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2020年6月の記事一覧
マシーナリーとも子ALPHA 〜横須賀の終末時計篇〜
その部屋は灯りがつけられておらず、部屋の中心に置かれた無数の縦長ディスプレイの発光によって妖しく、薄ぼんやりとした光がモヤのように広がっていた。画面にはいくつもの波線や棒グラフ、レーダー、Twitterなどが矢継ぎ早に表示され、とてつもない量の情報がやり取りされている。
「ふむーん」
その中央に佇む小柄の女性──背部にその体躯の倍はあろうという高さの丸い物体を背負った異様な姿だったが──は
マシーナリーとも子ALPHA ~機械の意識篇~
「これに乗ればいいのー?」
「ああそうだ。そいで、こいつを持て」
「なにこれ?」
「樹脂で作ったバウムクーヘンのレプリカだよ。それを食うふりして口のところまで持っていってみろ」
「んが……。ほんははんひ〜??」
「ああ、うまいうまい。じゃあ抜けていいぞ」
台の上に立ったパワーボンバー土屋がぶるりと震えると、その身体から金色の光が躍り出た。光は徐々に人の形になっていき……やがて2050年の人類、
マシーナリーとも子ALPHA ~嫌がる鰐篇~
ピンポーン。
アークドライブ田辺は右手のロボットアームで器用にチャイムを鳴らした。
「はぁーい」
「あ……どうも、アークドライブ田辺ですけど……」
「んあ? あ……田辺さん」
マシーナリーとも子の家から出てきたのは鎖鎌だった。その足元にはネギトロ軍艦ドッグ。
「あの……マシーナリーとも子います?」
「ママなら1時間くらい前から出かけてますよ~。ネギトロちゃんどこ行ったか知ってる?」
「
マシーナリーとも子ALPHA 〜尾けるとも子篇〜
2020年……池袋の大型書店、そこに異様なシルエットの客がいた。まるでマフラーのように肩がけにした大型の爬虫類……ワニだ! その女は腕からワニを生やしていたのだ! N.A.I.L.のバイオサイボーグ、ワニツバメである!
「この時代に来ていちばん良かったなぁーってことはでスねセベク」
(なんだ……?)
「こうやって堂々と街でホームズの本を読んだり買ったりできるってことでスよ! 2045年では焚書