見出し画像

【音楽エッセイ】自分の子どもに伝えたい洋楽 (ハマスカ放送部)

齋藤飛鳥とハマオカモトがやってる『ハマスカ放送部』という番組の今週の回(2024年9/16)は、飛鳥ちゃんとハマさん、そして準レギュラーのトンツカタン森本がそれぞれ「自分の子どもに伝えたい珠玉の洋楽」というテーマでプレイリストを作り、洋楽好き代表のゲストとして登場した永野に評価してもらうというものだった。

面白かったのは、齋藤飛鳥のプレイリストで、ルー・リードとかニーナ・シモンとかバッド・フィンガーとか洋楽好きにしてもめちゃくちゃ渋いチョイスだったので、さすがの永野も「深すぎて仲良くなれない」と若干引いていたところだ。思えば、だいぶ前にたまたま聴いたハリー杉山とのラジオでも「ポール・ウェラーのライブ行きました!」みたいなことを言っていた気がするけど、今でも音楽の趣味は渋くてトガッているみたいでなんか嬉しい(?)。

ハマオカモトやトンツカタン森本のプレイリストもそれぞれ個性が出ていて面白かったけど、それにしても「自分の子どもに伝えたい洋楽」っていうテーマはなかなか面白いし選ぶのに悩む。

例えば洋楽をある程度知っている人に聴かせるプレイリストとなると、あえてマイナーなとこに行ってちょっとカッコつけたくなるものだけど、自分の子どもとなるとカッコつけてもしょうがない。もちろん、自分が十代のころとかに聴いてきたものをそのまま紹介するのも素敵だが、いくら自分が聴いていたからといって、激烈に憂鬱なものとかウルトラ・エクストリームなメタルとかの場合はなんとなく不適切な気もするし、どうせなら単純に自分が好きなものよりも何かメッセージ性のあるものを選んだ方がいいんじゃないかという気もしてくる。
いずれにせよ、自分を表すような選曲とは少し異なる側面の価値観が反映されそうだ。

そんなことを考えながら自分でも一生懸命、子どもに伝えたい洋楽を(30分くらい)考えてみた結果、こんな感じのプレイリストになった。

・"Trash" by Suede
・"Too Good For Giving Up" by Liam Gallagher
・"Don’t Look Back into the Sun" by The Libertines
・"Just My Imagination" by The Cranberries
・"Dance The Night Away" by Van Halen
・"Rats In The Cellar" by Aerosmith
・"Baby Be Mine" by Michael Jackson
・"Valerie" by Amy Winehouse

最初からいきなり、90年代〜00年代のイギリス/アイルランドのミュージシャンが選ばれているのは完全に自分がここ最近よく聴いている音楽の趣味が反映されているのだが、その中でもやはり出来るだけ、聴いて明るい気持ちやポジティブな気持ちになれるようなものを選んでみた。

Suedeの"Trash"は、「君と僕はただのゴミくず。風の中を舞う塵のようなもの」という歌詞で一見暗い内容にも見えるけど、曲調は明るくアップテンポでどこか、自分のことをどうしようもない存在と諦めながらもそれでも生きて行こうとするような前向きな感じがして、大好きだ。

それから、リアムの"Too Good For Giving Up"は3枚目のソロアルバムに入っているバラードで、「諦めてしまうには、君は素晴らしすぎる」という直球の応援ソングだけど、これをリアム・ギャラガーという一度音楽キャリアが終わりかけたところから復活した男が歌っているところに説得力がある。

それから、Van Halenのエディやマイケル、The Craberriesのドロレス、Amy Winehouseなどは、既に亡くなってしまっているけど、後に生まれてくる人たちにもその才能を聴いてもらいたいと思ったから選んだ人たちだ。

特に、自分自身ギタリストという視点からいうと、やっぱりエディ・ヴァン・ヘイレンみたいなギタリストはもう出てこないだろうと思う。もちろん、テクニックやサウンド面での革命もそうだけど、彼は優れたソングライターでもあって、特にプレイリストにあげた"Dance The Night Away"のメジャートライアドを使ったポップセンスに溢れたリフは、それまでの硬派なハードロックの流れから考えると異質と言ってもいい。

自分の考えた「子どもに伝えたい洋楽」プレイリストは、だいたいこんな感じになった。やっぱり、単に自分の好みを反映させるのとは違う指標で選ぶことになるし、より普遍的な意味でも子どもに何を伝えたいかを考えることにもなるので興味深かった。

皆さんもご自身でプレイリストを作ってみてはいかがかな?

ハマスカ放送部のYouTube公式動画

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?