見出し画像

「ハナ菓子店×まご コラボスイーツ」レポート完全版


▽お菓子を作りたい 

よあけのたび2

長年、お菓子のパッケージのイラストを手がけることが夢だった私は、菓子職人さんと手を組んで「朝食べたいスイーツ」を作ることはできないかと模索していた。モーニング巡りのエッセイ本「よあけのたび 2」の発刊を盛り上げる企画の一環だった。 

▽コラボをお願いする

タルトのイメージ


「朝食べたいお菓子を作ってほしい」。 
モーニングをきっかけに知り合った「ハナ菓子店」さんにそうお願いしたのは 2022 年の初夏の頃。「ハナ菓子店」さんのタルトをはじめて食べた時、生地がとても「フレッシュ」だと感じたことから、ハナさんのつくるタルトを朝食べればとても爽やかな気分で一日を始められるのではないか?そう感じたことが依頼の決め手となった。 

お菓子をつくることも、パッケージをまごが手掛けることも快諾してくれたハナさん。「11 月がちょうど旬だからラ・フランスのタルトにしようかな」。ハナ菓子店さんは活動していた京都を離れ、山形に拠点をうつしていた。山形はラ・フランスの名産地だった。 

▽パッケージをつくる 

原画

ハナ菓子店のお菓子は、屋号を流れるように書いたシンプルなパッケージが魅力のひとつだ。そのシンプルさを大切にしながら、わたしの絵のエッセンスをプラスする。 いくつか案を出したのち、最終的に山のどうぶつをラ・フランスと一緒に描くことにした。 

ひとつは「くま」。やはり東北の山のいきものといえば「くま」がまず浮かんでくる。くまにかぶせた帽子 はラ・フランス型のベレー帽。ハナさんが何気なく言った「ラ・フランスベアー」という言葉が気に入り、 わたしもそう呼んだ。

もうひとつは「カモシカ」。山形県は県のシンボルとして「カモシカ」を県の獣に定めている。カモシカだと言わなければカモシカとわからないけれど、カモシカをかわいらしくデフォルメした。

文字は共通して「Have a wonderful morning」。新刊の背表紙にも書き込んだ言葉であり、レティシア書房での記念展のタイトルにもなった言葉。

 「wonderful」にこめた意味は「素晴らしい」だけではない。 不思議に思う気持ちや、驚く気持ちなど、いろんな感情にあふれる朝を楽しんで!そんな想いを込めた。

 「バッグみたいに手に持って撮影してもらえたらいいな」というハナさんのアイディアと、タルトを完全に隠さないパッケージという点を意識し、絵はトレッシングペーパーに印刷して帯のように巻き、リボンを装着することになった。

ハナ菓子店さんと私らしさがうまくミックスした素敵なコラボスイーツができあがったと思う。リボンの色はハナさんに決めてもらった。 

▽山形と京都 

26日の販売の様子

お互いの居住地が遠く離れているため、共同作業ができない。梱包して、帯を巻いて、リボンをつける作業はハナさんの仕事になった。販売するのは 11 月 26 日、円卓×ハナ菓子店×ペリドットさんとの発刊記念朝食イベントの会場。それから11 月 27 日の「大善哉大会」(菓子屋のな×円卓のイベント)でも少しだけ販売していただけた。美しく焼かれたタルトは可愛らしくパッケージされ、丁寧な梱包で山形から京都・ 円卓のアトリエに届けられた。多忙を極めていたハナ菓子店さんのプロの仕事ぶりに感謝と尊敬は尽きない。 

▽撮影する

もみじと
銀杏と

わたしがタルトを食べたのは 11 月 27 日の朝だった。発刊記念朝食イベントを終えた翌朝だ。朝起きてすぐには開封しない。まずはお菓子を連れて、紅葉や銀杏のきれいに色づく自然豊かな公園へ向かった。朝の光が差す森の中。秋の彩りを背景にタルトを掲げてシャッターを押す。なんて絵になるタルトなんだろう。 

▽味わう 


ラ・フランスはみずみずしく光る。 口に運べばやっぱりみずみずしい。フルーツだけでなく、タルト生地そのものがみずみずしいのだ。通じにくい表現なのかもしれないけれど、ハナさんのタルトはフレッシュで、 爽やかな清涼感に満たしてくれる。

あっという間に食べてしまった。寂しさ半分、よろこび半分。帯はスケジュール帳に貼り付けた。 



Special Thanks


@hana_kashiten
@entaku_ayamii
miho 
まいちゃん 

いいなと思ったら応援しよう!