ヨルダンのコロナ事情(前編)
先週、ヨルダンのコロナウイルスの現状についてまとめる機会があったので、今回はヨルダンのコロナ事情について書いていく。
おそらくこの記事にnoteからの注意書きが表示されていると思うが、ここに記述している内容は、私が個人的に得た情報になります。
実際の数字が違っていたり、状況が変わることがあるので、ご注意ください。
今回は、前編ということで、以下のことについて書いていく。
1.最近の感染状況について
少し落ち着いてきたものの、ヨルダンの感染状況は第3波真っ只中。
先週から1日の新規感染者数は約2000〜3000人台であるが、その前の週までは約4000〜5000人の新規感染者が確認されていた。
2021年12月23日時点での、ヨルダンでの累計感染者数は、1,047,953人。およそ100万人。
ヨルダンの人口が約1000万人なので、ヨルダン人のおよそ10人に1人がすでにコロナに感染していることになる。
2.ワクチン接種の状況
ヨルダンの18歳以上の国民は、60%が2回の接種が終わっている。
しかし、全国民からの割合で見ると、2回接種が終わっているのは、約35%と低い数字が出る。
これは、ヨルダンは若年層の人口の割合が高いためである。
日本の平均年齢が48.4歳に対して、ヨルダンはなんと23.8歳(2020年)
ヨルダン政府の防衛令により、2022年1月1日から、18歳以上の国民のワクチン接種が義務となることが決まっている。
3.PCR検査の状況
ヨルダンでは、1日あたりのPCR検査数が約40000〜50000件であり、ほとんどの病院でPCR検査を受けることができる。
しかし、国立病院か私立病院のどちらで検査を受けるかによって、費用や結果を受け取りまでの日にちが変わってくる。
国立病院は無料で検査が可能。
しかし、結果は2、3日後なので、結果の受け取りまで時間を要する。
また、間違った方法で検査が行われてしまったり、結果を紛失されてしまう…などというケースも起きている。
一方で、私立病院では、15〜28JD(約2400〜4500円)の費用がかかる。
しかし、結果を翌日に受け取ることができる。
首都のアンマンには、車に乗ったままPCR検査を受けることができる検査場もあった。
4.コロナ前後の街の雰囲気の変化
私は、コロナ前の2019年12月〜2020年3月の約4ヶ月間、ヨルダンに滞在していた。
約1年半後の2021年10月にヨルダンに戻ってきたので、コロナ前と比べて、街の雰囲気が変化したように感じている。
簡単に言えば、以前に比べてヨルダンで暮らしやすくなった。
2020年2〜3月(コロナ前)
アジア人に対する差別があった。
外を歩くと、必ず誰かから「コロナ」と言われ、子どもを連れた女性から「ファッキュー」と言われることもあった。
私がバスに乗り込むと、ヒジャブで鼻と口元を隠す女性がいた。
そんな日常が続いたので、外を歩くことが怖くなってしまった。
同期の隊員の中には、バスへの乗車拒否をされてしまう人もいた。
2021年10月〜(コロナ禍)
久々にヨルダンに戻ってきてまず驚いたのが、「コロナ」と言われなくなったことであった。
もはや、人に「コロナ」という以前に、2021年3月の第2波の感染拡大で、一度コロナにかかってしまったヨルダン人が多いからかとも考えられる。
これは完全に個人的な感覚によるところであるが、道行く人の2〜3割がマスクをつけている。(2〜3割しかマスクをついていない。)
地方に行くほど、マスクをしている人の割合は低いと感じる。
人々の様子を見て思ったのは、外を出歩く時にマスクをしていても、人と出会って話をするときに、マスクが外れて、顎マスクになっている人を多く見かける。
それでは、マスクの意味はないとツッコミたくなってしまうが、彼らにとってのマスクは、コミュニケーションをする際の大きな弊害であることは間違いない。
ちなみに、ヨルダンに住むイスラム教徒の女性はヒジャブというスカーフを巻いている人が多いので、その人たちは、紐の部分が長くなったマスクを使用している。
次回の、ヨルダンのコロナ事(後編)では、ヨルダンで行われている感染対策であったり、感染後の療養状況について書いていく予定にしている。