ボードゲーム『まじかる☆キングダム』拡張第二弾『パネテリア王都争乱』全収録カードを完全公開して解説します
こんにちは。MAGIのイノモトショータです。『まじかる☆ベーカリー』シリーズというボードゲームを制作しています。
2022年4月下旬に発売予定の『パネテリア王都争乱』は、『まじかる☆キングダム』の拡張第二弾です。本記事では以下について紹介したいと思います。
『パネテリア王都争乱』のテーマ
『パネテリア王都争乱』のテーマは「王国の内乱」です。事件の発端は、世に災禍をもたらす魔導書が収蔵されている「禁断の魔法研究所」でのこと。女王コロネリアのパン屋時代の部下だった魔法少女ロールは、そこで「禁忌の魔導書」を研究していましたが、心の中にあるわずかな邪悪な心につけこまれ、「災厄の魔女」へと変貌し、その膨大な魔力をもって王都を破壊しはじめました。女王コロネリアはこの危機を脱するため、神の力を借りに神界へと向かいます。
『パネテリア王都争乱』のシステムコンセプト
『パネテリア王都争乱』のシステムコンセプトは「破壊と再生(スクラップ&ビルド)」です。
キャラクターカード、マーケットカードともに、自分が一度設置したマーケットカードを破壊する(捨て札にする)ことにより大量のパワーがもらえるカードがキーとなります。
破壊するマーケットカードは、そのカードの効果を使用してから捨て札にできるため、タイミング、タイミングでインスタント的にカードを設置し、効果を使用し、破壊してパワーに換える、といった臨機応変さが求められます。
本拡張をおすすめしたい方、おすすめしにくい方
本拡張をおすすめしたいのは、以下のような方です。
一方、本拡張をおすすめしにくいのは以下のような方です。
全収録カード一覧
ここから先は、「パネテリア王都争乱」に収録されているカードをすべて紹介していきます。
キャラクターカード(4種類)
災厄の魔女 ロール
今回の主人公は、女王コロネリアがパン屋時代にバイトとして雇っていた魔法少女ロールです。彼女は「禁断の魔法研究所」でとある魔導書を読んでいる最中に、心の中にわずかにあった邪悪な感情(コロネ店長にお給料を要求した)につけ込まれ、「災厄の魔女」へと変貌してしまいました。
ロールはマーケットカードを捨て札にすることで、大量の魔力を獲得することができます。設置しやすい「魔導書」を大量に設置し、使い捨てるかのように魔力に変換していく姿はまさに魔女といえるでしょう。
聖天の女王 コロネリア
「災厄の魔女」と化したロールを救うため、女王コロネリアは天界に上り、神の力を借りました(返すとは限らない)。
神の力を手にしたコロネリアは、サイコロを1つ使用済みにすることで、好きなパワーを3つ得ることができます。強大なパワーに勝てるのは、さらに強大なパワーのみ、という彼女の思想が具現化されたものでしょう。シンプルにして強力なコロネリアの能力をご堪能ください。
円環の聖騎士 フラン
女王の盾としてコロネリアを守り続けるフラン。彼女も新たな能力を手にしました。
フランの能力では、設置済みのマーケットカードを1枚捨て札にすることで、手札にあるそれと同じVPか±1VPのマーケットカードを一切のコストなしに設置できます。これにより、設置条件が難しいカードを早いターンで設置したり、一度しか効果が使えないマーケットカード(設置時に即時発動など)を使った後に、そのカードをVPの多い別のカードに入れ替えてしまうなど、俊敏でテクニカルな戦術が可能となるでしょう。
神託の精霊術士 クロワ
コロネリア女王の元を離れ、世界中を放浪していたクロワ。彼女は成長し、精霊術士として新たな能力を開花させました。
クロワはオープンマーケットに並んでいるマーケットカードを、手札に獲得することなく直接設置することができます。すなわち、オープンマーケットはクロワの手札と同義といえます。縦横無尽に、ハイスピードに設置を進めていきましょう。
マーケットカード(15種類)
占いの館
50%くらいの確率で当たると評判の占い師のいる館です。
マーケットカードの山札から2枚獲得し、1枚を捨て札とします。「教会」と効果は似ていますが、こちらは一時的に2枚獲得できるので、必要なカードを得られる可能性は高いです。
転売屋
物を転売し、利益を得ることを生業としています。
「パン屋」などと比較すると設置コストは高いですが、お金を2つ獲得でき、次のプレイヤーが必要そうなオープンマーケットのマーケットカードを捨て札送りにすることができます。
荒らされた墓地
治安の悪くなったパネテリア王国では、墓荒らしが横行しました。
このカードはマーケットカードの捨て札置き場から好きなカードを発掘することができます。マーケットカードを捨て札にする行動の多い今回の拡張とは相性が良いです。
魔法道具屋
とある魔女が作った不思議な魔道具を販売しているお店です。
お金、権力、魔力をそれぞれ1つずつ獲得することができます。設置にサイコロが必要ないので、パワーを多めに扱えるキャラクターと相性が良いです。
女王のなみだ
コロネリア女王は涙を流すことはありません。この宝石は別名「女王のなみだ」と呼ばれている植物をモチーフとしています。
パワーを直接VPにすることができるので、パワーを大量獲得する手段を確立できれば、強い力を発揮するかもしれません。
闇堕ち貴族
災厄の魔女はその魔力で、貴族たちをも闇堕ちさせてしまいました。
賄賂に手を染めた貴族たちにマーケットカードを渡せばVPを獲得することができます。マーケットカードを大量に獲得できる手段があれば、どんどんVPを稼ぐことができそうです。
破壊された女王像
災厄の魔女が街を破壊する混乱に乗じて、女王像を破壊する国民も現れてしまいました。
このカードは「設置したマーケットカードの種類」によってVPが増えます。もしこの能力を活かそうと思うなら、序盤からたくさんの種類のマーケットカードの設置を狙った方がよさそうです。
パネテリア動物園
パネテリア王国に新たなるテーマパークが誕生しました。パネテリア動物園です。ほかの国では見ることのできない不思議な動物が展示されています。
動物たちは雑食なので、なんでも食べます。手札から好きなカード(種類は問わない)を2枚まで捨て札にし、捨て札にした枚数分のサイコロパンカードを獲得できます。
カネルブッレ金融
錬金術師「ソフィ=カネルブッレ」が設立した銀行です。
お金を預けることによりどんどん増えていきますが、預けるだけ預けて使わないまま死ぬ人も多いと聞きます。
ガトリング騎士団
ライスル帝国の戦いでガトリング砲を学んだコロネリアは、フランに命じて「ガトリング騎士団」を編成させました。パネテリアのガトリング砲は魔導弾仕様となっています。
設置には大量のパワーとサイコロが必要ですが、1と6の目が出たらパワーを獲得できる、その力は絶大です。
崩壊した魔力炉
暴走したロールの攻撃により、パネテリアの魔力炉は崩壊し、ロールは放出される魔力を吸収しました。
このカードは別のカードを捨て札にすることで、そのカードの設置コスト欄のパワーの3倍を獲得することができます。「いつ」「どのカードに」使用するかがポイントとなります。
呪縛の水晶髑髏
強い力を得られる代わりに破壊衝動に駆られるといわれているクリスタルスカル。
このカードを捨てない限り、永遠に自分のマーケットカードを破壊し続けますが、その代償として多くの権力を得ることができます。
ダークコッペン
災厄の魔女が呼び出した闇に堕ちた精霊。「俺の身体を食べてみるペン!」とその身体を食べさせようとしますが、ものすごく辛いため、とても食べられたものではありません。
ダークコッペンの主食はサイコロパン。サイコロパンカードを裏向きに置くことによりVPを獲得できます。
スケッパーの魔導書
コロネリアがパン屋の時代に得意だった魔法「スケッパー」を魔導書として編纂したもの。
ターン開始時の効果を使用済みのマーケットカードを使用前に戻すことができます。様々な使い方ができ、とても便利です。
ルヴュールの魔導書
「リッチ」「リーン」「ミキサー」「フィンガーテスト」の4つの魔法を研究した学者が新たに生み出した魔法です。
サイコロの目を1つ好きな目に変更できますが、使用するにあたって魔力を消費します。
レジェンドカードⅠ(3種類)
(カードの枠の黒い部分は実物のカードは金で箔押しされています)
天地開闢のパン屋
パネテリア神話ですべてのはじまりとされているパン屋。世界のはじめにパン屋があり、そこから天と地が生まれたと言われています。
このカードは設置済みの「パン屋」のお金の獲得数を増やすのみならず、「パン屋」を設置している枚数に応じてVPが追加されます。
英雄神話の酒場
かつて大地にて生まれた英雄は、フランスパンを片手に神殺しを行おうとしました。この酒場はかつて英雄と神が争った場所に建てられたと言われています。
このカードは設置済みの「酒場」の権力の獲得数を増やすのみならず、「酒場」を設置している枚数に応じてVPが追加されます。
世界豊穣のケーキ屋
その昔、天より光が生まれたときにはじめて照らされた場所に、世界の豊穣を司るケーキ屋が建てられたといいます。
このカードは設置済みの「ケーキ屋」の魔力の獲得数を増やすのみならず、「ケーキ屋」を設置している枚数に応じてVPが追加されます。
レジェンドカードⅡ(3種類)
(カードの枠の黒い部分は実物のカードは金で箔押しされています)
幻虹竜
その咆哮を聴いた瞬間に絶命してしまうと言われている竜。最近になってパネテリア王国内で目撃されたとのうわさがあります。
このカードは所持しているパワーの種類に関係なく3つで1VPとなりますが、設置にも相応のパワーを要するため、かなりパワーに特化することが必要です。
禁断の魔法研究所
魔法大国パネテリアの中でも、特に機密とされている禁忌の魔法について研究している研究所。かつて世界を恐怖に陥れた数々の魔女が封印されている魔導書も所蔵されています。
設置済みの「魔導書」1枚につき2VPとなりますが、本拡張では魔導書は捨て札になることが多いため、何らかの策を講じなければなりません。
天へと至るエスカリエ
神の国へと至る天国への階段。コロネリア女王は神の力を借りるためにこの薄く脆い硝子の階段を上りました。
このカードは設置済みのマーケットカードの数によってVPを獲得します。設置コストが少ないカードを大量に設置することが戦略的に求められます。
さいごに
今回も引き続き、素晴らしいキャラクターデザインとアートワークは、まじかる☆シリーズをずっと制作いただいているぬるぴょさんに引き続きご担当いただきました。
また、キャラクターイラストはまじかる☆キングダムでも綺麗なイラストを描いていただいた城谷しおさんにご担当いただきました。暴走したロールちゃんを含め、さらに個性が際立つキャラクターを描いて下さり、お二人とも大変ありがとうございます。
そして、本記事のアイキャッチにもなっているライスル帝国のコンセプトアート、マーケットカード、レジェンドカードのイラストは、引き続きDucQrewsさまに制作いただきました。パネテリア王国の世界を、美麗に深く描いていただきありがとうございます。
最後に、まじかる☆ベーカリーシリーズを支えてくださっているファンの皆さま、いつも本当にありがとうございます。この『パネテリア王都争乱』をまぜて、みなさまそれぞれの王国の物語を創り上げてくださることを楽しみにしています!
まじかる☆ベーカリーシリーズ
イノモトショータ
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