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「あ」
「ん?」
「指ポキポキじゃん」
「何そのコミカルな響き」
「音が痛いからコミカルにしてんだよ」
「え〜お前めっちゃしてそうじゃん」
「自分の体が大事だから絶対にしません」
「何? 指鳴らすのは飲酒かなんかなの?」
「得るもんねぇじゃん! その点で言えば酒より厄介でしょ」
「そうかなぁ」
「あーほらまた鳴らす!」
「いいじゃんそれぐらい」
「将来指が麻痺しても知らないからな」
「なんでそこまで介護されてる前提なんだよ」
「年老いたとき俺の方が元気だからだよ」
「でも俺の方が頭はいいと思うよ」
「でも直感じゃ負けないよ」
「直感で介護されたくないな」
「よーしやるぞやるぞ〜っつって」
「気合入れるために指鳴らすんだろ?」
「そんで俺の指が麻痺してお前が介護するんだよ」
「それ俺が指麻痺してる時点でループの種消えてるからな。考えて喋れよ」
「あ、そうじゃん。指ポキやめろよ」
「やだよ」