健ちゃん

世界各国のゼロからの食品開発を得意とする辺境サラリーマン技術者。 駐在経験国:ペルー・…

健ちゃん

世界各国のゼロからの食品開発を得意とする辺境サラリーマン技術者。 駐在経験国:ペルー・ブラジル・ナイジェリア。 訪問国:54か国(うちアフリカ19か国)。 2020年に31年3ヶ月勤務した味の素株式会社を退社、次の海外での食品開発のチャンスをうかがっている。

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  • ナイジェリア鉄道の旅

    ナイジェリアにも国鉄があるんです。週に1往復だけするんです。でも観光客、外国人はまず乗らない為、その情報はどこにも発信されることもなくベールに包まれています。おそらく日本人初のナイジェリア国鉄搭乗ルポ、どうぞご覧ください。

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幻のアフリカ納豆を追え!アナザーストーリー

このお話は、高野秀行著「幻のアフリカ納豆を追え!そして現れたサピエンス納豆」新潮社2020年8月27日発売 の第一章を読んでから読まれると、何倍も楽しむことができます。 1.40年ぶりの秀ちゃん「ひゃあ、い、行きたい~」 それは私がナイジェリアから久々に秀(ひで)ちゃんに送ったメッセージに対する返答だった。私はこの好反応にホッとして大きく深呼吸をした。 「ダワダワの製造農家取材、9月の下旬に行ってきま~す。西アフリカ共通のうま味調味料ということがわかって、前から行こうと思っ

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    • 世界各国床屋あれこれ

      今から10年前、2011年9月のある日のことだった。 ブラジルに赴任してはや3か月、先週の家主側との契約書詳細文言修正で交渉不調となり、再びサンパウロでの住まい探しが白紙に戻った私は、未だホテル住まいから脱出できる兆しを見出せなかった。そんな中、川崎の食品研究所からグローバル開発会議の参加案内が届き、10月の2週目には早くも日本に出張しなくてはならなくなった。最近飲み会の度に、ドラゴンボールの頭だとブラジル人(1名)にからかわれていたこともあり、初めてブラジルの床屋に行って

      • 2021年ペルー大統領選の話(決選投票前)

        ペルーの大統領選は決選投票になって、なんかようわからんペルー人と元フジモリ大統領の長女ケイコの決選投票になっている・・・くらいの情報しか持っていない方は多いかもしれない。 しかし実はこの決選投票、ペルー独立以来最大の決選投票で、ペルー国内では国家の一大事なのです。日本に届くニュースだと、背景がよくわからないので、今回はアフリカではなくペルーの話をなるべくわかりやすく書いてみましょう。 ペルー大統領は任期5年で再選なし、選挙の勝利には有効投票の過半数をとることが必要で、1回

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          【動画】ナイジェリア国鉄 ラゴス→カノ(1126km)搭乗記

          先日UPしました、ナイジェリア国鉄旅 全10話を約6分の映像版にしました。NOTEで紹介していない写真や臨場感ある動画を盛り込んでいます。 ナイジェリア国鉄旅NOTEの10話は、こちらから順にご覧いただけます。 https://note.com/magicboy/n/n22c06eab838d

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        • ナイジェリア鉄道の旅
          11本

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          【動画】ナイジェリア国鉄 通勤列車搭乗記

          人口2億人に迫るナイジェリアの最大都市ラゴス 鉄道王国イギリスの植民地であったため、アフリカ一の鉄道網を誇っていたが、老朽化に拍車がかかりいまや崩壊寸前。最低年に3回は脱線&横転事故を起こしています。ナイジェリア最大の貿易港APAPA地区から内陸のAGEGEまで通勤列車に乗ってみました。 「世界の車窓から」ナイジェリア ラゴス編 お楽しみください。 なお、1週間に1本だけ残っているナイジェリア長距離列車の搭乗記(二泊三日)に興味がございましたら、以下のNOTEをご笑覧ください。 https://note.com/magicboy/m/m99648d3649ae また、ナイジェリア国鉄の鉄道博物館はこちらです。 https://note.com/magicboy/n/nae49cfea4c6b

          【動画】ナイジェリア国鉄 通勤列車搭乗記

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          ナイジェリア国鉄 鉄道博物館

          ナイジェリアの国鉄に興味ある方がとても多そうなので、ラゴスにある鉄道博物館をご紹介しましょう。アフリカにも結構鉄道がありまして、日本のブルートレインのモデルとなった、南アフリカの本家ブルートレインからマダガスカルのスマイル列車などがあります。そして鉄道を持つ国には意外にも鉄道博物館があったりします。シエラレオネなどは、鉄道が全廃となった今も、鉄道博物館が残っており、当時の車両がピカピカに磨かれて展示されているんですよ。さて、ナイジェリアの鉄道博物館です。この博物館は、ナイジェ

          ナイジェリア国鉄 鉄道博物館

          ナイジェリア国鉄旅 番外編

          隠された真実旅が終わって知ったことだが、4月19日ラゴス発の私の列車の出発が4時間遅れたことは、先行車両の脱線事故が原因だったのだ。その列車の除去に時間がかかり4時間遅れたと後で知って😱となった。 そして私の乗った列車の翌週の列車でまた事故が起こった。新聞記事によれば牛の大群が線路にいて、そこに列車が突っ込み、先頭車両から5両目までが豪快に横倒しになったのである。Twitterに上がった写真を見て😱となった。私の乗っていたまさにその一等車両も豪快に横転している。一方新聞記事

          ナイジェリア国鉄旅 番外編

          ナイジェリア国鉄旅 9

          エピローグラゴス→カノ間 各駅停車の旅は残り223kmを残して断腸の思いでリタイヤとなったが、その分取り返そうと、ルートを考えた。カドゥナ→ラゴスは飛行機に乗ってしまえばすぐに帰れてしまうのだが、それでは面白くない。 そこで考えたルートは以下だ。 ①カドゥナ→アブジャ 2017年7月開通の高速鉄道🚈 ②アブジャ→空港 2018年9月開通のライトレール🚇 ③空港→ラゴス 飛行機🛩 ①②を乗れば、現在走行しているナイジェリアの鉄道全制覇となるので、そこに目標を変更した。 下

          ナイジェリア国鉄旅 9

          ナイジェリア国鉄旅 8

          第7章 決断ラゴス出発から37時間、Kaduna Junction駅のホーム。時間は午前5時過ぎだがあたりはまだ真っ暗だ。満月に照らされる列車と屋根の上の乗客のシルエットが何気に幻想的で美しい。 ジャンクションということは、別の路線との分岐点という意味なのだが、その路線は何年も前から休止になっていて、実質分岐駅ではなくなっている。ファーストクラスの半分くらいの乗客はこの駅下車ということで、すでにファミリーとなっていた仲間たちと抱き合ってお別れをする。一期一会。 すでにガラ

          ナイジェリア国鉄旅 8

          ナイジェリア国鉄旅 7

          第6章 ミナ〜カドゥナジャンクションMinna駅夜22:30。やばい。どうしよう。大の圧力がやってきた。列車の発車まではあと20分くらいか。トイレはない。わずかばかりの列車の灯りで照らされるホームを離れると完全なる闇だ。選択肢は次の4つ  ①ホームで野糞る ②列車の反対側の退避線の線路で野糞る。③誰もいない奥の真っ暗な所で野糞る。④気合いで我慢する ③は治安的に危ない。サファリの動物も排泄中は狙われやすいと聞いたことがある。安全面から絶対にNGだ。②は列車の明かりに照らさ

          ナイジェリア国鉄旅 7

          ナイジェリア国鉄旅 6

          第5章 モクワ〜ミナここまで23時間かけて全行程の47%。このペースで行くとやはりカノまでは48時間程度かかりそうな勢いだ。ネットやWIKIの33時間という情報はやっぱり嘘だった。やっぱりアフリカ情報は体験しないと真実がわからない。 ラゴスから528kmにあるモクワ駅のホームで、もはやお決まりとなってきた駅名ボードとの写真撮影を終える。駅名一覧ボードも2枚目に入って、終着駅カノにむけて再スタートだ。 思えば、ニジェール川を渡ってからエアコンの効きが悪くなり、車内はムシムシ

          ナイジェリア国鉄旅 6

          ナイジェリア国鉄旅 5

          第4章 イロリン〜ニジェール川〜モクワ イロリンを9:50に出発、1時間ほど走ったところで今は使われていないJODOMO駅跡地に停車した。どうやらもう一台のファーストクラスA号車のエアコンが壊れてしまったとのこと。どう見てもメカニックに見えない同乗している専属メカニックの兄ちゃんが、一本の棒を持ってA号車の屋根に登り、ぶっ叩いたり、穴に棒を入れて、エアコンの室外機(?)をザクザク ザクザク突っついている。お見事、無事に治ったようで15分後に再出発。 あたりの景色はたくさんの

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          ナイジェリア国鉄旅 4

          第3章 イバダン〜イロリン深夜に4箇所ほど停車駅があり、早朝6:27にOffaという駅に着いた(ラゴスから347km 全行程の31%)。この駅では、牽引のディーゼル気動車に燃料を補給するため、1時間以上停車するいう。 列車が到着すると、なんと全乗客が歯ブラシに歯磨き粉をつけて降りていった。なんて用意がいいのだ!歯ブラシなど使う機会がないと持ってこなかった私以外、全員が歯を磨いている。ここ3年思い出してみると、服が超臭い人にはよく出会うが、口が臭い人に出会った印象は皆無だ。てか

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          ナイジェリア国鉄旅 3

          第2章 ラゴス〜イバダンちなみに私は、特に鉄ちゃんというわけではない。日本の鉄道などにはさして興味はなく基本的に移動の手段である。ナイジェリアの列車に乗りたい理由は以下に集約される。 ① 会社のナイジェリア人にも乗った人はおらず、英文ニュースサイトにも全く情報がないので、本当はどうなっているのかという好奇心 ② 列車に乗る客層の生活や習慣の一部を垣間見たい ③ 沿線の景色でナイジェリア人のリアルな生活を感じたい ②③は一言で言えば、仕事の発想のヒントに大いに影響をするいわ

          ナイジェリア国鉄旅 3

          ナイジェリア国鉄旅 2

          第1章 旅の出発はラゴスから2019年4月19日金曜日の朝、どんよりとした空だが雨は降らなそうだ。長旅になることはわかっていたので、家の近くのスーパーで水や多少のお菓子を買い込んで、発車予定時刻2時間前の午前10時にラゴスターミナル駅に到着した。実は一人旅とはいうものの、ナイジェリア国内での私のボディガードである私服警官ローランドも一緒だ。彼は胸板が厚く、精悍な雰囲気を漂わせた30代後半の民間貸し出し警官で、2017年5月から私のボディーガードをしている。会社が定めたリスクの

          ナイジェリア国鉄旅 2

          ナイジェリア国鉄旅 1

          プロローグ鉄道の国イギリスの植民地であったナイジェリアは、古くから鉄道網が発達、南部のギニア湾沿いに位置するナイジェリア最大の都市ラゴスと北部のナイジェリア第二の都市カノ間は1912年に鉄路で結ばれた。その直線距離は約1000km (東京から直線距離で鹿児島県の種子島に相当) 、それは日露戦争の6年後のことであった(東京ー大阪間は1889年開業)。1960年イギリス独立後の4年後には年間1000万人を超える輸送力を誇っていたが、ナイジェリア国鉄自らが線路も車両も維持ができずに

          ナイジェリア国鉄旅 1