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『こんば』
『おっ、何の用だ』
『お前の家って発泡スチロール有り余ってる?』
『こわ』
『なに』
『今日親父が蟹もらってきて、処理に困ってる』
『あのさ、明日の帰りに受け取りに行っていい?』
『魂胆を聞こうか』
『みかんの皮の汁で溶けるらしいんだわ』
『……試すの?』
『試す』
『なるほど』
『これは納得のいく魂胆だった?』
『理解はした』
『へぇ〜』
『じゃ、大きめの袋持ってこいよ』
『りょーかい』
〜次の日〜
「いやー、悪いね」
「まぁうちも困ってたしWin-Winってことで」
「ありがてぇ。で? 解説はしてくれるの?」
「え、は、は?」
「実況は俺がするけど」
「うん、えっと、は?」
「お前、興味ないの?」
「興味、は、ないねぇ」
〜数時間後〜
「お邪魔します……」
「やっぱ実況解説そろってこその発泡スチロール溶解選手権だわな」
「もうわかんねぇよ、お前のことも俺のことも」