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とーます模話のこざこざシリーズ 35「わたしも俳句をつくりたい⑤~〈自己紹介、川柳が趣味ですと書く〉~」

※今回は、ある会報への投稿を再録いたします。
一部変えています。


【タイトル:自己紹介、川柳が趣味ですと書く】

今回は私の趣味について書かせていただくことにいたします。
私は自己紹介等で「趣味」は何かと聞かれるとき、
今は「俳句・川柳作句」ですと書きます。

ご承知のように「川柳と俳句の違い」は
「季語の有無」です。

俳句も作句しますが、川柳は季語がない気軽さがあり、
比較すれば川柳を作るほうが多いかもしれません。

ご存じの方も多いかとは思いますが……川柳を実際に作るときの
最低限のルールをご紹介します。

季語は不要ですが、じゃあ
「拗音」「促音」「撥音」「長音」は
どのようにカウントするのでしょうか。

「拗音」ちゃんちゃんこ(五音)
「撥音」あかん(三音)
「促音」きっと(三音)
「長音」あーん(三音)


短歌や俳句と同じく、拗音のみ直前の文字
と合わせて一音扱いになります。あとは一句
を五・七・五の十七音に収めれば完成。


ちなみに俳句と同じく川柳では、

「字余り」、
「字足らず」、
句と句にまたがってひとつの言葉を置いてしまう「句またがり」


なども認められています。

では「句またがり」とは?

俳句を例にとりますと、

海暮れて鴨のこゑほのかに白し(松尾芭蕉)

のように合計五七五になるものです。

「かに白し」ってなんじゃい?となりそうですが、
うまく句をまたがると趣が出ます。

因みに今回のこの原稿のタイトルの川柳も「句またがり」
(上五が「字余り」)です。

俳句も川柳も十七字ではなく十七音という言い方をしますが
……音という要素が作品のおもむきに大きく影響しているようですね。

川柳には、

「うがち」「かるみ」「おかしみ」だとか、
「句 案十体(くあんじったい)」(水谷緑亭(みずたにりょくてい)が定めた川柳における表現技法の基本パターン)

などがあるそうですが、私はあまり気にしないで作っています。

私は還暦をすぎていることもあって、
脳トレや感性の鈍化を抑える意味もあり、
定期的に作句をしています。

今回は、そのいくつかをご紹介したいと思います。

コンビニの夏ギフトを見て一句、

夏ギフト用もないのに精査中
夏ギフト用はなくても精査中


ただ、この句ですと夏ギフトの冊子を読ん
でいることがわかりにくいので改作します。

夏ギフト用もないのに読書中
夏ギフトあてはないのに熟読中
夏ギフトあてはなくても熟読中


こんなふうに、私は一句を部分的に作り替えて
改作作品をどんどん増やしていきます。

※ちなみに「用もないのに」ってフレーズは、
ひみつのアッコちゃんのエンディングテーマの歌詞から、
湧いてきた感じですね。
「用もないのに」はスムーズですが、
「用はなくても」「あてはなくても」
の方が、意図があって好きでやってる感が出て、
前向きな感じ(笑)でいい感じがします。
いかがでしょうか。




次は俳句を考えているときに季語が浮かばず、
困ったときのことを題材に詠みました。

季語わからん!俳句スライド川柳へ

スライドがわかりにくいので少し改作。

季語わからん!いつの間にやら川柳に




次は、ある喫茶店で蚊がいたので両手で叩
いたときに、店内に音が響き渡って恥ずかし
かったときのことを詠みました。

蚊を叩き喫茶店内響く音

蚊は夏の季語なので、

蚊を叩くカフエ店内に響く音【俳句風、季語:夏】

と俳句っぽく改作します。



蚊を題材にもう一つ。

蚊を叩き神社拍手(かしわで) ひとつ増え
蚊を叩く拍手(かしわで)ひとつ増えにけり【俳句風、季語:夏】

こういう感じで、わたしは日々作句をしています。

マイナーチェンジ繰り返し、おすすめです。
日本語ばんざい。
日本語ならではの文化、
作句をたのしみましょう。


それではまた~。続く~。


【©tomasu mowa 2024】