人生を変えた本 電車で拾った麻雀マンガだった
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今から10年以上前、京都の鴨川の「床」で会社の同僚と飲んで大阪へ帰る阪急電車でのことでした。網棚にマンガ週刊誌が捨てられていたので何気なく拾うと、それは麻雀マンガ誌でした。
学生時代に麻雀にハマっていたので懐かしく読み出すと、片山まさゆき氏の連載があるじゃないですか。この人は知る人ぞ知る天才漫画家なのです。「ぎゃんぶらあ自己中心派」「スーパーヅカン」など、ギャグセンスやパロディは最高でした。白眉でした。
メジャーな世界でもっと評価されても良かったはずです。麻雀というマイナーな世界にいたこと、画力が今ひとつだったことが惜しまれます。
さて久しぶりの片山まさゆき氏のマンガを読んで、主人公が言っていた言葉に衝撃を受けました。もう忘れもしません。その後の人生が大きく変わりました。ぜったい忘れません。今の自分があるのもこの言葉を胸に刻んでいたからと言えます。忘れるはずがありません。えーと。正確には違うかもしれませんが以下です。
「言い訳を言い続けると、言い訳を必要とする状況が続く」
「言い訳を言わないようにすると、言い訳が必要とされない状況がやってくる」
これって原典があるのでしょうか。書物があれば読みたかったので何度か調べようとしたのですが、見つからずじまいです。片山氏は天才なので氏のオリジナルも考えられます。
ボクは当時40歳すぎでした。これはスゴイ金言だと、すぐにわかりました。この言葉を胸に生きていこうと誓いました。
このあと、言い訳を言いたいことがあっても、グッとこらえて、まずは謝り、聞かれるまでは理由を言わないようにしました。自分に落ち度が無くてもです。
同僚や後輩の失敗で上司に叱られても、自分の落ち度としてしっかり謝って、反省を述べるだけにしました。ハードボイルドに徹しました。
すると次第に言い訳を言わなくて良い状況ばかりになっていったのです。いろいろと困難な局面でも粘り強く対処できるようになっていきました。
このあとしばらくしてからは上司に叱られたという記憶がありません。どんどん成果が出るようになり、周囲の信頼も得られるようになりました。ずっと幸運続きだったと思います。「ヅカン!」「スーパーヅカン!」という状況はほぼなかったですね。(←ツイていないという意味です)
もっと早くこの言葉に出会いたかったです。ただし早く出会っても、この言葉を実践しようと思える精神的熟成には至っていなかったかもしれませんが。なかなか成長が遅い。
なぜこのようになるのか。「引き寄せ」「言霊」という考え方もあるかもしれませんが、ボクは「無意識」が為せるものと捉えています。
言い訳を言えば、言い訳を言う弱い自分を無意識が規定します。次も言い訳を探してしまいます。周囲からも言い訳を言う人だと思われます。信頼を得られるでしょうか。
言い訳を呑み込めば、言わない自分を心に植え付けます。言わなくて良くなる材料を無意識的に探すことでしょう。呑み込む自分の強さも自分で感じることになります。自分は強い人間だいう認識が心に入り、困難な状況にも簡単に諦めない胆力もつきます。
また言い訳を言わなかったとき、それを見ていた人は信頼するでしょう。人から信頼されると、協力も得られます。次はその協力のお陰で言い訳を言わなくて良い結果になるかもしれません。
後年、後輩が上司から叱られているのを見た時、そういや最近誰からも怒られなくなったなー、オレもあんな風に怒られたいなー、誰か厳しくネチネチ叱ってくれないかなーってマゾっぽく思うようになりました。だからあの会社を辞めたのかも。それではまた。
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