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無性にじゃが芋が食べたくなった、休日の午後の話。

無性にじゃが芋が食べたくなった。ただ茹でただけのじゃが芋が。
何かが無性に食べたくなったら、材料が家にあるかどうかを調べる。
買いに出ても、食べに出てもいいのだけれど、インドア派で出不精の私は、基本的に家に材料がなければそこで諦める。
まあしょうがない。今日は食べるべき日ではなかったのだと諦める。

けれど今日は、家に材料があることは調べる前から知っていた。
畑から取ってきたじゃが芋が、無造作にダンボールに入れて玄関に置いてある。
その中から小さめの物を、欲張ってボウルに入れられるだけ入れた。
綺麗に洗って皮ごと鍋へ。

茹で上がるまでの間は、キッチンでカフェラテお供にのんびり読書。
さーっと雨の音がしていて、そこにお鍋がぐつぐついう音が重なって、なんだか心地いい。
読書に夢中になりすぎて、危うく何のためにキッチンにいるのかを忘れそうになった。

そうして念願のじゃが芋が茹で上がったら、熱々の皮を苦労しながら剥いて、マヨネーズをかけて1口。
ほくほくを、はふはふしながら食べる。
持っている手も口内もとても熱かったけれど、待ちわびたこの瞬間に満ち足りた気分になった。

そんなとある休日の午後の話。

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