『科学的な適職』/鈴木祐
お金とか恋愛とか、人間いろんな悩みはあるけども、「対時間」という意味では、2020年5月現在では仕事に使う時間が一番多いわけで、「適切なキャリア」を選択するということがとりわけ人生で大事になってくる。
ダイエットもそうだが、「科学的なアプローチ」をきちんと理解し、「世界中の研究者による実験結果・研究論文」を活用し、巨人の肩の上に乗って生きていくことが大事だなと思う今日のこの頃。
現在、仕事選びにおいて「7つの大罪」があると本書では説く。
仕事選びにおいて「7つの大罪」
(1)好きを仕事にする
(2)給料の多さで選ぶ
(3)業界や業種で選ぶ
(4)仕事の楽さで選ぶ
(5)性格テストで選ぶ
(6)直感で選ぶ
(7)適性にあった仕事を求める
これらは全て誤った幻想であり、そうではなく以下の「仕事の幸福度を決める7つの徳目」を意識することが大事だ。
仕事の幸福度を決める7つの徳目
(1)自由(仕事のコントロール権)
(2)達成(フィードバックシステムの有無)
(3)明確(タスク、ビジョン、評価の明確さ)
(4)多様(プロジェクト全体への関与)
(5)焦点(モチベーションタイプ)
(6)仲間(ソーシャルサポートの有無)
(7)貢献(他人へどれだけ役立っているかが目に見える)
またブラック職場と呼ばれる「最悪の職場」は受動喫煙よりも体に悪いという結果もあり、そのような職場を避けなければ非常に危険である。本書では、職場の「8大悪」を悪い順に以下のように定義している。ぜひ参考にしてみて欲しい。
職場の「8大悪」
(1)ワークライフバランスの崩壊
(2)雇用が不安定
(3)長時間労働
(4)シフトワーク
(5)仕事のコントロール権がない(裁量権)
(6)ソーシャルサポートがない(社内での出世競争が激しすぎる兆候、フィードバックが管理職任せ、健康維持のための補助金システム)
(7)組織内に不公平が多い
(8)長時間通勤
シフトワーク、長時間通勤、長時間労働など。私自身も思い当たるところがあり、プライベートで仕事のことを考えただけでも私たちの幸福度が激減してしまう。休日に上司が普通に連絡してくる会社や休暇中の仕事が当たり前な文化を持つ企業は避けるべきである。
結局、幸福な仕事を探すためには、以上述べてきた
(1)仕事の幸福とは関係ない要素(7つの大罪)
(2)仕事の幸福に繋がりやすい要素(7つの徳目)。
(3)仕事の幸福を破壊する要素(職場の8大悪)
これらをしっかりと評価する必要がある。
これらを分析する手法として、本書では、プロコン分析、マトリックス分析、ヒエラルキー分析を提案しているが一番精度の高違法法としては重要度の掛け合わせで算出できるヒエラルキー分析だろう。
バイアスを取り除くための4大技法
転職も恋愛も何でもそうだ、全ての人間は生まれながらにバイアスを持つため、これに気付き、意思決定を見直す必要がある。分析するにはバイアスを取り除く作業が必要。バイアス対策としては以下がある
(1) 10/10/10テスト
「この選択肢をしたら10分後、10ヶ月後、10年後にはどう感じるか」を考える。
これは意外に有効で、私の場合、10年後を考えたら今の職場には絶対いれないと感じている。
(2) プレモータム
敗北の想定(最悪を想定する)→原因の探索(その原因を辿る)→過程の想起(失敗に至る過程を考える)→対案の考案(失敗しないためにはどうするべきか)
(3) イリイスト転職ノート
1日15分、自分がその日行った職選びに関する意思決定の内容を三人称で書く
(客観的になることで冷静になれる)
(4) 友人に頼る
360度フィードバック、クローズドクエッション、親友イメージングを活用
他人に頼るのが結局は一番良いバイアスを取り除く手段だったりする。近すぎず、遠すぎない程度の友人が良いらしい。が、とりあえずどんな友人でも自分よりはマシだと思う。
この本を使って、私自身は転職にトライをしようと思っている。
ダイエット同様、うまく転職できたらnoteでも報告してみたい。
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