夫の遺品整理⓶
まさか自分が、夫の遺品を整理するなんて夢にも思わなかった。
そもそも「遺品」って感覚すらなかった。
そんなもんです。
身近な人の物って、遺品っていう感覚がない。
夫のモノはとにかく多かった。
夫というか、私たち夫婦はモノが多かった。
何でも欲しいと思ったらすぐ買っていた。
だから貯金もなかった💦(激しく後悔してますがあとの祭り)
買い物欲がすごかったんです。買った満足してたんだと思います。
買った時点で満たされるけど、そのモノで満たされているわけじゃないからもっともっとと増えていった。
その増えたモノ、見ずに触れずに一気に捨てる選択もあったけど、さすがに出来なかったし、ちゃんと一つ一つ見て触れようと決めて整理しました。
これはおススメです。
どんなに多くても自分の目で見て触れると、心の整理も同時に出来ます。
遺品整理に踏み切ったのは確か2018年のゴールデンウイーク。連休を使って一気に片づけようと計画したのは3月。計画から実行まで2か月あり、その間は何もしませんでした。仕事から帰ってきて少しずするとか、週末にまとめてするといった気力がわかなかったから。だから、大型連休にまとめてやると決めました。何よりも一気に片づけたかった。
結果的には夏休みぐらいまでかかりましたが、それでも一応連休中に一通り終えました。
初日、夫の部屋にある「捨てても大丈夫そうな物」からゴミ袋に入れていくつもりでしたが、いざ始めようとするとどれもゴミに見えない。全てのモノが生きた証に思えて、中々捨てれず、急に不安になったり、感情が入り乱れた。
何のためにするのか今一度考えた。次に進むため。人生をリフォームするため。TVで遺品整理を終えた方のすっきりされた様子に刺激を受けたことを思い出し、物はただのモノであり、感情をのせているのはこちら側。捨てても大丈夫なんだと落とし込み、再開。
何から捨てただろう。使いかけのティッシュとか、たばこ、笑。
今ここにある全てのモノは死んでいる。使われていないのだから全部ゴミ。そう思いながらやるのだけど、実際は中々進みませんでした。
アタッシュケースやスーツケースを開けて、生きていた時と同じように片付け始めた。そこから進んでいったような気がする。
その頃になると夫も全部捨てていいと思っているだろうとなんとなく感じた。
衣類は特に多く、スーツが100着以上、コートは20着、ゴルフウエアは数えてないけどプラスチックの収納ケース5個に箪笥からはみ出るほどあった。普段着も含めると信じられないほどの量でそれを見てしまうと一気にやる気がなくなったほど。
そんな時、わが娘が淡々と作業をしているのを見て、何とも複雑でした。でも子供たちはしんみりなんてしてませんでした。余計にやれねばと駆り立てられたのでした。
3日に始めて6日までやり続け、日に日にコツがつかめてきて、いるいらないのジャッジも早くなってました。一つ手放すごとに、どうすることも出来ないため込んでいた感情が解き放たれていったようでした。
片づけると人生変わるというけど、本当だと思う。
私の遺品整理はこんな感じで終わりました。
金目になりそうな物は全て売却
衣類はリサイクルに出したり、捨てたり、ブランドものは売却。
ゴルフクラブや大量の本は譲ったり売却
身に着けていたアクセサリーも売却
結婚指輪はこの夏に売却しました。
(この結婚指輪は結婚当初のもので、その後サイズがあわなくなったのもありお互いしていなかったので手放すことにしました。)
手放しがたかったモノは、履いていた靴、亡くなった時の行動がわかるレシート。よく使っていたボールペンや手帳、ノート。ノートはすごい数で、大体目を通したけど、自分のこれからのことや仕事のこと、時には愚痴もあった。ノートはしばらく置いていて1年後ぐらいに全捨てしました。
私も書こうと思いました。
置いておこうとするとキリがないです。
なんとなくとっておいた、数枚の衣類や靴もしばらくすると、劣化してきたので全部捨てたのですが、結局、物でもなんでも使ってないとダメですね。
ゴールデンウイークに一通り終えたとはいえ、その後も継続してやり続け年内には何とか終えることが出来たのでした。
本当に大変だったのは、ゴミの日。45リットルのゴミ袋に満タンに入ったごみをいくつ運んだだろう。
手元に残したのは、腕時計とベルト
あとライターもあるけどそれはいつか捨てる。
それだけあれば十分。
たくさん整理したけど、大体記憶に残っている。手放して余計に色濃く残るから不思議な感じもします。
すべての物を思い出の物としてとらえると何も捨てることが出来ないけど、夫はもうこの世にいない。あの世では不要なものばかり。
これでよかった。空っぽの部屋で魂は生きていると感じる。いつも見守っていてくれてるんだろうとも思う。激しい喧嘩もよくしたし、色々あったけどね。
遺品整理をして思ったこと。
どうしていつも片づけておかなかったのだろう。
どうしてこんなに物を増やしてしまったのだろう。
反省しました。
物は持ちすぎるとよくない。死ぬときは身一つ。物は持っては逝けない。
不要な物はどんどん手放して身軽になろう。
この辛くてしんだかった遺品整理を、子供たちにさせたくない。
生前整理、終活はマストです。