仕事の失敗談
臨床の医学物理士のメイン業務の1つである治療装置の品質管理。毎月なり毎年なりの測定項目があってそれに従って実施していくわけだが、何年も同じことを繰り返しているとどうしても単調になりがちでつい気の緩みも出てしまう。そういうときにミスというのは起こるもの。専門的な場面になるが、筆者のおっさんがやってしまった失敗を懺悔しておきたい。(ちゃんとインシデント書いてます。)
1. リニアックヘッド衝突
リニアックのガントリーを回したときに寝台なり足台なりにうっかりぶつけてしまうという放射線治療の操作系ではいちばんありがち(?)なミス。ノールックでガントリーを動かしてはいけない。車のバンパーみたいにヘッドは凹みはしないが、やってしまった本人は凹む。
2. 器材を落とす
測定で使うファントムを落としてしまうミス。球形や円柱型のファントムって案外使う場面多くて、油断しているとちゃんと固定したつもりでも寝台からころっといってしまう。さすがにアークチェック系の高級機材は落としたことないが、指頭型電離箱は1回やってしまったことがある。そのときは電離箱壁がぶっとんで無事死亡。
3. セットアップ間違い
セットアップのミスの中でもいちばん覚えているのが、指頭型の電離箱の実効中心を合わせるときに幾何学中心から線源側に電離箱を動かしてしまったミス。平行平板や半導体と混同してしまったのか、いずれにせよ我ながら素人みたいな間違いをしたもんだ。それでPDD測定してピークおかしくね?ってなった。まぁこれは気づかんかったらあかんやつ。
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筆者の場合で言えば、このようなミスは忙しい日の遅い時間や休日に一人で仕事しているときに起こっていた。さっさと仕事を済ませたいと思ってもワンオペで横着してはいけない。そんなこんなで今の施設では測定業務は基本2人で実施している。単独でやっていた時より安全で効率もいい(優秀な同僚らに助けられている)。