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【司法試験・予備試験】選択科目の選び方

「学ぶって、楽しすぎる。」-弁護士の岩瀬雄飛です。

本noteでは学ぶことの面白さや学習のノウハウ等を発信するとともに、自分が学んだことの記録を発信しています。

今日のテーマは「司法試験・予備試験の選択科目」。

令和4年度以来、予備試験の論文試験に選択科目が追加され、一般教養科目は廃止された。この改正は、司法試験の勉強も兼ねられる点、また、一般教養科目の「ブラックボックス」「ガチャ」といった要素が無くなった点で、予備試験受験生にとって、嬉しい改正であったと思われる。

前回までで行政法を含め基本7科目の勉強法についてNoteをひととおり記載したので、今回は選択科目について記載したいと思う。


(1) 選択科目の選び方

このNoteを読む多くの方にとっては既知の内容かもしれないが、司法試験・予備試験では、選択科目として以下の中から1科目を選択して受験することになる(括弧内は令和6年司法試験採点対象者の内訳。「令和6年司法試験受験状況」より)。

・倒産法(15.1%)

・租税法(5.3%)

・経済法(21.1%)

・知的財産法(14.7%)

・労働法(28.6%)

・環境法(3.3%)

・国際関係法(公法系)(1.9%)

・国際関係法(私法系)(10.0%)

経済法の人気が高まっていることを除けば、大まかな傾向は自分が受験した平成28年の司法試験当時から変わりはない。

どの選択科目を選ぶかはキャッチーなトピックであるため、「この科目を選ぶべきだ」「こういう方にはこの科目がおすすめ」といった議論がたびたび行われる。

しかし、私の持論は、「自分が好きな科目を選ぶべき」である。好きこそものの上手なれである。いくら簡単である、教材が潤沢にある、他の受験生からも人気が高い、社会人経験があるから労働法・・・等の理由を作れたとしても、興味のない科目を勉強するのはしんどいものである。

なお、就職の面から悩む場合もあるだろう。しかし、4大法律事務所の弁護士の立場からいうと、インターン等でどの選択科目をとっているか尋ねられる場合があるものの、(私が知る限り)採用・不採用に全く影響はない。知財や労働のブティック系の事務所であれば特定の選択科目履修者を優先して採用することもあると思われるが、4大事務所のような大規模事務所や民事・刑事を扱う町弁、裁判官、検察官では、どの選択科目で受験したかを気にすることはまずないと思われる。


(2) 私が選択した科目

私は国際関係法(私法系)を選択した。

「一番興味がある科目を選ぶべき」といったが、私の場合は特に興味がある科目があったわけではなかった(このような受験者も一定数いると思われる)。そのため、未修の自分に選択科目まで手が回るかわからなかったため、簡単と噂されていた国際関係法(私法系)を選ぶことにした。

他の科目は勉強していないため、実際に国際私法が簡単かどうかは不明である。たしかに国際私法は条文数が少なく(メインとなる「法の適用に関する通則法」は43条までしかない)、また、新司法試験が開始した平成18年から数年にかけては基礎的な問題が出題されていた。しかし、その後は(どの科目でも同じではあるものの)基本書では直接的には解説されていない論点についても出題されるようになっている。


(3) 迷ったらどれを選ぶか

全科目を学んだ人であれば答えられるかもしれないが、おそらくそのような人はいないであろう。私は国際私法選択であるため、国際私法をおすすめすることはできるが、もしかしたら他の科目の方がおすすめの場合もある。

しかし、あえて答えるとするとすれば「迷ったら何かを選べ」である。何かは選ばなければいけないため、当然と思われるかもしれない。しかし、ここで伝えたいのは、迷う時間があるならその時間をどの選択科目でもいいから勉強に充てた方が有意義であるということである。

選択科目は司法試験の受験日程上、1番最初の科目であり、精神面で重要な科目である。また、予備試験の論文式でも選択科目が導入され、勉強の前倒しの重要性が高まっている。そのため、早い段階で勉強時間を確保し、十分な準備のもと、試験に臨むことが重要となる。

余談であるが、「迷うよりも行動した方がよい」というのは実生活でもよくあるシチュエーションである。例えば、(学生にとってはなじみがない例で恐縮であるが、)「iDeCoを始めるなら楽天証券とSBI証券のどっち?」という議論がある。結論として、大きく変わらないし、取り扱う商品も今後変わる可能性があるのだから、迷うよりもどちらかに決めて早く始めた方が、最終的なリターンは大きくなるため得である。

終わりに

今回は司法試験・予備試験の選択科目について記載した。私が選択した国際私法の学習方法についてはまた改めて紹介したい。

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本note投稿日現在、民法以外については解説付きです。
論述の流れや事実評価の学習、合格答案のレベルの確認にお役立ていただければと思います。

・民法以外→415円 ※すべてA評価
・民法→250円  ※民法は評価がBであるため他科目よりも廉価です

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