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ナイジェリア国鉄旅 5

第4章 イロリン〜ニジェール川〜モクワ

イロリンを9:50に出発、1時間ほど走ったところで今は使われていないJODOMO駅跡地に停車した。どうやらもう一台のファーストクラスA号車のエアコンが壊れてしまったとのこと。どう見てもメカニックに見えない同乗している専属メカニックの兄ちゃんが、一本の棒を持ってA号車の屋根に登り、ぶっ叩いたり、穴に棒を入れて、エアコンの室外機(?)をザクザク ザクザク突っついている。お見事、無事に治ったようで15分後に再出発。

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あたりの景色はたくさんのイナゴ豆の木とたまに見るマンゴの木、その他は畑だと思うのだが、特に何も栽培されていないただの露出した土が延々と続く。地図上ではそこそこに大きい河川も完全に干上がっており、作物が作れない環境なのだろうか。

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遠くにはフラニ族の村が見えてきて、2年前に彼らの食生活調査で丸4日間彼らと過ごしたこと、そして家族同様に扱ってくれたことを懐かしく思い出した。ニジェール側の南側にもフラニ族エリアがあることは知らなかった。あの作りたてのチーズをまた食べたいなぁと遠い目をしていると、列車は次の駅跡におもむろに停車した。どうやら駅間が長いので、おしっこ停車なのだろう。

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私も早速下車すると、先頭の気動車の運転手が放尿中だった。とそこに売り子のおばちゃんが何やら見慣れないものを売りにきた。見たところアカラというペースト豆のフライのようだが、ワラという名前だという。しかも一つ50ナイラ(16円)と、結構高い。早速一つ買って口にしてみると、なんとフレッシュチーズのフライだった。そうか、フラノに放牧牛のミルクから作ったフレッシュチーズだ。よもやここで出会えるとは感激だ!

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列車は昼過ぎの13:24にジェバという駅(488km 43% 21時間)に停車した。ジェバはニジェール川のほとりにあり、ヨルバ族のほぼ北限の小さい村だ。駅の構内にはイギリス植民地時代の鉄道で活躍したと思われる蒸気機関車が展示されており、機関車の隣にはマンゴ・パーク氏の遺物が展示されていた。私も今回初めて知ったのだが、マンゴ・パーク氏とはスコットランド出身の探検家で1800年代にアフリカ人以外で初めてニジェール川を発見した人らしく、マリとかブルキナファソからニジェール川を下り、ここジェバで船がが座礁、亡くなったらしい。その偉業をたたえて、座礁した船のスクリューを展示してあるのだが、申し訳ないがどう見ても粗大ゴミ置き場にしか見えなかった。

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10分後の13:35、もはや珍しくもなんともなくなった腐った放置車両を横目に、いよいよアフリカ3番目4200kmの長さを持つニジェール川横断に向けゆっくりと走り出した。さして車窓の大きいイベントがないこの旅での最大のクライマックスともいえる大河の横断だ。私の人生で見た中でも、アマゾン川に次いで2番目に長い川なので、このスピードでは5分くらいかかる長い鉄橋なのだろうか?否応無しに期待は膨らんでくる。

13:37ついにその時がやってきた。おーニジェール川!おー。と思ったのもつかの間、あまりにもあっけなく1分で渡りきってしまった。いやいや渡りきってもここは中洲だ。中洲を過ぎれば、次が本流なのかもしれない。きた!ん?ん?え?これは多摩川以下?

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期待が大きかった分、なんか脱力感。

そして列車は相変わらずほぼ時速40kmで走り続け、14:52にモクワという駅(528km 47% 23時間)に到着した。

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まだ半分来ていないのか。

第5章 モクワ〜ミナ

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