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ペンとインクの沼人たちへ

noteにも結構な数の文具好きが棲息している気がする。
唐突にどうしたと思われるやもしれないが、私も書いてみよう。

ただしペンとインクに関しては超・初心者🔰だから、お手柔らかに。
(誰に向かって言ってるのかは解らない)

はじめてのガラスペン

はじめてにして、人生最後となる予定のガラスペンがこちら。

HASE硝子工房さんの『流水ショート』

はじめてのガラスペンでHASEさんのを使うなんて、なんちゅう贅沢な!
って、怒られやしないかヒヤヒヤする。
人生最後の一本のつもりだから赦して。

いや、だって2021年に奈良で『ランプワーク展』が開催されてましてね。
こちらはそこで出品されていたものなんです。奈良県民バンザイ。

『ランプワーク展2021』@なら工藝館・ギャラリー阿字万字あぜまめ

ちなみに会場のギャラリー『阿字万字』は「あぜまめ」と読む。
奈良の難読地名の一つかな。

抽選ですか、そうですか

『ランプワーク展』にはガラスペンだけでなく、蜻蛉玉やオブジェなど様々はガラス作品が出品されていて、眺めるだけでも楽しめた。
写真を撮っても良いとのことで、時々振り返ってそれもまた楽しんでいる。

奈良って『工芸の国』だと勝手に思っているクチなので、私も大層嬉しがっていた記憶がある。

でも実はHASEさんのガラスペンを一目見たくて駆けつけた。
「見るだけ見るだけ」そう、自分に言い聞かせながら。自制心大事。
それなのに会場で試し書きとかさせてくれるんですもん。
その描き心地を知ってしまうと、もうねぇ。

ただ、購入したくとも、人気だから抽選……
くじ運ってなんですか? 新手の海上輸送「クジラ運送」ですか? 
そんな寝ぼけた運しかないので、まあ当たらないだろうとダメ元で応募。
(とはいえ、内心では本気で祈る)

まさか私の元に来てくれるなんて! ふつくしいぃ!!!

まさか当選するなんて夢にも思いませんでしたが、夢ならこのまま意地でも眠り続ける所存。
握り心地も、描き心地も、最高の一品なんです。

水が流れるような繊細なライン
くるくると回した時に見える表情
とろんとした質感
ガラスならではの美しさが表現された作品です

HASE硝子工房『流水ショート』商品ページより

だったらインクも。それもラメ入りのやつ

いや〜、まさかの『HASEさんの流水ショート来たる』。
こんな展開を誰が予測したでしょう。誰もしませんね、そもそも。

ヘビー級ユーザーではないにしろ、万年筆は多少使ったりする。
が、何せガラスペンなのだ。「ラメ入りインク使ってみたい!」という願望がニョキニョキと瞬く間に生え散らかしたことは言うまでもなかろう。

万年筆だとラメ詰まっちゃうからね。
ラメインクって、つけペン、ガラスペンの醍醐味だよね〜と、それまでは指を咥えて(比喩表現)見ていたから、ウキウキしながら選んだことも言うまでもなかろう。

君に決めた!

色味は勿論のこと、ボトルデザインや色名も含めて、これしかない!!
と直観したのは、こちらのエルバンのアニバーサリーインク1670。

カラーは『アトランティス・グリーン』

こうして眺めていると、ますます好きになってしまう。
と同時に、他の色も試してみたいという願望が沸々と湧いてくる。

これが世に聞く沼というものかと文具界の景勝地・インク沼の前で佇む私。

瓶底ラメ溜まり鑑賞会(独り)

そしてこのラメを堪能するために、彗星もどきを塗ってみた。

なんだこれ

嬉しがって書いてみた日記

今はこうしてnoteのような媒体で文章を書く私ながら、長らく手書きの手帳の中身をinstagramで公開してきた。
(一度だけだけど、雑誌に掲載していただいたこともあるのだ)

それも、もう10年くらいになる。

手帳、と言ってもスケジュールではなく、その日その時に思い浮かんだことをズルズルと引き出してきて、ギュッと凝縮させて書く。
これはその日にあった出来事や、それに付随する感情を書き留める日記とは似て非なるもの。

私の場合は、普段なんとなく考えていることの中から、何らかテーマを決めて、まずキャッチコピーのような「タイトル」を書いてしまう。
そのテーマにフォーカスして、1日あたりA6サイズ1ページに一発書き。

これには手書きならではの感覚がある。

自ら主張しなければ、ここ数年「マインドフルネス」などというハイカラな言葉と共にやけに持て囃されているように感じる「ジャーナリング」あるいは「書く瞑想」と言われるものに当て嵌められるのだろう。

けれど私が書いてきたものは、紀元前2世紀に遡り、ローマ皇帝マルクス・アウレリウスがやっていた『自省録』に近いと思っている。
全てではないにしろ。

『自省録』と「ジャーナリング」「書く瞑想」が一緒に紹介されるのを見かけるけれど、それもまた似て非なるものじゃあないだろうか。

自己の自己のための内省か
自己の世についての内省か

マルクス・アウレリウスは「自分はどう生きるか」ではなく「人間はどう生きるべきか」という哲学を生涯やっていたのだから。

まあ、心の健康を求めるという観点では、相違ないのかもしれないけれど。

それはそうと、最近は手帳の中身を公開する人が随分と増えた気がする。
「世の中が私に追いついてきたぜ!」と叫んでみる。
それとも単に私が知らなかっただけで、昔から手書きした自己の内面を公開する文化があったのだろうか。

そんなことを考えながら、独り哲学の自分的『自省録』ではなく、ガラスペンとインクを使いたくて書いた、ただの日記を載せるのである。

大阪側からの生駒山登山記(標高642m)
生駒山の触ることのできぬ三角点と、山上遊園地の歴史ある飛行塔について

唐突にどうした? の背景にあったもの

他にも書きたいことが山のように押し寄せてくる中で、突然切り出した文具の話。でも、なんの脈絡もなかったわけじゃやない。

度々話題にしているカクヨムで、面白そうな「自主企画」を見つけたのだ。
(「自主企画」はカクヨムユーザーが自由に企画して作品を募集できる)

ここで募集しているのは、万年筆やガラスペン、インクについてのエッセイ、あるいはそれらが登場する物語。

とはいえ私はまだ沼には浸かっていない気がする。
川や田んぼの畔に佇んで、水面をじぃっと見つめているサギのようなもの。
しれっと参加しては詐欺になってしまうだろうか、と踏みとどまっている。

だから、とりあえずnoteに書き出してみようか、写真も載せられるし、ということで今に至る。
おかげでカクヨムに投稿する作品の構成もある程度練ることができた。

同じ文面を掲載するのもアリだろうけれど、折角なので、各々の媒体の特徴を活かして、同じネタでも異なる趣向の作品にしようと目論んでいる。
noteとカクヨムの双方にリンクを貼っておけば、どちらかに興味を持ってくれた方が両方読んでくれるかもしれない、と企んでいる。

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