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副露に対するベタオリ(前編)

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん

はじめに

『新 科学する麻雀 実戦問題集』でリーチに対するベタオリについては、多くのデータを出しました。一方、副露に対するベタオリについては、原稿は書いてみたもののボツになりました。しかし、ボツのまま寝かせておくにはちょっと惜しいので、今週・来週と2週に分けて、この場を借りて掲載することにします。なお、掲載するのはデータ(グラフや表)と本文文章だけにして、問題の掲載はやめておきます。

データに関する注意事項

・副露に対するベタオリは、専用に研究したのではなく、押し引きシミュレータのパラメータを測定する際に概算として調べた副産物である点
・特に対副露の牌の危険度については、「ある条件」を指定したうえでの集計結果にすぎず、絶対的なものではない点。
・仮定する条件が少し変われば、結論が変化しうる点。

原稿のラインナップ

前編(本記事)
・(優先度A)対副露ベタオリの基本
・(優先度B)1枚切れ孤立牌の場に切られてからの手出し回数別、テンパイ時放銃率
・(優先度C)生きている役牌の種類別、孤立ション牌である役牌のテンパイ時放銃率

後編(次週)
・(優先度B)対染め模様副露
・(優先度C)対トイトイ
・(優先度B)放銃時平均失点

(優先度A)対副露ベタオリの基本

副露者を相手にベタオリをする場合、対リーチと異なり、次のような特徴がある。

テンパイかどうかが不確定
副露で晒した牌から狙っている手役や待ちが読める場合がある

特に2点目の手役を読むという点は重要だ。なぜなら、相手の狙っている手役が分かれば、その手役をアガる上で使えない牌は必ず通るからだ。

副露手で出現頻度の最も高い手役として、役牌とタンヤオが挙げられる。よって、副露を相手にする場合、この2つの手役を軸に読むことになる。

まず、簡単な例として、役牌をポンしている仕掛け(以下、「役牌仕掛け」と呼ぶ)について考える。この場合はすでに副露で晒している部分で役牌の手役が確定している。このことから、現物と4枚見え字牌以外の牌はすべて当たる可能性がある。

次に、鳴きで晒している牌がすべて2~8牌(タンヤオ牌)である仕掛け(以下、「タンヤオ仕掛け」と呼ぶ)を考える。この場合はタンヤオの手役を狙っていることが濃厚であるが、確実ではない。手の内に役牌の暗刻、もしくは役牌をトイツで持っていてその役牌でアガればよいということもあるし、もちろんタンヤオや役牌以外の手役の可能性もある。よって、タンヤオ牌が相手の待ちになっていることが多いが、確実とは言い切れない

最後にそれ以外の仕掛け、つまり役牌ポンをしていなくて、19牌もしくはオタ風を含む仕掛け(以下、「その他仕掛け」と呼ぶ)を考える。この場合は、タンヤオの手役が付く可能性はない役牌については暗刻またはトイツで持っている可能性はあり、役牌の手役は最有力になることが多い。しかし、「役牌仕掛け」の時と異なり、見えている部分で手役が確定していないので、待ちの可能性は限定される

まずは、「役牌仕掛け」「タンヤオ仕掛け」「その他仕掛け」の3種類において、それぞれの仕掛けでテンパイしているという条件付きでの放銃率(テンパイ時放銃率)※を見てみよう。

※対副露テンパイ時放銃率の集計条件
リーチ者がいない
ション牌もしくは、(1枚切れ以上の場合)最後に切られてから副露者が手出しを入れている

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