大家として、こんな提案受けたらどうしますか?

先日お受けしたご相談は、
いつもと少し毛色が
違っていました。


「今、賃貸で借りている部屋を
 購入することって
 できるのでしょうか?」


という内容です。


つまり、今払っている賃料と、
支払額があまり変わらない
のであれば、今の場所に
住み続けながら買いたい、
という内容です。


リースバックという仕組みの
認知度があがってきていますが、
その反対です。


もしあなたが、
このような話を、借主である
入居者さんから受けたら、
売りたいと思いますか?


もしあなたが、
今賃貸にお住まいだとしたら、
貸主である大家さんに、
このような話を持ちかけたいと
思いますか?


今回の話は、
借主である相談者様が住まいとして、
その場所を本当に気に入り、
長く住み続けたい想いに
なられたからこそ、だと感じます。


その意味で言えば、
貸主である大家さんにとっては
物件冥利の嬉しさを感じますよね。
気に入って頂ける住まいを
提供できていたのだ、という意味で。


私自身が、大家の立場で、
もしそういう話をお受けしたら、
という私見ですが、


「年間賃料の15年から20年
 くらいの価格を示されたら、
 検討しても良いと感じるかも」


と、ご相談者の方には
お伝えしました。


立地によっては、
手放さずに持ち続けたい物件も
ありますし、もう少し低い価格でも
手放しても良いという物件もある。


など、大家さんによって考え方は
それぞれ違うので、一概には
言い切れないですけれど、
とも付言しながら。


ただ、本当に検討したいのであれば、
まずは
「その意向を伝えてみること」が
何よりも大切だとはお話しました。


今回の不動産に限らず、
何事においてもそうですが、
思っているだけでは相手には
伝わらない。ダメ元でも、
言葉にして伝えてみなければ、
何も変わらないし、状況が
動くことはないからです。


もしかしたら、売却のつもりは
まったくないような方でも、
入居者さんからの意向を踏まえて、
もしかしたら譲っても良いという
気持ちになるかもしれないからです。


そこで、実現できるかは未知ですが、
どんなステップで進めていくのが良いか、
現時点では何ができるか、を
相談者さんと一緒に考えてみました。


検討する中で、
最初のステップとしては、


「大家さんにお手紙を送るのが
 良いのでは?」


という話に。


内容に関しては、慎重を期す必要は
ありますが、


「今借りて住まわせて頂いている部屋、
 物件に対して、どれだけ愛着があり、
 気に入っているか。
 そこで過ごせていることへの
 感謝の気持ちを、
 ふんだんに手紙にしたためる。
 そして、その愛着のある想いを
 末永く味わいたいので、もし可能で
 あれば、譲って頂けませんか?」


のような流れで、
手紙を書いてみるのは、
どうでしょうか?という内容です。


借主さんから、そういう内容の手紙を
受け取る大家さんなんて、
なかなかいないと思うので、
面食らうかもしれませんが、
愛着をもって借りて住んで頂いている
想いを直接目にすることができる
という点で、
悪い気はしないと思うのです。


その手紙をお送りしたからと言って、
お返事を頂ける保証もありません。
仮にお返事を頂けたとしても、
「ごめんなさい、
 売却するつもりはありません」
という返事が届くかもしれません。


その時は、それはそれで、
やることをやった上での
結果なので、致し方ないと思います。


やらずに後悔するよりも、
行動を起こした結果であれば、
気持ちの面ではすっきりと
できると思うからです。


では、もし検討しても良いという
好意的なお返事を頂けた場合。


その場合は、


「どうして譲っても良いという
 想いになられたのか?」


という理由、お気持ちをヒアリング
してみる流れが良いのでは、と
考えました。


不動産は各物件に所有者がおり、
お考えや現状などは様々です。


だからこそ、もし手紙を受け取られて、
気持ちが動いたのであれば、
何かしらの理由やご事情が
あるはずです。


「年を重ねてきて、物件の管理が
 わずらわしく感じ始めていた」


とか


「相続のことを考えた時に、
 子供たちが揉めないように、
 金融資産にして、
 円満に分けられるように
 しておきたいと考え始めていた」


とか


「子供の学費にあてる、
 まとまったお金を
 用立てたいと思っていた」


など、理由は考えていけば、
いろいろと思いつきます。


こちらの想いを伝え、
大家さんの想いも聞くことができた。


大家さんの想いも踏まえて、
本当に譲って頂けそうだ、となった時に
初めて、価格のお話を持ちかけて
みるのが良いのではないか。


そして、その時は、こちらから、
最初に希望の価格を伝えるのが
良いのではないか、と考えてみました。


もともと、売りたい想いはなかった
大家さんなので、売るとしたら
いくらになるのか、などは
意識していなかったと思うからです。


こちらの提示した金額を
受け入れて下さるかもしれませんし、
こちらの提示した金額を踏まえて、
交渉が始まるかもしれませんが、
あとは、落としどころを
どこにするかは、話し合うしか
ありません。


そして、価格面での折り合いが
つけば、売買契約、ローンの手続き、
登記の手続きなどが必要になってきます。


契約は双方が合意すれば
取り交わしもできますが、
不動産の場合、価格も高額になりますし、
慎重に進めた方が良いと思うので、
そこからは、第三者である不動産会社の
担当者に入ってもらい、手続きなどを
進めた方が、後々の問題も起きにくく、
身を守ることにもつながるのではないか、
とも話しました。


今回は、いつもとは毛色の変わった
ご相談内容だったこともあり、
あなたならどう感じるか?
ということも伺ってみたい、
という気持ちも込めて
お伝えさせて頂きました。


なかなかないケースだとは思いますが、
もしあなたが、
貸主である大家の立場、
借主である入居者の立場だったら、
今回の話をどう感じられるか?


もし良かったら、忌憚ないご意見、
ご感想など聞かせて頂けましたら
嬉しく思います。

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