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【感想】神隠しの森 とある男子高校生、夏の記憶

神隠しの森
とある男子高校生、夏の記憶
著:梨沙さん

《祟り神が棲む村では、祭事の夜に掟を破って外出した子供は生きては帰れない。
彼女に“引かれて”しまうから。
大祭の夜、引かれてしまった少女を助けるため、少年達が奔走する。》

ホラーテイストなお話だけあって、要所要所でゾクッとした。
終盤、夏祭りの楽しげな光景が「お友達が呼んでる」の一言で一変。それまでのお祭りの楽しさはどこへやら、ホラーな展開へと走り出すところからは、読み終わるまでページを捲る手が止まらなかった。

夏といったら、青い空や海に白い雲、照りつける太陽。食べ物で言ったら、アイスにかき氷にスイカと、どちらかというと暑くとも爽やかなイメージがあるけれど、このお話は絡み付いてくるような蒸し暑さというか、夏といえば肝試しやホラーのイメージもあるから、そんな夏の暗い部分を感じられた。

日本のホラーにありがちな、これはハッピーエンドということでいいのかな…?という疑問が最後に残ったけれど、読む人によっては何の疑問も抱かないハッピーエンドなのかもしれない。
受け取り方は人それぞれということで。

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