エステティシャンになる前のお話
高校1年生の情報の授業。
パワーポイントで自分の将来就きたい職業についてまとめる課題が出された。
受験を終えて入学したばかりだった。
部活はどうしようか、どの子と仲良くしようかと頭の中がいっぱいで将来の事なんて考えたこともなかった。
周りのクラスメイトもぼんやりとした自分の将来を思い浮かべ、課題に取りかかっていた。
僕はなぜか子供の頃から病院で働く事に憧れを持っていた。
病院と聞くと医師か看護師のイメージしか無かった。どっちもピンと来なかったので、ネットで他にどんな職業があるのかを調べた。
手芸や工作を通して患者さんの治療をする
【作業療法士】という職種がある事を知った。
もともと物作りが好きだったこともあり
楽しそう!これだ!と決めた。
初めは、嫌に感じていた情報の授業だったが、そのおかげもありその日から僕の将来の夢は【作業療法士】になった。
高校を卒業し、作業療法士学科のある大学に進学した。大学では物作りの授業よりも、解剖学や生理学など専門的な授業が多く、楽しいキャンパスライフどころかかなり苦労した。
大学って人生で一番遊べる4年間だと、父親に聞いていたが、全く違っていた。(恨
辛かった大学生活も素敵な仲間たちに恵まれ、何とか卒業し作業療法士としてデビューを果たした。
都内にある急性期と呼ばれる、救急車がビュンビュン入ってくる総合病院に就職した。
物作りを通して患者さんの治療どころか、意識がない患者さんの治療とリハビリが日々の業務だった。
人生思い通りにいかないものだ。
続く。