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強者の選択から読み解く、後手副露愚形聴牌取り確率
研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん
1.はじめに
麻雀の正解を数理的に求めるにあたり、主に以下のような方法が取られてきました。
・局収支の公式(=アガリ率×アガリ時打点-放銃率×放銃時打点-…)から計算で局収支を求める。
・シミュレータにより、アガリ率等各種確率や局収支・半荘収支・段位pt等の指標を求める。
・AIの結果を見る。
今回は、これらとは別のアプローチ(どちらかというとアナログ寄りの方法)を試してみます。
・実際の牌譜上で押し引き等が選択された割合を見る(特に高段位の強者について)
『新 科学する麻雀』(シミュレータを用いた方法)で、押し引きについてはある程度(シミュレーション上の)答えがわかっている状況ですが、強者の選択がシミュレーション上の答えと合致しているかを見てみようというのが今回のテーマです。
今回は、初回ということで、集計が比較的簡単な後手副露愚形聴牌の場面の押し引きについて見てみます。
・副露聴牌…リーチダマ判断を回避(聴牌取るか降りるかの2択に絞れる)
・愚形(カンチャンペンチャン)…待ちが1種のみで、アガリ時打点が1通り
2.牌譜解析条件等
・あるプレイヤーの切り巡(以下、自分とする)を調査対象とする
・自分以外にリーチ者が1人いる
・自分の直前の行動がツモ(ポンやチーの直後でない)
・自分は1枚切った時に副露聴牌を取ることができる
・待ちはカンチャンペンチャンで、待ち選択の余地がない(聴牌の取り方が1通り)
・役ありかつフリテンでない聴牌
・以上、条件に当てはまった場合について、1件のデータとして登録する。
・登録するデータの種類は、実際に聴牌を取ったかどうか・聴牌を取った時のロンアガリ時打点・聴牌を取るときに切る必要のある牌のリーチ者に対する放銃率・自分とリーチ者の親子関係・自分の段位
・以上の条件で集められたデータをピボットテーブル集計にかける
なお、以下の項目については集計の対象外としました(データを取ること自体はそこまで難しくないが、あまりデータの種類が多すぎても分析が大変なので、適当に取捨選択)。
・カンチャンペンチャンの種類
・リーチが一発巡かどうか
・リーチ者以外他家の動向(リーチではないが副露はしている可能性がある)
・ドラの種類・見え枚数など
・巡目
・供託積み棒
・点棒状況
具体的には、以下のような表を作成します。
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左上が親子関係と段位による分類で、行方向が自分の副露アガリ打点による分類で、列方向が聴牌取る場合に切る初手の危険度(放銃率)による分類で、マスの中の数字が聴牌を取った割合を表しています。
例えば、自分の打点が1000~1999点の間で、初手危険度が10%~15%の間の場合、親子関係・段位不問時で、副露愚形聴牌を取った割合は42.6%です。
以下、有料部分で表掲載と分析をしていきます。
3.親子関係・段位不問の副露愚形聴牌取った割合(牌譜解析結果)
まずは、親子関係や段位を問わない全体のデータから見てみます。集計したものが下表になります。
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