『後ろにいる者』ジャンル:ホラー
仕事を終えた私は、自宅に向かって歩いていた。
駅から10分も歩くと、街灯も少なく人気もほとんどない住宅街に出る。
国道の方から時折聴こえる排気音が響く夕闇の中で、背後に気配を感じた。
少し恐怖を覚えた私は背後を一瞥した。20m程後ろにフードを被った男が歩いているのが見えた。少し駆け足気味で歩くと、男も着いてきた。
そんなに速く走っているわけではないが、男と私の距離は縮まない。
曲がり角に差し掛かり、そこから少し進んだところで、あの男が私を呼び止めた。
恐怖で固まってしまったが