【お坊さんと問答】お母さんやお父さんの好きなところはどこですかWhere do you like your mom or dad?

お母さんやお父さんの好きなところはどこですか?

この質問をお子さんにすると大体お母さんは優しいところですとか、お父さんはどこか連れてってくれるところという答えが返ってくるんですけれども。
私の場合は答えがちょっとずれているかもしれませんが、私のお坊さんになろうと思ったきっかけのひとつというのは自分の父親である住職にあるんですけれども。
住職が住職なりにお坊さんとしての工夫をしていまして、その工夫がお寺に関わる方に喜ばれているのを見てですね。
「あ、このような考え方があるんだな」とちょっとお坊さん像にはかけ離れていたところがあったので「これは素晴らしいな、こんな仕事がある、こういう生き方がある」っていう風に再発見をしまして。
それでお坊さんになったっていうのが一つあるので父親の柔軟なところというのは一つ好きなところですね。

お坊さんはお経をお読みしているわけですけれども、亡くなられた方に対してお経をお読みするというのは一つお勤めとして大事なところとして持ってるんですが。
お葬式とか、亡くなった命日から1年経ったので一周忌、2年経ったので三回忌といった年回忌法要などありますが、お経をお読みする機会というのはね。
で、それぞれ相手とか状況に応じてお葬式だお盆だ年回忌法要だ、ですとかタイミングに応じて読むお経は同じなんですけども、それ以外の部分で状態に応じて変えているはずなんですね。
どの宗派のお坊さんもそうだと思うんですけれども。

住職はその時にですね、とあるお葬式で「わかりやすいものをお願いします」という風に依頼されたことがあったそうで。
そこからお経はお経で大事なのでお読みするんですけれども、それに合わせて法話をお経の中に練りこむと言うか、法要の中にお経と法話を混ぜ込むという形をとっていて、それがとても喜ばれている様子を見てですね、私は素晴らしいなぁっていう風に思ったんですけれども。

サービス業ですと普通の事だと思うんです。
相手や状況に応じて内容変えるというのは。差別化とも言いますでしょうか。
リハビリであれば足のリハビリの人に腕のリハビリ肩のリハビリをしたって仕方がないわけですよね。
相手に応じて内容をちゃんと変えないといけないわけです。

お坊さんも本当はしてるんですよね。
法話の内容が特にそうだと思うんですけども、法話だけではなくてお経とセットでお読みしているものというのが大体あるんですが、それが状況ですとか相手に応じて違うものがあります。
ただ、普通のそういうのを知らない方にとってはお経と同じように聞こえてしまっているので、お経を読み頂いたんだなという風にしか受け止められないんですよね。

だいたいお坊さんが差別化する時は法話の時だと思うんですけども。
住職はその法話とはまたちょっと違った場所のところで、「奉白文(ほうびゃくぶん)」という風にも言ってもいいかもしれませんが、神主の方が祝詞を唱えするかのような形で仏様に対してお読みする文章というものを日本語で用意していて、それがなかなかいいものだという風には私は受け止めているんですけれども。
普通のやり方だとなかなかわかりづらいところをわかりやすくする。ただ単にわかりやすくすればいいというわけではないのでそのあたりの担保もとても難しくってですね。
私は私なりに住職から引き継いで本質はどこなんだろうかなというふうに考えながら自分なりのものをご用意してお通夜やお葬式、年回忌法要などをお勤めしているわけなんですけれども。
そんな住職の父親の意見を取り入れて柔軟に内容を変えていく。ただ本質的な部分については勝手に変えたりしない。
そんな柔軟なところがいいところなんじゃないかなっていうふうに私は受け止めています。

みなさんはいかがでしょうか。

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向井真人 Mahito Mukai
南無帰依仏 南無帰依法 南無帰依僧 帰依仏無上尊 帰依法離欲尊 帰依僧和合尊 帰依仏竟 帰依法竟 帰依僧竟 如来至真等正覚 是我大師我今帰依 従今以往称仏為師 更不帰依邪魔外道 慈愍故 慈愍故 大慈愍故