「うちの猫がさ」
「うん」
「喋るんだよね」
「うん?」
「ご飯の時は『ゴハァ〜ン』って」
「気のせいでは」
「証拠あるよ、動画見て」
「見る」
『マチ〜、どしたの〜?』
『ォヤ〜ン』
『そっかぁご飯かぁすぐ用意するからね〜』
『アャ〜オ』
『ご飯言えたね〜偉いね〜よしよしよしよしよしよし……』
「ほら」
「びっくりした、思ったより幻聴聞こえてるよお前」
「んなわけないでしょ」
「およそ発音できない文字で鳴いてた。てか猫って鳴き声こんな自由なの?」
「自由だからこんなはっきり『ゴハァ〜ン』って言えるんだよ」
『ォヤ〜ン』
「『ゴハァ〜ン』どころか『ニャ〜ン』ですらないけど。あとさ」
「なんだよ文句ばっかりだな。なんだよ」
「猫にデレデレのお前の声聞くの結構キツい」
「これはまた……キレのある講評ですこと」