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「手ェ出せ」
「い、いやだよ。なんだよ」
「手相を学んできた」
「どこから」
「なんとかってサイトから」
「自分の知識の出自ぐらい自信を持って言えてくれ。どうせあれだろ、生命線が短いので寿命が後5秒ですボーンとか言うんだろ」
「馬鹿にされてる？」
「明確に」
「ギャフンヌと言わせてやる」
「それは言いそうにないな。ほれ」
「あ〜〜〜〜そうね〜〜〜〜〜」
「ほとんどノールックで納得されても」
「開運の時は近いよ」
「なに、どういうこと」
「ある日を境にめっちゃ運が良くなっていい人生が歩める」
「へ〜、それどこ見て言ってんの」
「これ」
「それ頭脳線な。長けりゃ長いほど直感型なんだよ」
「は？　いやじゃあお前ちょっと太るよ」
「どこが根拠？」
「これ」
「それはソロモンの環。願いが叶う前兆なんだってよ」
「はぁ？　お前、昔好きだった人と再会するよ」
「これ見て言ってる？」
「そう」
「これ見て言ってる？」
「そうだよ」
「本当にこれ見て言ってる？」
「そうだってば」
「残念これはオタク線だよ。自分の世界に没頭しやすいんだって」
「なんでお前詳しいの！？」
「なんでお前そんな当てずっぽうで自信満々なの？」
「戸惑うかと思うじゃん」
「戸惑わないよ。俺の暇つぶし術嘗めるなよ。ネットに浮いてる占いぐらいなら大体できるっつの」
「くっそ〜……」
「あれ言わないの？」
「あ？」
「ほら、なんだっけ？　ギャ、ギャ……」
「ギャフンヌ！！　これで満足か！」
「っはー、適当なお遊び野郎へのカウンターって気持ちがいいな」