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好きを語ろう読書会 第14話

プロローグ

9月30日(金)、僕による2回目の読書会を開催した。
今回は主催者である僕含め、6人のライターが集い、さまざまな本が紹介され、第14話の物語を紡いでもらった。

ちなみに今回からいわゆる紹介者はライターと呼称し、各話(各開催)において物語を紡いでもらうための作者となってもらうという、中二病みたいな設定にした。大人になってもそういう遊び心を忘れないのは良いことだと思ってる。これは僕なりの心の有酸素運動なのだ。

最初に受付に来られたたいやきさんが迷われており、僕が視線をたいやきさんに向けるとすっとこちらに寄ってきて、「読書会ですか?」と訊いてくださったので「そうです」と答えた。
その時、「あぁ、やっぱりプラカードみたいなものはなにかしら必要だよな」と思ったので、時間と気力があればそのうち作ろうと思う。クオリティは期待しないでいただきたい。

では本編へ行こう!

【本編】

『ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
 富を約束する「6つの感性」の磨き方』

ライター:たいやき

21世紀にまともな給料をもらって、良い生活をしようと思った時に何をしなければならないか―この「100万ドルの価値がある質問」に初めて真っ正面から答えを示した、アメリカの大ベストセラー。

amazon.co.jpの商品ページより

本書はなんと2000年代初頭に出版されたようだ。

紹介者であるたいやきさんはごく最近読んだとのことで、他の読書会で紹介されており、さらに世間では名著として扱われているため、読んだそう。

また本書を読んだことをきっかけに、未来予測というのは過去の本からできることもあるため、過去の本を読む大切さを知り、普段触れることのないような知識は知っているのと知っていないのとでは大きく違うため、ビジネス書の知識を身に付ける必要があると実感したそうだ。

ちなみに現在、日本人は英語を話せるだけでは人と差をつけることは難しいようで、こういった世界的に流通しているビジネス書を読むことも必要なんだとか。

『ぼくら星屑のダンス』

ライター:えん

借金で浜名湖に入水しようとしていた浅井久平は、同じく自殺を図る不思議な子どもヒカリと出会った。ヒカリは最先端科学センターから逃げ出してきた天才だという。半身半疑ながらも一緒に逃避行を始めた久平。一方、内閣官房から指令を受けた警察はヒカリの捜索を開始。だが、ヒカリはネットを駆使して逆にみずから誘拐を装い、100億円を要求した。果たしてヒカリたちは現金を奪取し、偽装誘拐を完遂できるのか?第30回横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞受賞作。

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人生は前向きに生きていると、いろいろな壁にぶち当たることもあるが、ライターのえんさんいわく、この本を読むとそれがすごいちっぽけだと思えるようだ。爽やかな感動が待っており、嫌なことがあっても明日も頑張ろうと思えるんだとか。

辛いことがあっても本作の内容を思い出して頑張れるような、自分にとっての自己啓発書のようなものと語っておられた。

本書の特徴として、現代でも通用するような科学知識があり各所に散りばめられており、宇宙や物質の誕生について分かって面白かったとのこと。

また、メインは中年のおじさんと子供で、2人を軸に物語が進んでいくそうだが、彼らにとっての外野のキャラ含め、ほぼすべての登場人物が、キャラが非常に立っていることもあって、主役のように思えるのだそう。

ちなみにタイトルの意味がわかったときはとても感慨深い気持ちになったそうなので、少しでも気になった方はぜひ読んでいただければと思う。

『完全教祖マニュアル』

ライター:グロ

多くの人をハッピーにしながら、大きな尊敬を受ける―教祖ほどステキなビジネスはほかにありません。キリスト教、イスラム、仏教などの大手伝統宗教から、現代日本の新興宗教まで、古今東西の宗教を徹底的に分析。教義の作成、信者の獲得の仕方、金集め、組織づくり、さらには奇跡の起こし方―あらゆるシチュエーションを実践的に解説した本邦初の完全宗教マニュアル。

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本書はそこそこ古い本で、ライターであるグロさんはだいぶ前に読まれたとのこと。

 序章からなんと「君も教祖になろう!」と模範的な指南書のようなことが書かれているんだとか。
(なんだよ「模範的な指南書」って。「優秀なMENSA会員」って言葉があるのなら、それと同じようなものなのか。)

小難しそうな新書ではあるが、かなりフラットな書き方がされているようで、特に「教祖ほど素敵なビジネスはない」といった、すげえ軽い謳い文句があるようだ。

ちなみに今後、怪しげな宗教勧誘やマルチ商法などに対する防御力を上げるためにも読んでおいて損はないとのこと。

また、タイトルからは予想できないぐらいスッキリ読み終えれる本で、特に悪用できるようなものでなく、あくまでも常に「井の中の蛙大海を知らず」状態な我々読者にとって、新たな世界を知れる本とのことだ。

本書から、最近の統一教会問題などを話題に、「宗教は完全な悪なのか?」、「そもそも世間的にメジャーな宗教を悪と印象付けているマスコミが本当の悪なのでは?」という話題で、ライター同士で盛り上がった。

『春にして君を離れ』

ライター:かつき

優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる…女の愛の迷いを冷たく見据え、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。

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1944年に出版された作品で、1930年が舞台とのこと。

アガサ・クリスティーにはめずらしく、ミステリー小説ではない作品。
ミステリーでないため、ファンである読者から反感を買うかもと思い、別の名前(メアリ・ウェストマコット)で出版したが評判が良かったため、最終的には実名で出した作品とのこと。

ライターであるかつきさんは物語に没頭し、ノンストップで最後まで読めた作品のようで、ここまで恐ろしくて、悲しくて、怖い小説をかけるクリスティーは天才だとおっしゃっていた。

印象に残っているシーンはすべてで、本書のかつきさんへの影響力は絶大なるものであり、読んでいるときは常に誰かに見られているような気がしたり、2年前に比叡山に携帯を持たず、お金と水分のみを持ち一人で行き、長い時間滞在するという修行めいたことも実践してみたのだとか。

『私達が星座を盗んだ理由』

ライター:ツナ

難病の女の子を喜ばせるため、星座を一つ消して見せる男の子を描く表題作ほか、5つの物語のすべてに驚愕のどんでん返しが待つ、ファンタジックな短編集。優しく、美しく、甘やかな世界が、ラストの数行で残酷に反転する衝撃は、快感ですらある。まさに、ミステリの醍醐味!

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5個の短編集で、ラストに衝撃の結末が待ち構えているミステリー小説。

作品の中にはネットで考察を見ると、より恐ろしい事実が明らかになり、再読するとまた違った感じ方ができるものもあるのだとか。

短編集なので、サクッと読みたい方にオススメとのこと。

物語の真実を知るたび、90度回転するほどの衝撃を受け、最終的にはそこからさらにグルンと180度回転し、合計270度回転したとのこと。
いかんせん未読なので想像がつかないけど、とにかく読んだら分かるすごさなんだろうなぁ。

ちなみに自慢でも何でもないが、現時点で90冊近くある僕の積読の中の1冊だったりする。

『#真相をお話しします』

ライター:maguro

私たちの日常に潜む小さな“歪み”、
あなたは見抜くことができるか。

家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて……(「惨者面談」)。不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。しかしそこへ「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る別の〈娘〉が現れたことから予想外の真実が明らかになる(「パンドラ」)。子供が4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとびとがやけによそよそしくなっていって……(「#拡散希望」)など、昨年「#拡散希望」が第74回日本推理作家協会賞を受賞。そして今年、第22回本格ミステリ大賞にノミネートされるなど、いま話題沸騰中の著者による、現代日本の〈いま〉とミステリの技巧が見事に融合した珠玉の5篇を収録。

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どれもエッジの効いた短編かつ、怒涛の伏線回収で完全にやられました!
思わずつぶやきたくなったよね、「わたしまけましたわ」って。

本作は特に普段からミステリー、いや本をあまり読まない人にはぜひ読んでほしい作品で、5つの短編集で一つあたり50ページ前後の内容でサクッと読めて、「ミステリーってこんなにおもしろいのか!」とショックを受けること間違いなしなのだ!
逆にいつもミステリー小説を読んでいるようなオタクは、普段の館系ミステリー(クローズドサークル含む)や叙述トリック系ミステリーなどの、どこまでもフィクションで、ファンタジー寄りなものとは違い、現代社会がベースとなっており、かつ「事実は小説よりも奇なり」という有名な言葉をそのまま具現化したかのような物語に戦慄せざるを得ないはずだ。
だからミステリーオタクにもぜひ読んでほしい。

内容はえげついものばかりだが、万人向けの作品と言っても過言ではない!

エピローグ

読書会終了後、カフェでそれぞれ会計をし、出口付近のテラスにてちょっとした解散式をするのだが、解散したあと、なんかこのままさようならしていいのか戸惑うのよね。
「いや、主催者がそれでどないやねん」という感じではあるが、これは僕が参加者だったころから引きづっていることだったりする。

僕は"別れ"というものが苦手だから友だちと遊んでいて、深夜の公園のブランコとかに座りながら遅くまでズルズル雑談したりすることなどがよくあり、「そろそろ解散しよっか」が言えないタイプである。
でも僕はそんな、大人になったからこそできるような他愛のない時間を愛してたりする。
そして夜ご飯を食べて帰ろうと目的の飲食店まで歩いて向かっていると、今回参加、いや物語を紡いでくださった方から、「募集案内のページの主催者の紹介文読みました。私も貴志祐介さんの作品が好きです」と言ってもらえたのが嬉しかった。あんな拙い紹介文でも読んでくれて、しかも共感してくださっている方がいるんだなと思うと、追加して良かったと思えたのだ。

あとがき

僕が主催する読書会は今回で2回目となる。
今回は「本の影響力」というテーマが最初から決定づけられていたのかというぐらい、良い意味で本に取り憑かれたかのような人たちが集まり、楽しくお話できたと思っている。

ちなみに最初の応募状況(1週間か2週間ほど)は正直言って少なく、「ああ、ダメだ。そもそも俺には読書会を主催する側なんて無理なんだ」と思い、一定の人数が集まらなければこれで辞めにして、しがない会社員として静かに生きようとさえ思っていた。
たとえ主催者であっても、しがない会社員ということ自体には変わりないのだけれど。

しかし、2週間が過ぎたころ、2人ほど追加で申し込みがあり、キャンセルが1人出てもさらに2人追加で申し込みがあったりと突如として好調さを見せてきて、最終的に初期定員から枠を1名追加したあとにも満員となり、おかげさまで今回も楽しい読書会を開催することができたのでライターの皆様にはとても感謝している。
ありがとうございます!!

またえんさんから、読書会というともうちょっとのんべんだらりと本にまつわる雑談を楽しむイベントだと思っていたとお話いただき、僕の主催する読書会は思ったよりフォーマル寄りな印象とのこと。
それを聞き、僕は好きな本を紹介しあうシンプル読書会だけでなく、「さ〇ま御殿」やアメ〇ーークの「読書芸人」のバラエティー番組のような、読書好きによる読書好きのための雑談会のようなものも開催すると楽しいかもと思った。トークテーマがあって、それで何人かで話し合ったりするやつね。
とは言っても人を選ぶイベントにはなりそうなので、今のところ現在のスタイルの読書会を継続していこうと思う。

さて、次回の読書会は10月21日(金)の18:30(19時まで受付タイム)~20:30を予定しているので、ぜひとも参加していただければ嬉しいです。
お申し込みは下記よりお願いいたします!!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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