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紀州犬 リキ の思い出 第1話
タイトル画像は無料写真からお借りしました。
この横顔、三角の黒い眼・茶色っぽい鼻、
リキにそっくりで胸がズキンとして、
思わず涙ぐんでしましましたよ。
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
長年腎臓を患っていた夫が
昨年7月にとうとう人口透析患者になってしまい、
私は一日置きに病院への送り迎えをすることになりました。
透析患者は食事から摂取した栄養素のすべてを
透析治療のみでは調整できないので、
食事で摂取する栄養を管理しなければなりません。
あ!
人工透析の夫の食事管理がタイヘン!てお話をするために
この記事を書き始めたわけじゃなくて、
投稿が随分途切れてしまっていた
その言い訳をしているわけでアリマス。
f(;^ω^)
どうか
「紀州犬リキの思い出」
お付き合い下さいマセ。
m ( _ _ ) m
〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
《第1話》
まだ娘が4年生
息子が幼稚園年長さんの時の秋の日の事。
夫が
犬を買いに行くから一緒に行ってくれと言う。
まったく急な話で、
「エーーッ、どこへ?どんな犬なの?」と私。
夫「俺の友達が白い紀州犬飼っててな、
子犬が3匹生まれたんだとさ。
すぐそこだよ。」
へえー!白い紀州犬なんていいなあ 💛
コロコロした真っ白な子犬を想像して、
ワクワクしながら助手席に座って15分程走った。
ところが夫の友人が見せてくれたのは、
想像したのより大分成長した
人間なら中学生くらいかと思われるメス犬で、
ちょっとガッカリした。
おまけに、なんと!
「こいつはなんか自分勝手なヤツでさ、
言う事は聞かないし隙見て逃げて
なかなか戻って来ないんだ。
母親もそういうヤツでな。
これしか残ってないんだけど
これでいいかい?」
だって!!
「いいかい?」って・・・・・
いいワケ無いでしょ!と思ったのに、
夫はいとも簡単に「ふーん、いいよ。幾らだ?」
なんて!
私は心の中で叫んだ。
エーッ!そんな犬 ムリでしょーお!
隙見て逃げちゃう犬なんて
困るでしょう!
可愛くないんじゃない?
夫の友人「いいよ、只で」
エーーッ、
只でいいって、
売れるだけの価値が無いってことなんじゃない?
友人「血統書も申請して無いし」
夫「そうか? じゃあ貰うよ。」
私(はーあ?)
友人「そうか、よろしくな」
というわけで
その
《自分勝手で言う事は聞かないし隙見て逃げて
なかなか戻って来ない犬》
というのを貰うことになってしまった。
((+_+))
ワンコを夫が抱いてふたりで車まで歩きながら
私はまだ納得しかねる。
「イヤだなあ、大丈夫なのお? 勝手な犬だってよ?
ねーえ!
隙見て逃げちゃうって言ってたでしょ?
困るよお。どうするのお?
なんか可愛くないんじゃない?」と私。
「大丈夫さ、見てろ
俺には自信がある」と、ヘンな返事。
どんな自信よーお ((+_+))
夫が一旦決めたら私が逆らっても無駄だってことは
よーーーく解ってるので、
シブシブ運転席に座った。
ワンコを夫が抱き上げて助手席に座りドアを閉めると、
「キャイ~ン」と鳴いて夫の手を噛んだ。
「イテ!」
私「アッ!ドアにシッポ!」
夫が慌ててドアを開けると、
ワンコはおとなしく黙った。
きっと毛先が挟まっただけだったのだろうと思ったのだが、
この時シッポの先1センチ程が折れ曲がってしまったのだと
何カ月も後になって気付いた。
((+_+))
可愛そうなことをしてしまった。
シッポの先って折れてもズキズキ痛まなかったのかなあ?
よくおとなしく黙って座ってたなあ・・・・
途中で首輪と鎖を買った。
我が家に着くと、
夫は
「じゃあそこら辺に繋いどいてくれ。
俺は犬小屋作る」と、
材料を揃えに出かけてしまった。
傍の木の幹に繋いだら、
心細げに キューン キューンと鳴くので、
「ヨシヨシ、大丈夫。
今日からここがオウチよ。
大事にしてあげるから。」
頭をなでて私がそう言うと、
ナント、
意味が解かったみたいにおとなしくなった。
アレ? 💛
なんだか急に愛おしくなって、
ワンコの頭から背中までをナデナデしたら、
ワンコは私の手を舐めてくれた。
💛 💛 💛
何時間経っただろうか
(この間の事は何にも記憶が無い)
出来上がった犬小屋は、
青いトタン屋根の
カワイイおうちだった。
要らなくなったベビー毛布を小さく畳んで
きっちり敷き詰めると、
夫
「おい、おまえさんのうちだぞ。
いいだろ。入ってみろ。」
ワンコはハウスの入り口で「フンフン」としてみて、
ソロソロと中に入り、
クルクル一回りして座った。
「へえー、気に入ったみたいね!」
なんだか賢そう
私はすっかりこのワンコが可愛くなってしまった。
つ づ く
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