しゅうかつシリーズ~「せめて、もう一回食べてから…美味過去記憶反芻対談」6〈忘れじの東京B級グルメ店〈神保町周辺編②〉~揚子江菜館のランチの五目焼きそば!もやしと肉しかないあの上海焼きそばじゃねえぞ!」「りきまんでもええがね(笑)」「チャーシューとかえびとかいろいろのってるんだよ。昔のデパート屋上のレストランにある五目そばの具のようなやつだよ。輝いていた!……そこそこ稼ぐようになった頃に一度だけ食べに行きました(笑)」 ほか〉
模話1「神保町水道橋周辺の続きね」
模話2「20代の編プロ時代はさ、お金がなかったじゃな~い?」
模話1「そうだね。年収に二百万くらいだよ」
模話2「そうすると、ボンディクラスでも行けなかったんだよね?」
模話1「正解(笑)」
模話2「でも、まれにちょっとましな食事はしたでしょうが?どうせ梅もとのカレーそばの話とかが中心だろうからさ、先に当時の憧れてた店とかはどうよ?」
模話1「なるほど。ボンディはさあ、一度だけ行ったかな。じゃがいもがおいしかった。当時は欧風カレーがいちばんすきだったから、たまらんかったよ。でもスマトラカレーの有名店には先輩に1回だけ連れていってもらったんだけど…スパイシーで高級すぎて合わなかった(笑)。お米も炊きたてで硬めだったかな?欧風ご飯やわらかめ時代だったんでね。ボンディ派ですね。行ったの1回だけだけどね(笑)」
模話2「欧風カレーといえば、ガイド本に出てたようなカヴィアルとかはもちろん行けなかったんだよね(笑)」
模話1「ガイド本は暗記するくらいみてたけどね。有名店の場所も下見に行っては食べないを繰り返してました(笑)。当時はカレーといえばまんてんだ」
模話2「前にあんまり好みじゃなかったって言ってたよ」
模話1「うん。挽き肉入ってるのは気に入ってたけど、カレー粉とか味とかがね、好みではなかったのよ。多分SBのカレー粉がハウスで馴染んだ舌には複雑すぎて慣れてなかったんじゃないかな。キッチン南海のカレー粉に慣れるのも、しばらくかかったし。まんてんに話戻すと、それでも良心的価格と量に引かれて通いました。カレーといえば…当時の水道橋の改札入ったとこにカレースタンドがあってさ」
模話2「焼きそばにカレーの店のこと?」
模話1「おっ、よく知ってるな。そこを愛用してたのに残念ながらつぶれてさ、カレースタンドになったのよ」
模話2「おいしかったわけ?」
模話1「欧風的でごはんがやわらかめ(笑)で好みだったのさ。でも当時の編集長に美味しいスタンドができたって教えたら、食べに行って〈缶詰の味だった〉と言われたのさ、さすがに恥ずかしかったさ(笑)」
模話2「業務用で美味しいって、味覚おんちか?(笑)」
模話1「まあそんなもんだね、わたくしの味覚レベルはね。もあもあくんが言ってた焼きそばにカレーはさあ、上京して大学受験のときに初めて食べた東京の焼きそばだったんだよね。忘れじの初めての東京焼きそばだよおっかさん」
模話2「昔はイケベ楽器があったから、最初だけは何回か水道橋に行ってたよね。新宿や御茶の水にもいろんな楽器店があるの知らなかったんだよね?(笑)」
模話1「いなかもんは、そんなもんです(笑)。知らないわけじゃなくて、街が大きすぎて迷うじゃん(笑)。食べ物に話を戻すと水道橋はね、初めて東京の立ち食いそばを食べた場所でもあるよ。昔はまだ、神田川沿いぎりぎりに、階段で上がる小さなお店がいくつかあって、神田川ってお店があって安くて人気だったんだよね」
模話2「なに食べたの?」
模話1「忘れもしないコロッケそば。かけそばは200円しなかったし、コロッケそばも200円かせいぜい220円くらい。浜松のじしょうていの立ち食いより安いしうまいし感動しました。コロッケをそばにのせる文化は当時の故郷にはまだなかったと思う。少し甘めのコロッケだけど、だしの味がちゃんとしていて、食べ進むうちにコロッケが汁にとけだしたときの渾然一体の味に衝撃を受けました。東京に来てよかったって思いました」
模話2「コロッケそばでかい?(笑)…いまもあるんだよね、たしか?」
模話1「去年行ってきたよ。値段は上がってたけどまだ昔の味とあんまり変わってない感じがしたよ。美味しかったさ」
模話2「もわくん、もうちょっと食事単価を上げようかね(笑)」
模話1「承知いたしました!じゃあ、列挙しよう。おごってもらったものがはいってるけどね。揚子江菜館のランチの五目焼きそば!もやしと肉しかないあの上海焼きそばじゃねえぞ!」
模話2「りきまんでもええがね(笑)」
模話1「チャーシューとかえびとかいろいろのってるんだよ。昔のデパート屋上のレストランにある五目そばの具のようなやつだよ。輝いていた!確か1000円くらいしたのかな?30年以上前でも結構な値段だったと思うよ。おごってもらったあと、そこそこ稼ぐようになった頃に一度だけ食べに行きました(笑)」
模話2「はいはい次ね。手短にね」
模話1「新世界飯店?のトンポーローが乗った中華そば!」
模話2「感嘆符はいらないよ(笑)」
模話1「清水亭のランチのサイコロステーキ定食。キッチングランのハンバーグしょうが焼き定食。近江やのさばしお定食にひじきにほうれん草おしたしに切り干し大根。さぶちゃんの半チャンラーメン。え~っと」
模話2「だんだん食事単価が手が出しやすくなってるよ!」
模話1「あとはキッチン南海カツカレー大盛りにしょうが焼きにイカフライしょうが焼きにロースカツに追加しょうが焼き定食。梅もとのカレーそばにおいなりさん!肉やの太田屋の揚げ物数種類に白ご飯大盛り!」
模話2「北京亭とかランチョンとかカンキョウ酒店とかないのか?(笑)」
模話1「ない!(笑)」