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段位pt期待値から見る、アガリの価値~押し引き実践編
研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん
1.はじめに
今回の記事は前回記事(段位pt期待値から見る、アガリの価値)の続きです。(前回記事の無料部分は読んでいただいている前提で話をします。)
前回で、ある1局の点棒の動き(自分のアガリor放銃or被ツモor横移動)によって段位ptの期待値が(局開始前⇔局終了後の間で)どの程度変動するか(前回記事にて「差段位pt」と定義した。)を調べました。
そこで、今回はより実践的に、あるてきとうな牌姿・点棒状況において押し引き判断をするときに、押したときの差段位ptと降りたときの差段位ptを比較するのをやってみます。
2.仮定する牌姿・点棒状況と、計算方法
次のような状況を仮定します。
・4巡目
・自分子、副露両面36,47待ち2000点聴牌。
・親、ドラポン3副露(打点は確定12000点)。
・押す場合の初手両無筋456。
・脇二人は降りている。(自分、親への放銃率0)
・自分が降りたとき、親への放銃率(ベタオリ失敗率)0
・押す場合の流局率0
最後の3つの条件は、前回調べた中に存在しないデータを避ける(脇の打点不確定アガリや押し時の2人聴牌流局)ということと、計算を簡単にするために設けました。
この状況でシミュレーションをしたときのアガリ率や放銃率等は次の通りです。
ここから、押し時、横移動率・聴牌流局率0と、降り時、放銃率・横移動率0にするため補正をかけると次の数値になります。
この数値と、前回の点棒状況別アガリ者放銃者打点別の4者の差段位ptを使って、押したときと降りたときの差段位ptを調べます。
具体的にはこんな感じの表を作ります。
調べる点棒状況は、前回調べた、
・トンパツ
・南1・起家強浮き(起家から順に40000・30000・20000・10000の並び)
・南1・起家弱浮き(起家から順に30000・25000・25000・20000の並び)
・南1・起家弱沈み(起家から順に20000・25000・25000・30000の並び)
・南1・起家強沈み(起家から順に10000・20000・30000・40000の並び)
の5パターン×自分の位置or持ち点で最大3パターン最小1パターンです。(ドラポンの親は起家で固定。)
ツモアガリ~不聴流局の列は、それぞれの事象が発生した場合の差段位ptを前回結果からそのまま持ってきます。降り時不聴流局については、親は100%聴牌連荘で、ノーテン罰符は親の1000オール相当のアガリとみなします。
次の押し時差段位pt、降り時差段位ptの列は、(事象発生率)×(事象発生時差段位pt)の和Σをとります。押したときor降りたときの差段位ptの期待値にあたるものです。
最後の差分の列は、押し時差段位ptから降り時差段位ptを引いた値です。差分がプラスなら押し有利、マイナスなら降り有利の判断をすることができます。
また、差段位ptの定義(ある1局の点棒の動きによって段位ptの期待値がどの程度変動するか)より、別々の点棒状況であっても押しの価値と降りの価値を同じように測ることができます。例えば、差分が同じプラスでも、点棒状況Aが差分+10pt、点棒状況Bが差分+2ptだった場合、どちらも押すべきではあるが、点棒状況Aで押す方がより価値の高い押しである、もしくは逆に間違った選択(降り)をした場合の損失は点棒状況Bならまだましだが、点棒状況Aでは大損である、といった見方をすることができます。
3.押したときと降りたときの差段位pt(ベタオリ失敗率0の場合)
このような形(無料部分で例として、トンパツの場合)で分析していきます。
・トンパツ
自分のアガリ時差段位pt並、放銃時差段位pt並、被ツモ時差段位pt並、不聴流局時差段位pt並。押し時差段位pt-7.2pt、降り時差段位pt-10.4pt、差分3.2pt。平らな点棒状況ということで、他の点棒状況と比較する基準となりそうな数値です。
それでは、具体的な数値を見ていきます。先ほどの表の黒塗りをなくしたのが下表です。
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