『すずめ句会』

10月24日
『すずめ句会』@梅ヶ丘Botany

 ひだりききクラブのすずめ園さんが主催する自由律俳句会『すずめ句会』に行ってまいりました。
 会場は梅ヶ丘のBotanyというおしゃれなカフェ。ちょっと早めに到着して椅子席に座れたけど、徐々にお客が集まり最終的には立ち見になる盛況。

 句会らしく短冊が配られ、『光』というお題で投句に挑戦する。お互いの顔が見える場で作品を発表するの初めてで緊張。自分にとって光といえばアイドルなので、どちらもアイドルを詠んだ2句を作りました。
 

しかめた顔さえ眩しい

もう青く光らないペンライトを鞄に入れる

 ひとつめの句はアイドルがネットにあげる眩しそうな半目の写真が好きだ、という性癖告白でした。アイドルって半目の写真あげがちですよね、とすずめ園さんからコメントいただけて、さすが元アイドル。

 2句めについては後になって気づいたのだけど、「ペンライトを鞄に入れる」だと単純に使い終わって鞄にしまって帰る、という解釈をされそうだなと反省。メンバーカラーが青の推しメンが脱退してペンライトをもうその色に光らせることはないけど、グループ自体は好きだからペンライトを持ってライブには行く、という句でした。
 「もう青く光らせることのない」にするとか、「ペンライトを持っていく」とかにして引っかかりを生んだほうがよかったのかな。

 観客として来場されていたせきしろさんのお知り合いの方が、作品を添削してもらっていてとても羨ましかった。
 その方とはすこしお話しさせていただいたのだけど、せきしろさんと町田康さんのトークイベントにもいらしていたことが判明。こういう偶然はうれしいものです。
 今回、他の参加者の作品への感想を話す機会があまりなかったので、次回はもうすこし感想を聞いたり話したりできるといいな。

 他の参加者の方もそれぞれ魅力的な句ばかりで、中でも篠田真さんの短歌作品がとても好きでした。
 自分も視力矯正する前、わざとメガネを外してぼんやりした視界を歩いて、孤独な自由を感じてみたことを思い出した。「帰り道」というのも印象的で、やらなければいけないことから解放された身軽さを感じました。

 イベントの終盤で、せきしろさんが考案した「尾崎放哉ゲーム」のコーナーが行われ、これがものすごく面白かった。
 『咳をしても一人』の「咳」が虫食いになっていて、いちばん孤独を感じるワードを当てはめた人が優勝、という大喜利ゲーム。
 参加者がカードに記入したワードを入れながら、ひとつひとつに丁寧にコメントしながら紹介していくすずめ園さんがフリップネタを披露するピン芸人みたいになっていて、かわいくも面白かった。
 『屁をしても一人』というネタに、「これは『咳をしても一人』に近いですよね。こっちから出るか、こっちから出るかの違いだし。屁のほうが孤独を感じる人もいるかもしれませんね」とか話していて、せきしろさんから「そんなに引っぱらなくていい」とツッコミ入ってて笑った。
 すずめさんが共感できないものがいちばん孤独という審査基準で、優勝は『組体操をしても一人』でした。
 自分は『黒ひげ危機一発をしても一人』『わんこそばをしても一人』の二つを投稿して、「黒ひげ危機一発は一人でしますよね」「わんこそばしてみたい、一人で」とどちらも共感していただけたため優勝はできなかったけど、ほんのり孤独が和らいだ。自由律俳句で孤独を詠むことの本質に迫ったような気もしたけど、大袈裟になるからやめておく。

 緊張しすぎてあまり交流はできなかったけれど、たいへん楽しく有意義な句会でした。第2回をやる際も絶対に参加希望。

 レーシック済みの目で歩く帰り道、『期日前投票をしても一人』を思いついた。瞬発力が足りない。

 

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