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医学物理士以外の資格

 医学物理士として働く上で医学物理士の資格さえあれば十分なわけだが、それ以外の資格も取得しておいて損はないであろう。履歴書の資格欄が埋まる自己満足感も否定できないが、試験合格に向けて半ば強制的に勉強の機会を作れるという利点もある。そうでもしないと私のような怠慢な人間は勉強なんてしない。

 そんな筆者レベルであるが、実際に勉強してまぁ損はなかったと思う資格を紹介しよう。どれも受験資格の制限はないので、もし興味があれば。

1. 第1種放射線取扱主任者
 医学物理士・放射線技師の業界では有名な国家資格で、所持している方も多いかと思われる。試験は決して易しくないし、試験日も2日間にわたるのでそれなりにタフさが必要である。しかしながら、試験科目の物理や計測、防護といったところは医学物理士の知識としても大いに役立つので、時間を割いて勉強する価値は十分ある。

 ただし免状を取得するには、試験合格に加えて1週間の講習の受講が必要となる。講習自体は学生実験レベルではあるが、いかんせん受講費が自腹を切るには高額。筆記試験合格の有効期限はないので、取り急ぎ資格が必要なければそこで放置だろう。

2. エックス線作業主任者
 主に医療以外でX線を使う工業用の国家資格。医学物理士試験に比べれば試験は満点狙えるくらい簡単ではあるが、そのための勉強は我々が大好きなX線について良い復習にはなる。試験は年に複数回実施、受験費もそこまで高くはなく、何より合格すれば資格マニア御用達(?)の労働安全衛生法の免許証をゲットできる。

 なお放射線技師免許や第1種放射線取扱主任者をもっていれば試験なしで取得できるくらいなので、完全に勉強目的での受験となる。

3. 医療情報技師
 医療情報学会が認定している資格。試験は医学・情報・医療情報の3科目からなる。情報処理技術としてはITパスポートレベルではあるが、DICOMやHL7、DPCコードといった医療独特の項目が入ってくるので、病院で働く者として勉強しておくのも悪くない。実際、筆者のおっさんは病院勤務歴そこそこのくせに、例えばオーダリングシステムやレセプトのことすらほぼ無知であった(医学物理士が直接係わるところではないが…)。

 問題として、この資格には医学物理士のように更新制度があるので、認定された後その維持に費用がかかり続ける。本職資格でないのでそこまで投資するかは悩ましいところ。

4. その他、英語系や情報処理技術系
 医学物理士に限った話ではないが、このご時世、英語と情報処理の能力はある程度持ち合わせていたいと思っている。このあたりの試験はいくらでもあるのでお好みで。

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 必要ない資格取得のためにお金と時間をかけるのもどうかと思う方も勿論おられるだろうが、価値観は人それぞれということでご容赦いただきたい。

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