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#文学

べきこと

べきこと

誰かから溢れる
べき

耳を塞いでも目から
目を閉じても記憶から

腰の中に
あるいは
肋骨の隙間に
重石を積まれたように
窮屈で仕方がなくて
身をよじらせる

ちがう
あたしには
そんなものは
いらない

若いうちに。
独身のうちに。
元気なうちに。
生きているうちに。

べき
ことなんて
ひとつだって、ない

産声をあげたそのときに
死の香りを

等しく
限りがあることを

匂ってしまった

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