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「とんがりコーン」
「ですね、これは」
「指に、はめる」
「よくあるムーブ」
「この行動に意味を見出せなくなったら、大人になったってことなのかな」
「突然何?」
「子供は無邪気だよ。全力でやるもん。これ」
「やるけども」
「でももう俺は『いちいちワンクッション置く意味は?』とか『最後の2本ぐらいがはめにくい』ぐらいしか思えないのよ」
「でもまだお前はぎりぎり子供だから、それは絶対条件じゃないっぽいね」
「え、じゃあお前は? これに意味あると思う?」
「意味を求めてやるよりも楽しいかそうでないかぐらいのものじゃない?」
「あ、やったことはあるんだ」
「やるよ。悪魔の爪みたいなのを選んで」
「あっ、そうだったね」
「見てないくせに何をわかったように」
「悪魔とか神とか好きそうだもんなぁ」
「あーダメだお前の中で俺って石蹴りとかはしないけどファンタジーが掛かればなんでもするやつみたいになってんだろ」
「なってる」
「印象の是正が必要だ」