見出し画像

ゴドーを待ちながら

数年間
感じていなかったぐらいの
とてつもない大きさの
かなしい
が突然やってきて
おおきく振りかぶって
身体にぶつかった

四方八方に砕け散ったそれぞれが
それぞれの声でまた
かなしいって言う

通りかかったあなたが一片を払い上げて
覗き込んでくれればいいのに
どうしてかなしいのと
言ってくれればいいのに

ゴドー、まだ来ない

私は飛び散った身体を拾い集めて
つぎはぎにしていく
不細工だけど
元々こんな感じだったかも
という気もする

つぎはぎの身体で
細い枯れ木にもたれながら
まだ現れない人のことと
ぶつかってきたかなしいの
色とか形とかについて
考えている

さっきのことなのに
何も思い出せなくなっている

もう、かなしくなくて
かなしい

ーーーーーーーーーーーーー

生きていると
何が起こるかわからないね
という今のメモ

本当に作家になりたいなら
いつかちゃんと言語化して、
という自分への戒め

2023夏

渡部

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?