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渡部有希
2021年5月15日 01:41
誰かから溢れるべき耳を塞いでも目から目を閉じても記憶から腰の中にあるいは肋骨の隙間に重石を積まれたように窮屈で仕方がなくて身をよじらせるちがうあたしにはそんなものはいらない若いうちに。独身のうちに。元気なうちに。生きているうちに。べきことなんてひとつだって、ない産声をあげたそのときに死の香りを等しく限りがあることを匂ってしまった