晩ご飯のからあげは翌日のサンドイッチ
焦っている。余裕がない。だからちょっとしたことでイライラする。
心に余裕がない時こそ、せめてお腹だけでも満たそうとお昼にサンドイッチを作った。
具材は夕飯の残り物。
いちから作ってもいいけれど、イライラするほど余裕がない時は有り物を活用する。
冷蔵庫を開けて目に入ったのは、夕飯の残りのからあげ。
前の日の夜は暑くて出来るだけ火を使いたくなかったので、冷凍をレンジでチンしておかずとした。
スイッチを入れるだけでほかほかの美味しい物が食べられるだなんて、いい時代だなと思いながら噛み締めた夕飯。
その残りのからあげを温めつつ、これまた夕飯の残りの切っただけのきゅうりも取り出す。
こちらは前の日に味噌をつけて食べた残り。
サンドイッチならきゅうりは薄めにしとこうと、ぶつ切りのきゅうりをカット。
薄くなんていっても、実際にはそれほど薄くはない。こういうのはなんとなくでいい。
続いて食パン。サンドイッチ用なんてこじゃれた物ではなくて、普通の耳つき食パン。
マーガリンは気持ちたっぷりめに。カロリーなんてものは、心に余裕がない時は考えない。
―あなたがいつも頑張ってることちゃんとわかってるよ。大丈夫だよ。
―昨日も頑張ってたね。明日もきっと頑張るんだよね。毎日よくやってるよ。
って気持ちで、自分を労うように丁寧に塗る。
その上からチーズを、こちらもいつもより気持ちたっぷりめに。
あとはトースターに入れて、好みの焼き色がつくまで焼いていく。
最近は、キツネからタヌキにギリギリ到達するかしないかぐらいの、割りとしっかりめに焼くのがマイブーム。油断すると焦げるまでいくので要注意。
焼けたパンを半分にして、片面に切ったきゅうりを広げたら、その上にからあげをどどーんと乗せる。
からあげが薄めの塩味だったから、キリッとした味が欲しくて、ケチャップとウスターソースで作った即席ソースをかける。
最後に残りの半分のパンを上に乗せてサンドしたら完成。
ラップでくるんでしばし置き、馴染ませたりするといいのかもしれないけれど、そんなのは待っていられない。
具がはみ出ないよう慎重に持ち上げたら、上から少しばかり押して高さを減らし、あとは開けるだけ口を開いてかぶりつく。
パンはサクサク、チーズはとろり、からあげはじゅわっと柔らかく、きゅうりはシャクシャク。
即席ソースも、丁寧に塗ったマーガリンも、たっぷりのチーズも、からあげのほんのり塩味も、みんないい仕事をしてくれている。
お腹はしっかり満たされた。
心に余裕がないのは相変わらずとしても、お腹が切なく鳴っていないだけで少しだけ気持ちはましになる。そんな気がする、お昼時のお話。
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