも一長一短である。
そこで、定量的に分析してみる。
この点、4巡目の場合の解析ログは次のとおりである。
(図の表の部分は浮き牌を切った場合をオレンジで着色、ペンチャンを切った場合を緑色で着色したうえで、局収支に従ってソートしている、よって、オレンジが上にある場合はペンチャン残し有利、緑が上に来ている場合はペンチャン外し有利となっている)
4巡目というと序盤である。
「序盤であれば、ピンフ・リャンメン化の手替わりを期待してペンチャンを払う」と考えた人もいるかもしれない。
しかし、和了率や局収支を見ると浮き牌切りが有利となった。
ここで、ペンチャンを残す5s切りとペンチャンを払う2m切りのデータを比較しよう。
すると、
(ペンチャン残し)5s切り 和了率30%、局収支ー150点
(ペンチャン切り)2m切り 和了率27% 局収支ー330点
となり、ペンチャン残しが有利となっている。
序盤といえども、
打点の上乗せについて、「ピンフのつく確率が上がる」という程度では、ペンチャンを外すのは得策ではない
と言える。
さて、4巡目でさえペンチャン残しが有利なのであるから、8巡目についてもペンチャン残しが有利である。
8巡目の解析ログは、
であり、重要な数値をピックアップすると、
(ペンチャン残し)5s切り 和了率20%、局収支ー850点
(ペンチャン切り)2m切り 和了率15% 局収支ー1070点
となっているが、和了率・局収支の差が開いている。
とすれば、中巡以降であればなおさらペンチャンを残すべきであると言える。
以上が基本である。
原則を押さえるなら、
「イーシャンテンになってしまったら原則としてペンチャンを残せ」
ということになる。
まずはこの点を押さえてほしい。
その上で、ペンチャンを外すべき例外状況として
ア・リャンメン化の手替わりが多い場合、
イ・ピンフ以上の打点上昇が見込める場合
ウ・ペンチャン待ちについて1枚既に見えている場合
の3種類について色々とみていきたい。
3 設問2 リャンメンの手替わりが多い場合
次に設問2についてみてみよう。
手牌は次のとおりである。
設問1との違いはリャンメンの手替わりが多いということである。
設問1の場合、2mを切った場合、リャンメンの手替わりが
6p・8p・2s・3s・5s・6s
と6種類になる。
このような状況であれば、ペンチャンを外す方がよいのではないか。
この点、4巡目の解析ログは次のようになった。
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