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むかしむかしあるところに『ソガのプワジ』という番組がありました。③

<つづきです>

2012年4月に始まった『真夜中パンチィ』はわずか1か月半でリニューアルすることになりました。

新しいタイトルは『やかせて!ソーセージ』。日々のニュースにおせっかいを焼いていこう…というコンセプトでしたが、これがさらに過酷な日々を生むことになります。

毎日昼12時になんばの吉本本社にスタッフと出演者が集まってネタ決め。そこからソーセージとプリマ旦那が毎日ロケに行き、撮って出しで放送に間に合うように超バタバタで編集。

深夜1時からの生放送が終わったら出演者を含めて3時頃まで反省会。そこからスタッフ反省会が始まり、終わる頃は5時とかになっていました。疲れと空腹で吸い込まれるように吉野家に入り、牛丼を食べて会社の近くのビジネスホテルで朝6時ごろに就寝。そして10時に起きてまた吉本本社へ…。

これが週4回繰り返されるので、この頃はほとんど私生活の記憶がありません。ただ確かに働いてはいたのですが、僕の人生の中で(自己採点で)最低点をたたき出している時期でもあります。

”総合演出”という肩書きを大いに勘違いして「自分の思い通りの番組を作れる奴」というものだと思っていました。内容面での不満があればスタッフも出演者も関係なくストレートに伝え、たくさんの人に嫌な思いをさせていた自覚があります。

どこかでも書きましたが、総合演出なんてものはリーダーでありながら旗振り役であり、スタッフや出演者が伸び伸びとパフォーマンスできるように立ちまわることが最も大切な仕事だと今は思っています。だから今回の一連の投稿は美談でもなんでもなく、反省と懺悔の歴史なんです。

番組は思考錯誤の連続でしたが、少しずつ形はできていきました。和牛は元料理人の水田くんをフューチャーし料理企画を。学天即は総選挙企画(アイスやインスタントラーメンの人気ランキング)をきっかけにAKBの選抜総選挙のリポートに出向き、アイドルキャラが出来上がっていきました(奥田くんがその後BiSHにもハマるきっかけとなりました)。

一方でずっと掴めなかったのがGAGでした。良さを引き出すことができず、企画がまったく安定しなかったのです。

番組が始まって秋を迎えるころ、再びリニューアルの話が持ち上がりました。週1の収録番組になるといいます。5組のうち1組がロケに行き、それをスタジオで観る形です。

僕はそれを踏まえて、番組内のロケVTRの分量を増やしていきました。そこで行ったのがソーセージ対GAGのロケ企画です。ソーセージとGAGが色んな陸上競技に二人三脚で挑戦する…という中身がよかったかどうかはともかく、そのVTRを仕上げる中でGAGがこれまでになく輝いて見えました。

生放送では散発的に思えた福井くんと坂本くんのボケが、編集することでノリが作れて、その面白さに改めて気づけたのです(当時本人たちにも伝えました)。

視聴率は相変わらず苦戦していましたが、5組それぞれの手ごたえを感じられたところで『やかせて!ソーセージ』は終了しました。4月から始まって怒涛の半年でした。

そして2011年10月から始まったのが『ソガのプワジ』です。残念ながら1年後に終わってしまうのですが。

<つづく>

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