Rework with 「ハナミズキ」に参加して勝手に一青窈さんとデュエットを実現した。③
なんとか楽曲を完成し、リリースに至った「ハナミズキ」Rework 、どんな曲になったのか。
さて、配信するにはジャケットの画像が必要。曲の制作の合間、雷や雨で音作りがしづらいときは絵を描きました。
ハナミズキの花をバックに、ピアスもハナミズキ。蝶は以前撮った写真から。「ひらり蝶々を」ですね。ベタに歌の世界を絵にしてみました。
いよいよ、曲のポイントをご紹介。
イントロから…
誰もが知るあのピアノのイントロを大胆にも捨てました。多くのカバー曲でもほぼそのまま使われてきたあの印象的なイントロを。
それというのも、サビ始まりにするためです。
今回のプロジェクトに参加している他の方の曲にも、サビ始まりのものはありますが、大抵「薄紅色の」か「僕の我慢が」から入っています。私は「君と好きな人が」から始め、「百年続きますように」で無伴奏にします。一青さんの息遣いを、ブレス音さえも"楽音"として聴かせたいのです。
一番!
ここではほぼ声とピアノだけにしています。Bメロでピアノはアルペジオに変わるのですが、これを時間差をつけて重ね、小鳥の鳴き合のように左右にパンさせています。面白い効果が得られたと思います。
そしてコーラスで私も入ります。
二番!
原曲ではここからリズムマシンのシークエンスが入るのですが、権利の問題で再配布出来ないのか、今回の音源に含まれていません。使いたい人は自作するしかない。個性の見せ所ですね。これだけで3トラックを使って、なかなか凝ったシークエンスを入れました。
間奏…で・す・がっ!
ここに私は新しい歌詞とメロディを入れ、歌わせていただきました。②話でお話した、最悪のコンディションの喉との格闘です。歌います。
「花の名前を憶えるように
今の気持ちに 栞をつけて
健やかなるときも 病めるときも
その手のなかにあるように」
名前…名前をつける、憶える、呼ぶ。名前は究極の言霊です。花であれ、捉えどころのない感情であれ、名前を与えられると心に固くピン留めされてしまいます。
大サビ!
ゴスペル風パートに仕立てました。
心が荒みそうな時、ドナルド・ローレンス&トライ・シティ・シンガーズやシャーリー・シーザーのゴスペルをよく聴きました。ここで活かしたかった。
完全なア・カペラにすることは考えませんでした。というのも、原曲ではバンドの音の一部になっているピアノの音を強調したかったのです。ピアノのトラックを単独で聴いて、後半に行くほどソウルフルになっていく事に気づきました。これはサイモン&ガーファンクルのセントラルパーク・ライブでの「明日に架ける橋」のリチャード・ティーや、クルセイダーズの「明日への道標」のジョー・サンプルに匹敵する名演ですよ(この曲を聴いてから聴いてね)。ピアノと声とクラップだけで聴いていただこうという発想は上手く形にできたと思います。
大団円!
大サビ後半は再びバンド全体で盛り上げます。
そこへお待たせしました!マイ・ハックルベリー・フレンド!店で2番めに安かったアコースティックギター、「モーリス」君が加わります!
ああ、彼が鳴っている、歌っていると思うと泣いてしまいそうですいやもう泣いています。しかし彼が最後に入ったことで、華やかなクライマックスになったと思います。ありがとう「モーリス」君…!
そして、イントロにも使ったピアノのリバース音で余韻を残して、曲が終わります。
5分25秒。ほら、長くなってないでしょう?
…いかがでしょう。
もちろん実際の作業はもっともっと、数百数千工程(大袈裟でなく)、無数の試行錯誤の上で完成に至っていて、生活にも色んなことが起こる中、濃密な数週間の末送り出した一曲です。
もう聴いていただけましたか、まだですか、もう聴いていただいた方も、この記事を読んでもう一度聴きませんか。ダウンロードしていただいた?プレイリストに追加した?ありがとうございます!
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