トルコ語学校(tomer)レビューと選ぶ際の注意点

はじめに

私はイスタンブルで一年間トルコ語学校(トメル)に通ったが、この一年間で諸事情のため計4回変えた。これだけ多くのトメルに通った人は珍しいと思うので各学校をレビューして、最後に注意点を挙げる。トルコ語留学の参考になれば幸いである。



マルマラ大学付属トメル

一言
はっきり言って絶対にやめたほうがいい。

学生の傾向
イラン人が最も多く、スーダン、イラク、モロッコ、グアテマラ、インドネシア、ロシア、ブルガリア、キルギス出身者がそれぞれ一人ずつ。
母国で高校や大学を卒業し終えたばかりの優秀な学生が多い。


校門前にタダで配られていたお菓子。よくモスクの近くでタダで配られている

メリット
キルギス人、イラン人の友達を作ることが出来た。幸いなことに今も親交が続いている。大学付属のトルコ語学校はトルコ語を勉強した後に学部、修士、博士に進学する目的で設置されているため優秀な学生が多く在籍する。真のグローバル人材と話す目的でトルコ国内でも屈指の研究実績を誇る名門マルマラ大学に行く価値はある。

デメリット
先生が曜日ごとに変わる。
かといって教員同士の連携が全くもって取れていないので教科書の内容を何度も重複する。教員によってはフランス語で文法事項を説明する。トルコ語を教えるのが専門でない他言語の先生が小遣い稼ぎのために教壇に立つため、言うまでもなく授業の質が低い。

事務が遅い。
語学留学のためのイカメット(トルコの滞在許可証)で必要な書類の一つに学生証明書がある。営業時間に営業していない事務室に何度も足を運んで催促した結果、二週間かかった。

校舎が古い。
工学部のかなり古い校舎を利用しているためそもそも暖房が動かない、トイレが信じられないくらい不衛生と挙げればきりがない。

教科書が配布されない。
事務では売っていないため、教科書が販売されている店で購入する必要がある。
私のおすすめを下に表示した。

近くに安めのレストランがない。
学生街だから周辺の飲食店も安いと想像していたが、そんなことはなった。学生向けの食堂は学生証をかざす必要があるのだが、この学校がカードを配る訳はなく高いカフェテリアのご飯しか選択できない。

入構が面倒くさい。
トルコでは、日本の大学とは異なりカードを使って改札を通る必要がある。上で書いたように、学生証がもらえないので毎日警備員さんにtomerからのメールを見せる必要がある。ために手間取るので普通にストレスが溜まる。

一年前(2022/9時点)に頼んで100リラ。相当高い。

料金
7000TL A1,A2
8600TL B1,B2
9300TL C1
1350TL トルコ語の試験のみ
トルコ国内の口座振り込みのみ

授業時間
月曜日から木曜日
9:00~13:15まで
休憩時間は教員の裁量によって変わる

申し込み方法
メールを送って放置。
心配せずとも登録されている。
仮にされていなくても先生に言えば後から名簿に追加してもらえる。
開講される時期は9、10月のみ

現在は下のインスタグラムのbioからフォームに登録する形式になっている。

https://www.instagram.com/marmaratomer/

その他考慮すべき点
欠席が25パーセント以上ある場合、上のコースに進めない
各レベルのテストに合格していない場合、強制的にやり直し
B1コースまで取らないと証明書をもらえない
途中のレベルから参加できない。

追記
以前はなかった申込みフォームでかなり応募がしやすくなっているが、教員の顔触れは変わらないことからあまり期待はできない。


Bâb-ı Âlem

一言
何らかの事情があって頻繁に学校に行くことができない人におすすめ
B2まで対応。

学生の傾向
ボスニア人、タジク人、ウズベク人、パキスタン人、ベンガル人
トルコ国内で勉強する学生や職のある社会人。
不法滞在している学生もいる。

メリット
トルコ語教育専門の先生による授業。
普通に最重要事項。先生はボスニア人だが、それもあってトルコ語の難しい文法をわかりやすく説明できる。

登録料がとにかく安い。
600TLほどで登録できる。お金に余裕がない人でも十分勧められる。

お昼ご飯が無料。
普通においしい。12時頃に配膳される。

一般的なトルコ料理が提供される。地味においしい。


教科書を無料で配布。
書店で買うとトータル180リラ(練習帳付き)かかるのだが、なぜかタダでもらえる。

デメリット
大学付属のトメルと比較して学生のレベルが著しく低い。
そもそも来ない、ビザの期限が切れている学生などがいる。こちらに害はないが、関わってもあまり得にならない。

文法重視の授業方針のため演習量が足りない。
授業時間が三時間と少ないので文法の説明のみで終わってしまう。

証明書を取得できない。
正規の学校ではなく、IHHが関わっている団体なので証明書が取れない。当然、学生証明書を発行してもらえないのでイカメットが取れない。

男子学生のみの受け入れ。
宗教的に保守的な団体が運営しているため、建物内に男しかいない。


タダでタダで飲めるチャイ。教室の机がしょぼい。

料金
600リラ(2023/1時点)
現金手渡し

授業時間
週二、三日
10:00~13:00の三時間。
*申し込んだ時期によって変動する

申し込み方法 
下記のHPからメールアドレス、又はSNSで応募。
その後、対面で登録。
開催される日時はHPに随時掲載されている。
どのコースからでも編入可能。

その他考慮すべき点
授業内でイスラーム的な価値観を強調することが多々ある。
教室がある建物から歩いて10分ほどの場所に9歳児と50代の男性を結婚させたタリーカ(スーフィズムの教団)の本拠地がある。その地域のみ治外法権なので近寄らないほうがいい。


イスタンブル文化大学付属トメル

一言
教員と事務員さんが有能。

学生の傾向
ロシア、シリア、ウクライナ、エジプト、イラン、韓国、メキシコなど多種多様。 
学生よりも金銭的に余裕のある避難民や移民が多い。

メリット
授業の質が高い。
イスタンブル文化大学の修士を修了した教員が徹底的に教える。当然ながら、授業の質は高い。

お金持ちが多いのでお茶やお菓子を頻繁に奢ってもらえる。
正規の学校なのでしっかりとした身分の人が多い。彼らの持つイスラーム的価値観の一つ、気前の良さをここぞとばかりに発揮するので地下の階にあるスタバや地上の露店でチャイやお菓子を頻繁に奢ってくれる。

学校外でのイベントが多い。
ボーリングや朝食など様々な会が開催される。授業以外にも話す機会が提供される。

テストがわりかし簡単。
スピーキングのテストが先生の判断によって免除されたり、総合点で判断されることからリスニングやリーディングが出来なくても問題ない。試験中の辞書の持ち込みも許可されている。

頼んだ学生証明書を10分もかからないうちに発行。
ikamet申請はもちろん、自分の身分を証明する唯一の手段である学生証明書をものの数分で発行してもらえる。


物凄く重要な書類。大切にしよう。

デメリット
料金が高い。


事務室前のポスター。早期申込みで20%割引。

料金
各コース
300ドルまたはその時のトルコリラのレート(2023/9現在)

試験のみ
100ドルまたはその時のトルコリラのレート(2023/9現在)
いずれも口座支払いまたは現金手渡し

授業時間
午前コースは9:00~12:45
午後コースは13:15~17:00
夕方コースは17:30~20:15(ほとんど開講されない)

申し込み方法
下記のリンクからwhatsappで登録したい旨を伝える。
英語、アラビア語、ペルシャ語、ロシア語対応。
アポイントメントを取ったのち、対面で登録が必要。
どのコースからでも編入可能。
開講されるコースはinstagramから確認可能。

その他考慮すべき点
イスタンブールの外れにある。
三人の先生が担当しているが、人によってはノリや授業スタイルが合わないと感じるかもしれない。

アンカラ大学付属トメル

一言
割高だが確実に身に着けたいならここがおすすめ。

学生の傾向
南米、中東、韓国、ロシアなど。当然ながら校舎ごとに特徴がある。

メリット
とにかく授業のレベルが高い。
他の語学学校で扱われるテキストではなく、独自のモノを使用している。熟語やイディオムが豊富に載っているのに加えて、先生がトルコ語をおしエルプロなので安心。

オンラインコースが開講される。
時間が合わない人のためにオンラインコースが定期的に開講される。少しだけ値段が安い。

クレカ払い可能
他のtomerは現金か現地の銀行を通じての支払いだが、ここはクレジットカード決済が可能。

デメリット
一つのパックを各コースで二つ(B1では四つ)とる必要があり意外にお金がかかる。

料金
かなり変動するのでインスタグラムのDMで聞くのが吉。

申し込み方法
instagramのストーリーにA1がいつ開講されるか表示される。
DMで価格や自分が取りたい授業を聞ける。
どのコースからでも編入可能だが、事前にテストを受ける必要がある。

https://www.instagram.com/tomer_kadikoy/

考慮すべき点
私は運よく手続き全てがうまくいったが、google mapのレビューではかなり評判が悪い。事務員さんがトルコ語しか理解しないことが原因であると推測している。なるべくトルコ語が分かる友達を連れて行こう。

駄目なトメルの見分け方

学校の広報が運営しているinstagramの更新が明らかに少ない。
他の学校と比較して法外に安い。(最低でも200ドル以上はないと厳しい)
whatsappの問い合わせが平日昼に返信されない。
授業が複数教員によって行われる。
明らかに駄目だと思える場所は大抵失敗する。

まとめ

以上から、ひとえに語学学校と言ってもかなりレベルに差があることがわかるだろう。
私は学校選びに少し時間が掛かりすぎたために学期が始まるギリギリまで学校に通った。
この記事を通していい学習機会が得られることを切に祈っている。
何か質問があれば、可能な限りコメント欄で返すつもりだ。


C1コースの終了証。この一枚がトルコの大学の入学や卒業、就職など幅広い場面で活躍する。


校章スタンプ。これがないと正式な書類として使えないので事務員さんに頼んで必ず押してもらう。


それでは、いいトルコ留学を!!!!

いいなと思ったら応援しよう!