宙ぶらりんで進んでいく
明日から4月。
毎年この時期は、満開の桜とともに新たな門出に立つ人々が多く、これから待ち受ける未来への期待に胸を膨らませ、社会全体が明るくなるような季節。毎年この時期が大好きだった。だけど今年は、満開の桜をゆっくりと楽しむこともできず、自宅に留まりながら、いつ終息するのか分からないコロナウイルスに対して、不安を抱きながら過ごしている人が多いと思う。私もその内の一人だ。
ヨルダンから一時帰国して今日で2週間。自宅での隔離生活も今日で終わり、明日からは晴れて自由の身となる。しかし、帰国してすぐの頃は、2週間の隔離生活が終わればどこに行こうかなどと呑気に考えていたが、この2週間で国内の状況は随分と変わってしまった。コロナウイルスの感染拡大が深刻になり、明日から新年度となるが、先行きが見えない。今後、日本はどのようになるのか。まだ感染拡大は続いていくだろう。「緊急事態宣言」が出されるのか出されないのか、教育機関での新学期はいつから開始されるのかどうか、首都閉鎖(ロックダウン)されるのか否か、気になることは山ほどある。
間違いなく言えるのは、私が思っていたよりもこの一時帰国は長引くであろうことだ。最初は長くても3ヶ月程度かな、なんてことを考えていたが、半年、一年、、、いや最悪の場合、JICA協力隊が全員解雇される可能性だってあるかもしれない。そうなると、この一時帰国中は、ヨルダンに戻ることを見据えてアラビア語の学習をしておくよりも、次の進路に向けて動き出した方がいいのか、なんてことを考えたりもする。時間はたくさんあるが、自分が何に向かってその時間を費やせばいいのかが見えなくて、何をするにも集中できない宙ぶらりんな状態でいる。
一つだけ救いなのが、この悩みを共有できる仲間がいること。
数日前、二本松訓練所の時の生活班で、zoom を使ってビデオ通話を行った。一人の仲間の提案で、これまでの任国での生活や活動を、zoom 越しに発表することになった。現地ではたった2ヶ月間ほどしか活動していない。班の中には、出発が2月頭の人だっていたので、その人に関しては1ヶ月も活動できていない。それでも、現地で感じたことを第三者に伝えることには、自分の活動を振り返ったり、客観的な意見をもらえたりするなどと意味があると思うし、その提案には大賛成だった。聞いてくれる人がいるのはすごく有難いことだと思う。
新型のウイルスが世界中で蔓延して、こんな事態になるなんて誰が予想できただろう。結局、国際協力のボランティア活動なんて、その活動が安全にできる環境が保証されているからこそできる仕事だと実感した。未知のウイルス相手には、どうすることもできない。
世の中にはどうにもならないことがある。けど、そのどうにもならないことの中で、自分次第でどうにかできることもあるのかもしれない。
9月〜11月は訓練、12月からヨルダンに派遣されたが、最初の1ヶ月は現地での語学訓練。1月から任地での活動が始まると思いきや、冬休み、悪天候やコロナによる休みの期間がほとんどで、何の成果も上げていない。だけど、志同じ仲間に出会えたことだけは、自分の人生において大きな財産だと思う。
どうなるか分からないけど、分からないなりに今できることをやるしかないな。