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対リーチのアガリハン数分布と押し引き判断

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん


1.はじめに

今回は、こちらの記事に似た内容にしました。

前回は、相手タンヤオ仕掛けをしているのを受けての打点読みと押し引き判断の話をしました。今回は、だいたい同じことを対リーチについてやってみます。

2.リーチアガリハン数分布の牌譜解析条件等

リーチ者がアガった瞬間を調査対象とする。
・アガリ者以外3者の視点(以下、自分とする)それぞれについて調べる
・以上条件に当てはまった場合に、1件分のデータとして登録する。
・以下のデータを取る。アガリがツモかロンか・リーチ者が親か子か・リーチが先制か追っかけか・カンが発生しているか・一発巡かどうか・ドラ種類・自分から見たドラの見え枚数・自分から見た赤ドラの見え枚数・リーチ者の順位・アガリハン数と符数

アガリハン数と符数については、以下の13パターンのいずれかに分類します(20符25符は同じアガリ点の40符50符と同一視する。60符以上はすべて50符のところに分類する。4ハン30符7700点は満貫扱いとした)。
1ハン40符
1ハン50符
2ハン30符
2ハン40符
2ハン50符
3ハン30符
3ハン40符
3ハン50符
満貫
跳満
倍満
三倍満
役満

この牌譜解析の結果、以下のようなcsvファイルができます。

このcsvファイルに対して、エクセルのピボットテーブル集計にかけます。

こちらの表は、行方向にツモロン・親子・先制追っかけ・カン有無・一発有無を取った時の、打点分布を表わしています。例えば、ツモアガリの場合(親子・先制追っかけ・カン有無・一発有無は問わない)で、リーチアガリ打点が満貫の確率が40.28%跳満の確率が17.74%3ハン40符の確率が13.85%3ハン30符の確率が13.29%などとなります。

こちらの表は、行方向にドラ種類・ドラ見え枚数・赤見え枚数を取った時の、(ロン・先制・カンなし・子・非一発時の)打点分布を表わしています。例えば、ドラ19牌の場合(ドラ見え枚数・赤見え枚数は問わない)で、リーチアガリ打点が満貫の確率が27.91%2ハン40符の確率が19.53%3ハン40符の確率が16.44%3ハン30符の確率が11.49%などとなります。

こちらの表は、行方向にリーチ者順位を取った時の、(ロン・先制・カンなし・子・非一発時の)打点分布を表わしています。

3.リーチに対する押し引き判断のシミュレーション条件等

〇共通条件
・自分ペン37待ち1ハン副露聴牌(非現物待ち)
対面がリーチ(非一発巡)
上家下家は降りている
9巡目
南1局0本場供託0

〇相手リーチ親子
相手子(自分南家)or相手親(自分西家)

初手危険度
固定で危険度10% or 15%の牌を切る必要がある場面

〇ドラ情報
・ドラ28牌・ドラ0枚見え・赤0枚見え
・ドラオタ風牌・ドラ0枚見え・赤0枚見え
・ドラオタ風牌・ドラ3枚見え・赤0枚見え

持ち点状況
・自35000下28000対22000上15000
・自28000下26000対24000上22000
・自25000下25000対25000上25000
・自22000下26000対24000上28000
・自15000下28000対22000上35000
(対面リーチはいずれも3着目とする)

点棒状況(5パターン)×ドラ情報(3パターン)×初手危険度(2パターン)×相手親子(2パターン)の計60状況について、以下のような表を作成して、押し引きの優劣を見ていきます。

アガリ率等確率関連は、通常のシミュレーションから算出します。相手打点分布については、先の牌譜解析結果(ピボットテーブル集計)のデータを使います。

以上の結果・仮定を各種事象(誰かのツモアガリ・誰かから誰かのロンアガリ・流局)+アガリ者打点(自分アガリ打点は1ハンで固定、相手打点について打点分布から算出)or流局時聴牌者、の発生確率押した場合と降りた場合について計算で求めます(表の15行目以降。自分ロンアガリ時の放銃者がだれかについては、リーチ者からのロン…ツモアガリ率と同じ、降り者からのロン…全体のロンアガリ率からリーチ者からのロンアガリ率を引いて2等分とした。)

各種事象の発生時のトータルポイント期待値について、次局以降点棒移動のシミュレーションによって、トータルポイントを求めます(例えば、自分の1ハンツモアガリの場合であれば、300・500の点棒移動させて次局開始からのシミュレーションにより、半荘収支8.11pt、段位pt19.32ptなどと求まる)。

ここまでの事象発生確率と、事象発生時条件付きトータルポイント期待値から、積和を取って、現段階(愚形副露聴牌VS1軒リーチ)のトータルポイント期待値を計算します。南1局平ら・相手子・初手危険度10%・ドラ28牌0見え赤0見えの場合で、
押し時トータルポイント(15行目オレンジマス)…半荘収支-4.53pt、段位pt-10.51pt、雀豪★1-15.26pt、雀聖★3-34.44pt
降り時トータルポイント(16行目黄緑色マス)…半荘収支-5.39pt、段位pt-11.20pt、雀豪★1-16.35pt、雀聖★3-35.19pt

となり、いずれのルールの場合も押しのポイント期待値が降りのポイント期待値を上回っており、押しが有利だと判断できます。

この形式の表が、点棒状況(5パターン)×ドラ情報(3パターン)×初手危険度(2パターン)×相手親子(2パターン)の計60枚ある…のは、掲載が大変で分析しにくいので、色付きのマスのみに注目した以下のような表を作成しました。

表の見方は、行方向が点棒状況・ドラ種類・ドラ赤見え枚数・相手親子・初手危険度と、押し時降り時による分類で、列方向がルール別のトータルポイント期待値とかトップ率・ラス率です。

以下、有料部分で表掲載と分析をしていきます。

4.リーチアガリハン数分布の牌譜解析結果

ここからは、リーチアガリ時のハン数分布の表を見ていきます。ツモロン・親子・先制追っかけ・カン有無・一発有無を取った時の、打点分布表が下表になります。

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